立憲政体の詔(口語訳)
私は即位の初めに群臣を集めて五箇条の誓文を神々に誓い、国是を定め万民保全の道を求めた。幸いに先祖の霊と群臣の力とに頼ることにより今日の落ち着きを得た。顧みるに中興の日は浅く、内政の事を振興したり引締めたりする者は少なくない。私は今、(五箇条の御)誓文の主意を拡充し、ここに元老院を設けて立法の源を広め、大審院を置いて審判権を堅牢にし、また地方官を召集することにより民情を通じて公益を図り、次第に国家立憲の政体を立て、皆とともにその喜びに頼ることを希望する。皆も、古きことに執心することなく又進むに軽くなす事を急ぐことなく、私の思うことを尊重して力添えして欲しい。
立憲政体の詔(原文:ひらがな、一部新字体化)
立憲政体の詔
朕即位の初首として群臣を会し五事を以て神明に誓ひ国是を定め万民保全の道を求む幸に祖宗の霊と群臣の力とに頼り以て今日の小康を得たり顧に中興日浅く内治の事更に振作更張すへき者少しとせす朕今誓文の意を拡充し茲に元老院を設け以て立法の源を広め大審院を置き以て審判の権を鞏くし又地方官を召集し以て民情を通し公益を図り漸次に国家立憲の政体を立て汝衆庶と倶に其慶に頼んと欲す汝衆庶或は旧に泥み故に慣るヽこと莫く又或は進むに軽く為すに急なること莫く其れ能く朕か旨を体して翼賛する所あれ
明治八年四月十四日
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