日本銀行特別融通及損失補償法(原文:ひらがな、一部新字体化)
法律第五十五号
日本銀行特別融通及損失補償法
第一条 日本銀行は現に預金の払戻停止中に非ざる銀行より其の預金(定期積金を含む)の支払準備に充つる為資金融通の請求ありたる場合に於て財界の安定を図る為必要ありと認むるときは之に対し手形割引の方法に依り大蔵大臣の定むる特別融通を為すことを得
現に預金の払戻停止中の銀行にして将来営業継続の見込あるものに付ては前項の規定を適用す
日本銀行が前二項の特別融通を為すに付ては特別融通審査会の議を経ることを要す
特別融通審査会の組織及権限は勅令を以て之を定む
第二条 日本銀行が前条の特別融通の為にする手形割引を為すことを得る期間は本法施行の日より一年とす
第三条 第一条の特別融通の為にする手形の書換の為に振出したる手形の割引に依る特別融通の期限は本法施行の日より十年を超ゆることを得ず
第四条 政府は本法に依る特別融通に因りて日本銀行が損失を受けたるときは同行に対し五億円を限り其の損失を補償するの契約を為すことを得
前項の損失を決定する基準は大蔵大臣之を定む
第五条 本法に依る特別融通に因りて日本銀行の受けたる損失及其の額は特別融通損失審査会之を決定す
特別融通審査会の組織及権限は勅令を以て之を定む
第六条 第四条第一項の契約に基き政府が日本銀行に対して支払ふべき損失補償金は五分利付国債証券を以て之を交付することを得
第七条 政府は前条の規定に依り交付する為必要なる額を限度とし公債を発行することを得
第八条 本法に依り交付する国債証券の交付価格は時価を参酌して大蔵大臣之を定む
附 則
本法は公布の日より之を施行す
昭和二年四月二十二日より本法施行の日の前日迄に日本銀行の為したる手形割引に依る融通にして第一条の特別融通に相当するものは之を第一条の特別融通と看做す
(国立公文書館:日本銀行特別融通及損失補償法・御署名原本・昭和二年・法律第...)
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