内閣官制(原文:一部新字体化)
朕茲に内閣官制を裁可す
御名 御璽
明治二十二年十二月二十四日
内閣総理大臣公爵三条実美
内務大臣伯爵山縣有朋
海軍大臣伯爵西郷従道
司法大臣伯爵山田顕義
大蔵大臣伯爵松方正義
陸軍大臣伯爵大山 巌
文部大臣子爵榎本武揚
逓信大臣伯爵後藤象二郎
勅令第百三十五号
内閣官制
第一條 内閣ハ國務各大臣ヲ以テ組織ス(筆者注:新設)
第二條 内閣總理大臣ハ各大臣ノ首班トシテ機務ヲ奏宣シ旨ヲ承ケテ行政各部ノ統一ヲ保持ス
第三條 内閣總理大臣ハ須要ト認ムルトキハ行政各部ノ処分又ハ命令ヲ中止セシメ勅裁ヲ待ツコトヲ得
第四條 凡ソ法律及一般ノ行政ニ係ル勅令ハ内閣總理大臣及主任大臣之ニ副署スヘシ勅令ノ各省專任ノ行政事務ニ屬スル者ハ主任ノ各省大臣之ニ副署スヘシ
第五條 左ノ各件ハ閣議ヲ経ヘシ(筆者注:新設)
一 法律案及予算決算案
二 外國条約及重要ナル国際条件
三 官制又ハ規則及法律施行ニ係ル勅令
四 諸省ノ間主管権限ノ争議
五 天皇ヨリ下付セラレ又ハ帝國議会ヨリ送致スル人民ノ請願
六 予算外ノ支出
七 勅任官及地方長官ノ任命及進退
其ノ他各省主任ノ事務ニ就キ高等行政ニ関係シ事体稍重キモノハ總テ閣議ヲ経ヘシ
第六條 主任大臣ハ其ノ所見ニ由リ何等ノ件ヲ問ハス内閣総理大臣ニ提出シ閣議ヲ求ムルコトヲ得(筆者注:新設)
第七條 事ノ軍機軍令ニ係リ参謀本部長ヨリ奏上スルモノハ天皇ノ旨ニ依リ之ヲ内閣ニ下付セラルルノ件ヲ除ク外陸軍大臣海軍大臣ヨリ内閣総理大臣ニ報告スヘシ
第八條 内閣總理大臣故障アルトキハ他ノ大臣臨時命ヲ承ケ其ノ事務ヲ代理スヘシ(筆者注:新設)
第九條 各省大臣故障アルトキハ他ノ大臣臨時摂任シ又ハ命ヲ承ケ其ノ事務ヲ管理スヘシ
第十條 各省大臣ノ外特旨ニ依リ国務大臣トシテ内閣員ニ列セシメラルヽコトアルヘシ(筆者注:新設)
(国立公文書館:内閣官制・御署名原本)
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