日本国「フィリピン」国間同盟条約(ひらがな化、一部新字体化) 条約第十二号 日本國「フィリピン」國間同盟條約 大日本帝国天皇陛下及「フィリピン」共和国大統領は 日本国が「フィリピン」国を独立国家として承認することに決したるに因り 両国相互に善隣として其の自主独立を尊重しつつ緊密に協力して道義に基く大東亜を建設し以て世界全般の平和に貢獻せんことを期し確乎不動の決意を以て之が障害たる一切の禍根を芟除せんことを欲し之が為同盟条約を締結することに決し左の如く各其の全権委員を任命せり 大日本帝国天皇陛下 特命全権大使従三位村田省蔵 「フィリピン」共和国大統領 国務大臣「クラーロ、エメ、レクト」 右各全権委員は互に其の全権委任状を示し之が良好妥当なるを認めたる後左の諸条を協定せり 第一条 締約国間には相互に其の主権及領土の尊重の基礎に於て永久に善隣友好の関係あるべし 第二条 締約国は大東亜戦争完遂の為政治上、経済上及軍事上緊密なる協力を為すべし 第三条 締約国は大東亜の建設の為相互に緊密に協力すべし 第四条 本条約の実施の為必要なる細目は締約国当該官憲間に協議決定せらるべし 第五条 本条約は締約国に於て其の批准を了したる日より実施せらるべし 第六条 本条約は成るべく速に批准せらるべし批准書の交換は「マニラ」に於て成るべく速に行はるべし 右証拠として各全権委員は本条約に署名調印せり 昭和十八年十月十四日即ち千九百四十三年十月十四日「マニラ」に於て本書二通を作成す 村田省蔵(印) クラーロ、エメ、レクト(印) 日本國「フィリピン」國間同盟條約附屬了解事項 条約第二条に付 同条に規定する大東亜戦争完遂の為の軍事上の緊密なる協力の主たる態様は左の通とす 「フィリピン」国は日本国の為すべき軍事行動の為一切の便宜を供与すべく又日本国及「フィリピン」国は「フィリピン」国の領土及独立を防衞する為相互に緊密に協力すべし 右証拠として下名は各本国政府より正当の委任を受け本了解事項に署名せり 昭和十八年十月十四日即ち千九百四十三年十月十四日「マニラ」に於て本書二通を作成す 村田省蔵 クラーロ、エメ、レ...