軍需会社法(原文:ひらがな、一部新字体化) 法律第百八号 軍需會社法 第一条 本法は兵器、航空機、艦船等重要軍需品其の他軍需物資の生産、加工及修理を為す事業其の他軍需の充足上必要なる事業に付其の経営の本義を明にし其の運営を強力ならしめ以て戦力の増強を図ることを目的とす 第二条 本法に於て軍需会社とは兵器、航空機、艦船等重要軍需品其の他軍需物資の生産、加工及修理を為す事業(以下軍需事業と称す)を営む会社にして政府の指定するものを謂う 軍需事業の範囲は勅令を以て之を定む 第三条 軍需会社は戦力増強の国家要請に応へ全力を発揮し責任を以て軍需事業の遂行に当るべし 第四条 軍需会社は命令の定むる所に依り生産責任者を選任すべし 軍需会社生産責任者を選任せざるときは政府は命令の定むる所に依り生産責任者を任命することを得 生産責任者は政府に対し軍需会社の責務遂行に関し会社を代表して其の責に任ずるものとす 生産責任者は會社の代表及業務執行並に之に伴ふ事項に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む 軍需会社選任又は任命せられたる生産責任者を解任せんとする場合に於ては政府の認可を受くるに非ざれば其の解任は効力を生ぜず 政府生産責任者を不適任と認むるときは之を解任することを得 第五条 生産責任者は本店又は軍需事業を営む工場若は事業場に於ける業務に関し生産担当者を任命することを得 生産担当者は政府に対し生産責任者の指揮に従ひて担当業務を遂行するの責に任ずるものとす 政府は生産責任者に対し生産担当者を置くべきこと又は解任すべきことを命ずることを得 生産担当者の職務権限に関し必要なる事項は命令を以て之を定む 第六条 命令の定むる所に依り生産責任者及生産担当者並に軍需會社の営む軍需事業に従事する者は国家総動員法に依り徴用せられたるものと看做す 第七条 軍需會社の職員其の他の従業者は其の担当業務に従事するに付生産責任者及生産担当者の指揮に従ふべし 第八条 政府は軍需會社に対し期限、規格、数量其の他必要なる事項を指定し軍需物資の生産、加工又は修理を命ずることを得 第九条 政府は軍需會社に対し受注若は発注、設備の新設、拡張若は改良、原料若は材料の取得、使用、保管若は移動、技術の改良若は公開、試験研究其の他事業の運営に関し必要なる命令を発し若は処分を為し又は政府の指定したる事...