大海令第九号(ひらがな化、一部新字体化) 大海令第九號 昭和十六年十二月一日 奉勅 軍令部総長 永野修身 山本連合艦隊司令長官に命令 一、帝国は十二月上旬を期し米国、英国及蘭国に対し開戦するに決す。 二、連合艦隊司令長官は在東洋敵艦隊及航空兵力を撃滅すると共に敵艦隊東洋方面に来攻せば之を邀撃撃滅すべし。 三、連合艦隊司令長官は南方軍総司令官と協同して速に東亜に於ける米国、英国次で蘭国の主要根拠地を攻略し南方要域を占領確保すべし。 四、連合艦隊司令長官は所要に応じ支那方面艦隊の作戦に協力すべし。 五、前諸項による武力発動の時機は后令す。 六、細項に関しては軍令部総長をして之を指示せしむ。 (国立公文書館:C16120631800)
国際関係より見たる時局処理方針(ひらがな化、一部新字体化) 昭和七年八月二十七日 閣議決定 國際関係ヨリ見タル時局處理方針 帝国の国際的関係は満洲事変を契機として一大変転を示せり従て茲に帝国政府としては益々自主的外交の真諦を発揮し以て国運の打開並に国家的使命の遂行の為め堅忍不抜の努力を要すへきこと論を俟たす 先に満洲事変に相次で上海事件の発生を見るや我か国際関係は甚たしく悪化し或は勢の赴く所連盟側より又は列国共同して帝国に対し重大なる現実の圧迫を加ふるか如き事態を誘致することなく保せさる形勢なりしか其の後上海方面に於ける状況の変化等に伴ひ右形勢は次第に緩和し来れる現状なり然れ共我か対支関係の将来は種々なる波瀾あるへく殊に満洲問題は今後共幾多の難関を包蔵せるものと思考せられ旁々我か国際関係の前途は未た俄かに楽観を許ささるものありて将来形勢の推移如何に依りては再ひ前記の如き極端に険悪なる事態発生の絶無を期し難き次第なり 而して前記の如く万々一連盟等が帝国に対し重大なる現実の圧迫を加へ来るに於ては我方亦実力を以て之を排除すへきこと勿論にして政府は斯の如き場合に備ふる為め早きに及んて軍備の充実、非常時経済及国家総動員に付ても充分に考慮を加へ断乎たる決意と周到なる用意を以て今後の事態を処理すへく国際関係より見たる対策は左記方針に依ることと致度 (一)帝国独自の立場に於て満蒙経略の実行に邁進するを以て前記の事態に処すへき帝国外交の枢軸たらしむること而して昭和九年以後に於ける対米兵力関係及蘇連の産業計画等に鑑み速かに我満蒙経略上の根基を確立するに努むること (右満蒙経略の実行は三月十二日閣議決定に立脚すること) (二)帝国の満蒙経略を容易且有利ならしむると共に将来万々一発生することあるへき前記の如き困難に善処せんか為めに支那本部、連盟及列国に対する関係に於ては概ね左記要綱に則り措置すること (イ)支那本部 帝国の対支那本部策は帝国の対満蒙策と切離し主として其の貿易及企業市場たる性能を発揮せしむるを以て主とすへく従て我か満蒙経略に支障を及ほささる限り列国と協力して支那本部殊に経済上列国と重要関係を有する地域の和平を保持しつつ其の門戸を開放せしむるに努むへし尚ほ帝国の対満蒙政策と対支那本部策とに本質的区別あることを機会ある毎に如...