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日支新関係調整要綱 1938年11月25日

 日支新関係調整要綱(ひらがな化、一部新字体化)


日支新関係調整要綱

第一章 日支新関係設定の調整せらるべき事項


昭和十三年十一月廿五日 

本章は新日支関係調整のため準拠すべき大綱にして締結せらるべきもの、内面指導の根基たるべきもの、心構え等すべてこれを包含するものとす 


第一、基礎事項

日満支三国は東亜における新秩序建設の理想の下に相互に善隣として結合し東洋平和の枢軸たることを共同の目標とすること 

一、互恵を基調とする日満支一般提携、なかんずく善隣友好、防共共同防衛、経済提携原則の設定 

二、北支および蒙疆において国防上経済上(特に資源の開発利用)日支強度結合地帯の設定 

三、蒙疆地方は前項のほか特に防共のため軍事上政治上特殊地位の設定 

四、揚子江下流地域における経済上日支強度結合地帯の設定 

五、南支沿岸特定島嶼における特殊地位の設定 


第二、友好の原則に関する事項

日満支三国は相互に本然の特質を尊重し渾然相提携して東洋の平和を確保し、善隣友好の実を挙ぐるため各般にわたり互助連環友好促進の手段を講ずること 

一、支那は満洲帝国を承認し、日本および満洲は支那の領土および主権を尊重し日満支三国は新国交を修復す 

二、日満支三国は政治、外交、教育、宣伝、交易等諸般にわたり相互に友好を破壊するがごとき措置および原因を廃し、かつ将来にわたりこれを禁ず 

三、日満支三国は相互提携を基調とする外交を行い、これに反するがごとき一切の措置を第三国との関係において執らず、相互間協定の規定とするがごとき政治条約を第三国と締結せざるものとす 

四、日満支三国は文化の融合、創造および発展に協力す 

五、新支那の政治形態は分治合作主義に則り内面指導す 

六、蒙疆は高度の防共自治区域とす 

七、上海、青島、厦門は各々既定方針に基づき特別行政区域とす 

八、日本は新中央政府に少数の顧問を派遣し新建設に協力す 。強度結合地帯その他の特定の地域にありては所要の機関に顧問を配置す 

九、日支善隣関係の具現に伴い日本は漸次租界、治外法権等の返還を考慮す 


第三、共同防衛の原則に関する事項

日満支三国は協同して防共に当たると共に共通の治安安寧の維持に協力すること 

一、日満支三国は各々その領内における共産分子および組織を排除すると共に防共に関する情報宣伝等につき提携協力す 

二、日支協同して防共を実行す 。これが必要なため日本は所要の軍隊を北支および蒙疆の要地に駐屯す 。別に日支防共軍事同盟を締結す 

三、第二項以外の日本軍隊は全般および局地の情勢に即応しなるべく早期にこれを撤収す 。ただし保障のため北支および南京、上海、杭州三角地帯におけるものは治安の確立するまでこれを駐屯せしむ 

四、共通の治安安寧維持のため揚子江沿岸特定の地点および南支沿岸特定島嶼およびこれに関連する地点に若干の艦船部隊を駐屯す 。なお揚子江および支那沿岸における艦船の航泊は自由とす 

五、支那は前項治安協力のための日本の駐兵に対し財政的協力の義務を負う 

六、日本はその駐兵地域に存在する鉄道、航空、通信および主要港湾水路に対し軍事上の要求権および監督権を保留す 

七、支那は警察隊および軍隊を改善整理すると共にこれを日本軍駐屯地との配置に配慮す 。軍事施設は当分治安および国防上必要の最小限とす 

八、日本は支那の軍隊警察隊の建設に対し顧問の派遣、武器の供給等により協力す 


第四、経済提携の原則に関する事項

日満支三国は互助連環および共同防衛の実を挙ぐるため産業経済等に関し、長短相補有無相通の趣旨に基づき共同互恵を旨とすること 

一、日満支三国は資源開発、産業、交易、航空、交通、通信、気象、測量等に関し前記主旨ならびに以下各項の要旨を具現するがごとく所要の協定を締結す 

二、資源の開発利用に関しては北支蒙疆において日満の不足資源、なかんずく埋蔵資源を求めることをもって施策の重点とし、支那は共同防衛および経済的結合の見地よりこれに特別の便宜を供与す 。その他の地域においても特定資源開発に関し経済的結合の見地より必要なる便宜を供与す 

三、一般産業については努めて支那側の事業を尊重し日本はこれに必要なる援助をあたう 。農業にしてはこれが改良を援助し支那民生の安定に資すると共に日本所要原料資源の培養を図る 

四、支那の財政経済政策の確立に関し日本は所要の援助をなす 

五、交易にしては妥当なる関税および通商制度を採用し、日満支間一般通商を振興すると共に日支、なかんずく北支間の物資需給を便宜かつ合理的、ならしむ 

六、支那における交通、通信、気象、測量の発達に関しては日本は所要の援助ないし協力をなす 

七、全支における航空の発達、北支における鉄道(隴海線を含む)、日支間および支那沿岸における主要海運、揚子江における水運および北支および揚子江下流における通信は日支交通協力の重点とす 

八、日支協力により新上海を建設す 

支那は事変勃発以来支那において日本国臣民の蒙りたる権利利益の損害を補償す

(日本公文書館:B02030548600)

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