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省公署官制 1932年03月09日

 省公署官制(ひらがな化、一部新字体化)


省公署官制(大同元年三月九日教令第十三号)

第一条 省(興安省を除く)に省公署を置く

第二条 省公署に左の職員を置く

  省   長    特 任

  理 事 官    簡任若は薦任

  秘 書 官    簡任若は薦任

  技   正    簡任若は薦任

  事 務 官    薦 任

  視   学    薦 任

  属   官    委 任

第三条 省長は国務総理及各部総長の指揮監督を承け法令を執行し省内の行政事務を管理し部下の官吏を指揮監督し其の進退及賞罰に関しては国務総理に上申し委任官以下は之を専行す

第四条 省長は省内行政事務に関し職権又は特別の委任に依り省令を発することを得

第五条 省長は職権又は特別の委任に依り県長を指揮監督す

 省長は県長の命令又は処分にして制規に違ひ公益を害し又は権限を犯すものありと認むるときは其の命令又は処分を取消し若は停止することを得

第六条 省長は安寧秩序を保持する為兵力を要するときは国務総理に呈請すへし、但し非常急襲の場合は地方駐在軍隊の司令官に対し出兵を要求することを得

第七条 理事官は省長の命を承け事務を分掌す

 技正は省長の命を承け技術を掌る

 事務官は上司の命を承け事務を掌る

 視学は上司の指揮を承け学事の視察及其の他教育に関する事務に従事す

 属官は上司の指揮を承け事務に従事す

第八条 省公署に左の各庁を置く

 一 総 務 庁

 二 民 政 庁

 三 警 務 庁

 四 実 業 庁

 五 教 育 庁

第九条 総務庁に於ては左の事項を管掌す

 一 機密に属する事項

 二 人事に関する事項

 三 文書及統計に関する事項

 四 官印の保管に関する事項

 五 会計に関する事項

 六 他庁に属せさる事項

第十条 民政庁に於ては左の事項を管掌す

 一 自治行政の監督に属する事項

 二 土木に関する事項

 三 賑災及救恤に関する事項

 四 官有財産の管理に関する事項

 五 土地に関する事項

 六 其の他他庁の所管に属せさる一般行政事項

第十一条 警務庁に於ては左の事項を管掌す

 一 警察に属する事項

 二 衛生に関する事項

 三 禁煙に関する事項

 四 争議の調停に関する事項

第十二条 実業庁に於ては左の事項を管掌す

 一 農、工、商、森林、鉱山及水産に関する事項

 二 官営事業の管理に関する事項

 三 荒地開墾及殖民に関する事項

 四 農田及水利の整治に関する事項

 五 度量衡に関する事項

第十三条 教育庁に於ては左の事項を管掌す

 一 教育及学芸に関する事項

 二 禮俗及宗教に関する事項

第十四条 警務庁長は警察事務の執行に関し省長の命を承け省内の警察官吏を指揮監督す

第十五条 各庁の事務分掌規程は省長之を定む

第十六条 本官制は大同元年三月九日より施行す

(国立国会図書館:満洲国現行法令集)

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