日独通商航海条約(ひらがな化、一部新字体化) 日獨通商航海條約 第一条 両締約国の一方の国民は他の一方の版国内の各地に到り又は滞在することに付完全なる自由を有すへし 該国民は国法に遵由するに於ては左記の権利を享有すへし 一 居住すること、修学研究を為すこと、生業職業に従ふこと及生産製造の業を営むことに関する一切の事項に付総て最恵国の国民と同一の基礎に置かるへく 二 内国民と均しく締約国の他の一方の版図内を旅行するの権利を有し又適法なる商業の目的物たる各種商品の取引に従事するの権利を有すへく 三 家屋、製造所、倉庫、店舗及附属構造物を所有又は賃借して之を使用し又住居、商業、生産業、製造業其の他適法なる目的の為土地を貸借することを得へく 四 各種動産を占有すること、生存者間に於て適法に取得し得へき各種動産を遺言其の他の方法に因りて相続すること及適法に取得したる各種財産を一切の方法に因りて処分することに関し内国民又は最恵国の国民と同一の特権、自由及権利を享有し且此等の事項に付内国民又は最恵国の国民よりも多額なる何等の租税又は課金を課せらるることなかるへく 五 国法に依り別国の国民か取得占有することを得又は得ることあるへき各種の不動産を相互の条件に依り且常に右国法の定むる条件及制限に従ひ取得占有することを得へく 六 陸軍、海軍、䕶国軍又は民兵の何れたるを問はす総ての強制兵役を免れ且服役の代として課せらるる一切の租税竝強募公債を免るへく内国民又は最恵国の国民と同一の条件及基礎に依るの外如何なる軍用徴発又は取立金をも課せらるることなかるへく 七 又何等の名義を以てするも内国民又は最恵国の国民か納付し又は納付することあるへき所と異なるか或は之より多額なる課金又は租税を徴収せらるることなかるへし 第二条 ■■両締約国の一方の国民か他の一方の版一国内に於て有する家宅、倉庫、製造所及店一舗竝一切の附属構造物は侵すへからす 右建物又は附属構造物に付ては内国民に対する法定の条件及方式に依るの外臨検捜索を為し又は帳簿、書類若は計算書類を検査点閲することを得す 第三条 両締約国版図の間には相互に通商及航海の自由あるへし 締約国の一方の国民は他の一方の版図内に於て外国通商の為に開かれ又は開かるることあるへき一切の場所、港及河川に船舶及貨物を以て自由に到ることを得但し常に到達国の国法に従...
赤十字条約(ひらがな化、一部新字体化) 明治十九年十一月十五日 赤十字條約 第一条 戦地仮病院及ひ陸軍病院は局外中立と見做し患者若くは負傷者の該病院に在院の間は交戦者之を保護して侵すこと勿るへし 但戦地仮病院及ひ陸軍病院は兵力を以て之を守る時は其局外中立たるの資格を失ふものとす 第二条 戦地仮病院及ひ陸軍病院に於て任用する人員即ち監督員、医員、事務員、負傷者運搬員并に説教者は各其本務に従事し且つ負傷者の入院すへく若くは救助すへき者ある間は局外中立の利益を享有するものとす 第三条 前条に掲けたる各員の従事する戰地仮病院若くは陸軍病院は敵軍の占領に係ると雖も各員は依然其本務を行ふことを得へく若くは其属する隊に再ひ加はる為め退去することを得へし 前項の場合に於て各員其職を罹る時は占領軍隊より敵軍の前哨に之を送致すへし 第四条 陸軍病院の器具什物等は交戰条規に従て処置すへきものなり故に該病院附属の各員は其退去の際各自の私有品を除くの外余の物品を携帯することを得す 但戦地仮病院は前項の場合に於ても其器具什物等を保有することを得 第五条 負傷者を救助する土地の住民は侵すことを得す且つ之をして其自由を得せしめさるへからす 交戦国の将官は住民に慈善の挙を慫慂し且つ慈善の挙に依て局外中立たるの資格を有することを得へき旨を予告するの責あるものとす 家屋内に負傷者を接受し之を看護する時は其家屋を侵すことを得す又自己の家屋に負傷者を接受する者は戦時課税の一部を免かれ且つ其家屋を軍隊の宿舎に供用することを免かるへし 第六条 負傷し又は疾病に罹りたる軍人は何国の属籍たるを論せす之を接受し看護すへし司令長官は戦闘中に負傷したる兵士を速に敵軍の前哨に送致することを得但右は其時の状勢に於て之を送致することを得へく且つ両軍の協議を経たる場合に限るものとす 治療後兵役に堪へすと認めたる者は其本国に送還すへし 又其他の者と雖も戦争中再ひ兵噐を帯ひさる旨盟約したる者は其本国に送還すへし 患者負傷者退去する時は其之を率ふる人員と共に完全なる局外中立の取扱を受くへし 第七条 陸軍病院戦地仮病院并に患者負傷者退去の標章として特定一様の旗章を用ひ且つ其傍に必す国旗を掲くへし 局外中立たる人員の為に臂章を装附することを許す但其交付方は陸軍官衙に於て之を司とるへし 旗...