治安維持法(口語訳)
第一条 国体を変革し又は私有財産制度を否認することを目的として結社を組織し又は情を知りて之に加入したる者は十年以下の懲役又は禁錮に処す
2 前項の未遂罪は之を罰す
第二条 前条第一項の目的を以てその目的たる事項の実行に関し協議を為したる者は七年以下の懲役又は禁錮に処す
第三条 第一条第一項の目的を以てその目的たる事項の実行を扇動したる者は七年以下の懲役又は禁錮に処す
第四条 第一条第一項の目的を以て騒擾、暴行其の他生命、身体又は財産に害を加ふべき犯罪を扇動したる者は十年以下の懲役又は禁錮に処す
第五条 第一条第一項及び前三条の罪を犯さしむることを目的として金品其の他の財産上の利益を供与し又は其の申込み若しくは約束を為したる者は五年以下の懲役又は禁錮に処す 情を知りて供与を受け又は其の要求若しくは約束を為したる者また同じ
第六条 前五条の罪を犯したる者自首した時は其の刑を減軽又は免除す
第七条 本法は何人を問わず本法施行区域外に於いて罪を犯したる者にまたこれを適用す
附則
大正十二年勅令第四百三号(注:治安維持の為にする罰則に関する件)は之を廃止す
法律第四十六號(原文、一部新字体化)
治安維持法
第一條 國体ヲ變革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第二條 前條第一項ノ目的ヲ以テ其ノ目的タル事項ノ實行ニ關シ協議ヲ爲シタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第三條 第一條第一項ノ目的ヲ以テ其ノ目的タル事項ノ實行ヲ煽動シタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第四條 第一條第一項ノ目的ヲ以テ騒擾、暴行其ノ他生命、身體又ハ財産ニ害ヲ加フヘキ犯罪ヲ煽動シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第五條 第一條第一項及前三條ノ罪ヲ犯サシムルコトヲ目的トシテ金品其ノ他ノ財産上ノ利益ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス情ヲ知リテ供與ヲ受ケ又ハ其ノ要求若ハ約束ヲ爲シタル者亦同シ
第六條 前五條ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除ス
第七條 本法ハ何人ヲ問ハス本法施行區域外ニ於テ罪ヲ犯シタル者ニ亦之ヲ適用ス
附 則
大正十二年勅令第四百三號ハ之ヲ廃止ス
(国立公文書館:治安維持法・御署名原本・大正十四年・法律第四六号)(19250421治安維持法.pdf)
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