対重慶政治工作に関する件(ひらがな化、一部新字体化)
對重慶政治工作ニ關スル件
昭和一八年 九月二十日
大本営政府連絡会議了解
一、汪首席の対重慶政治工作に関する真意及策案を確めたる後国民政府をして対重慶政治工作を開始せしむる如く指導す
二、日華永遠の関係に関する帝国の意図は別冊「条約改訂の趣旨」の通とす
三、重慶政権にして日支両国の全面和平を希望するに於ては米英との関係を清算し左記事項の実行に付誠意を示すを要す
記
1.在支米英軍隊の武装を解除するか又は中国より之を退去せしむ
2.米英との交通連絡を断絶す
但し中華民国に対し対米英宣戦は必すしも要求せさるも帝国の大東亜戦争完遂に対し真実的協力をなすものとす
四、本工作と条約改訂の時機との関係は国民政府の意向を聴収の上別に定む
別冊 条約改訂の趣旨
一、両国は永久に善隣友好の関係を維持すへきこと
二、両国は大東亜建設の為相互に緊密に協力すへきこと
三、両国は互恵を基調とする素密なる経済提携を行ふこと
四、支那に於ける全面和平克復し重慶政権との交戦状態終了したる時は日本国軍隊は撤去すること尚北京議定書及関係書類に基く駐兵権をも放棄すること
五、軍事上及経済上素密なる合作を要する特殊地帯として制約しありたる事項は之を禁止すること
六、支那に於ける全面和平克復し重慶政権との交戦状態終了したる時は既成の事項は新条約に基き根本的に調整すること尚戦争間と雖も情況に応し所要の調整は之を実施すること
七、日華基本条約及附属の文書は全部放棄すること
(国立公文書館:対重慶政治工作ニ関スル件 B02032985800)
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