第一次近衛声明(国民政府を対手とせず) (昭和十三年一月十六日 帝国政府声明) 帝国政府は南京攻略後尙ほ支那国民政府の反省に最後の機会を与ふるため今日に及べり、然るに国民政府は帝国の真意を解せず漫りに抗戰を策し内民人塗炭の苦みを察せず外東亜全局の和平を顧みる所なし仍て帝国政府は爾後国民政府を対手とせず帝国と真に提携するに足る新興支那政権の成立発展を期待し是と両国国交を調整して更生新支那の建設に協力せんとす、元より帝国が支那の領土及主権竝に在支列国の権益を尊重するの方針には毫もかはる所なし、今や東亜和平に対する帝国の責任愈々重し、政府は国民が此の重大なる任務遂行のため一層の発奮を冀望して止まず。 (国立公文書館:「近衛首相演述集」(その二)/1 第一章 「声明、告諭、訓令、訓辞」 B02030031600)