スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

9月, 2024の投稿を表示しています

税務における解釈問題:事業所得と雑所得の区別

事業所得と雑所得の区別 判例 最判昭和 56 年4月 24 日では、「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」と判示しています。 また、東京地判昭和 48 年7月 18 日では、「いわゆる事業にあたるかどうかは、結局、一般社会通念によって決めるほかないが、これを決めるにあたっては営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無、その取引に費した精神的あるいは肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点が検討されるべきである」と判示しています。  国税の見解 所得税基本通達35-2(注) 事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。  なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。

税務における解釈問題:「生計を一にする」

「生計を一にする」 判例等 最高裁判所 昭和48(行ツ)30「裁決取消等請求」昭和51年3月18日判決 別居していた長男・次男に対する給与を、生計を一にするため給与と見做さないとした更生処分に対し、その処分の取り消しを決定した事例。 最高裁 「夫弁護士・妻弁護士(服部)事件」 平成16年11月2日判決 最高裁「夫弁護士・妻税理士(宮岡)事件」平成17年7月5日判決 配偶者に対する報酬について、必要経費と認めず共に納税者敗訴、業務内容が異なっていたとしても、 「生計を一にする」とした事例。 国税庁の見解 所得税基本通達2-47  法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。 (1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。  イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合  ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合 (2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。