讒謗律(原文:ひらがな、一部新字体化、不明文字あり)
第百十号
讒謗律別冊之通被定候此旨布告候事
(別冊)
讒謗律
第一条 凡そ事実の有無を論せす人の栄誉を害すへきの行事を摘発公布する者之を讒毀とす人の行事を挙るに非すの悪名を以て人に加へ公布する者之を誹謗とす著作文書若くは画図肖像を用ひ展観し若くは発売し若くは貼示の人を讒毀し若くは誹謗する者は下の条別に従て罪を科す
第二条 第一条の所為を以て乗輿を犯すに渉る者は禁獄三月以上三年以下罰金五十円以上千円以下(二罰并せ科し或は偏へに一罰を科す以下之に倣へ)
第三条 皇族を犯すに渉る者は禁獄十五日以上二年半以下罰金十五円以上七百円以下
第四条 官吏の職務に関し讒毀する者は禁獄十日以上二年以下罰金十円以上五百円以下誹謗する者は禁獄五日以上一年以下罰金五円以上三百円以下
第五条 華士族平民に対するを論せす讒毀する者は禁獄七日以上一年半以下罰金五円以上三百円以下誹謗する者は罰金三円以上百円以下
第六条 法に依り検官若くは法官に向て罪犯を告発し若くは証する者は第一条の例にあらす其の故造誣告したる者は誣告律に依る
第七条 若し讒毀を受るの事刑法に触るヽ者検官より其事を糾治するか若くは讒毀する者より検官若くは法官に告発したる時は讒毀の罪を治むる■を中止し以て事案の決を俟ち其の被告人罪に坐する時は讒毀の罪を論せす
第八条 凡そ讒毀誹謗の第四条第五条に係る者は被害の官民自ら告るを待て乃ち論す
(法令全書(1875)P137)
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