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新聞紙条例 1875年06月28日

新聞紙条例(原文:ひらがな、一部新字体化)

第百十一号
明治六年十月第三百五十二号を以て布告候新聞紙条目被廃更に別冊の通被定候条此旨布告候事
(別冊)
新聞紙条例
第一条 凡そ新聞紙及時々に刷出する雑誌雑報を発行せんとする者は持主若くは社主より其の府県庁を経由して願書を内務省に捧け允准を得へし允准を得すして発行する者は法司に付し罪を論し(凡そ条例に違ふ者は府県庁より地方の法司に付し罪を論す)発行を禁止し持主若くは社主及編輯人印刷人各々罰金百円を科す其の詐て官准の名を冒す者は各々罰金百円以上二百円以下を科し更に印刷器を没入す
第二条 願書に挙ぐべきの目左の如し
 一 紙若くは書の題号
 ニ 刷行の定期(毎日・毎週・毎月或は無定期の類)
 三 持主の姓名住所○会社なれは差金人を除くの外社主一人若くは数人の姓名住所
 四 編輯人の姓名住所○編輯人数人ある者は編輯人長一人の姓名住所
 五 印刷人の姓名住所○編輯人自ら印刷人を兼る者は其由を著す
右の五目中詐謬ある者は発行を禁止若くは停止し(時日を限り発行を止むる者を停止とす)仍ほ願人に向て十円以上百円以下の罰金を科す
第三条 編輯人若くは編輯人長退任し若くは死去する時は假に編輯人若くは編輯人長を定め刷行することを得但し遅くも十五日内に(退任死去の翌日より起算す)新定せる編輯人若くは編輯人長の姓名住所を持主若くは社主より其府県庁に届け出へし若し期内に届け出さる時は発行を停止し持主若くは社主罰金百円を科す
第四条 持主若くは社主及び編輯人若くは假の編輯人たる者は内国人に限るへし
第五条 持主若くは社主自ら編輯人若くは編輯人長たることを得
第六条 編輯人二人以上ある者は其一人を撰て編輯人長とすへし
毎紙毎巻の尾に編輯人印刷人名を署し編輯人数人ある者は編輯人長名を署し編輯人若くは編輯人長疾病事故ある時は代理人を定め其名を署すへし若し名を署せさる時は編輯人若くは編輯人長若くは代理人罰金百円以上五百円以下を科し印刷人罰金百円を科す
紙中若くは巻中載する所の事に付ては紙尾署名の編輯人若くは編輯人長一切責に任すへし
第七条 紙中若くは巻中載する所第十二条以下の禁を犯し若くは讒謗律を犯したる時は編輯人首を以て論し筆者は従を以て論す持主若くは社主情を知る者は編輯署名の人と同く論す
第八条 新聞紙及雑誌雑報の筆者は(投書者は筆者を以て例す)尋常の瑣事を除くの外凡そ内外国事理財人情時態学術法教議論及事官民の権利に係る者は皆其の姓名住所を著すへし
筆者変名を用ひたる時は禁獄三十日罰金十円を科す他人の名を假托する者は禁獄七十日罰金二十円を科す(二罰併せ科し或は偏に一罰を科す以下之に倣へ)
第九条 外国新聞紙及雑誌雑報を翻訳し記入する者は尋常の瑣事を除くの外訳者を署し其事第十二条以下の禁を犯し若くは讒謗律を犯したる時は訳者其責に任すへきこと第七条筆者従を以て論するの例に依る
第十条 事犯編輯人に止り禁獄を命したる時は特に発行を停止したる時を除くの外持主若くは社主より假に編輯人を定め若くは新たに編輯人を定めて仍ほ発行することを得其編輯人を定めすして発行する者は発行を停止すへし
第十一条 新聞紙若くは雑誌雑報に指名されたる官署会社若くは人民より弁白書若くは改正を求むるの書を寄するきは其書を受取りしより直ちに其次号に刷出すへし違ふ者は編輯人罰金十円以上百円以下を科す
第十二条 新聞紙若くは雑誌雑報に於て人を教唆め罪を犯さしめたる者は犯す者と同罪其教唆に止まる者は禁獄五日以上三年以下罰金十円以上五百円以下を科す
其教唆して兇衆を煽起し或は官に強逼せしめたる者は犯す者の首と同く論す其教唆に止まる者は罪前に同し
第十三条 政府を変壊し国家を顛覆するの論を載せ騒乱を煽起せんとする者は禁獄一年以上三年に至る迄を科す其実犯に至る者は首犯と同く論す
第十四条 成法を誹毀して国民法に遵ふの義を亂り及顕はに刑律に触れたるの罪犯を曲庇するの論を為す者は禁獄一月以上一年以下罰金五円以上百円以下を科す
第十五条 裁判所の断獄下調に係り未た公判に付せさる者を載することを得す及裁判官審判の議事を載することを得す犯す者は禁獄一月以上一年以下罰金百円以上五百円以下を科す
第十六条 院省使庁の許可を経すして上書建白を載することを得す者は罰前条に同し
 附則(省略)
(法令全書(1875)P138-139)

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日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より

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