新聞紙発行条目(原文:ひらがな、一部新字体化)
第三百五十二号
新聞紙条目別冊の通被定候條旨布告候事
明治六年十月十九日 太政大臣三条実美
(別冊)
新聞紙発行条目
第一条
一各個の新聞紙は各個の題号を具ふへし
第二条
一新聞紙の附録には必す本紙の題号を記すへし
第三条
一新聞紙の本紙を出さすして唯附録のみを出すへからす
第四条
一官准を乞うて書面に一たひ許可の印を得れは毎号を出して検査を受くるに及はす
但願書は書籍出版条例の雛形に拠るへし
第五条
一毎号印行の年月日印行の地名編輯者印刷者の苗字名及号数を記すへし
第六条
一刻成後一部宛文部省及ひ管轄庁に納むへし
第七条
一天変地異火災軍事物価物産貿易生死嫁娶官報文学工芸遊宴衣食田宅洋書訳文海外雑話其他世上の瑣事等事に害なき者は録入を許す
第八条
一四方より寄せ来る書類幷贈答の書版文章雑話等其苗字名を知るを得へきに於ては皆之を記すへし
第九条
一官准を乞はすして新聞紙を発するを禁す
第十条
一国体を誹り国律を議し及ひ外法を主張宣説して国法の妨害を生せしむるを禁す
第十一条
一政事法律等を記載することに付妄に批評を加ふる事を禁す
第十二条
一猥りに教法を記入し政法の妨害を生せしむるを禁す
第十三条
一衆心を動乱し淫風を誘導するを禁す
第十四条
一無根の言に託して人罪を誣ることを禁す
第十五条
一在官の者官中の事務は勿論或は外国交際に係る事類は瑣細の件と雖も私に掲載することを禁す
但公布を経るの文書類は其長官より差圖の分は此限に非す
第十六条
一凡記載したる事件に付錯誤あらは必す之を改むへし
第十七条
一凡記載の事件に付疑問すへき事ある時は編輯者弁解の責に任すへし
第十八条
一禁令条例に背きたる時は律に照して処断すへし
(国立公文書館:新聞紙條目被定)
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