枢密院官制及事務規程中の改正(原文:ひらがな、一部新字体化)
勅令第二百十六号
明治二十一年勅令第二十二号枢密院官制第二条第六条同事務規程第十条第二項を改正すること左の如し
枢密院官制
第二条 枢密院は議長一人副議長一人顧問官二十五人書記官長一人書記官五人を以て組織す
第六条 枢密院は左の事項に付諮詢を待て会議を開き意見を上奏す
一 皇室典範に於て其権限に属せしめたる事項
二 憲法の条項又は憲法に附属する法律勅令に関する草案及疑義
三 憲法第十四条戒厳の宣告同第八条及第七十条の勅令及其他罰則の規定ある勅令
四 列国交渉の条約及約束
五 枢密院の官制及事務規程の改正に関する事項
六 前諸項に掲くるものの外臨時に諮詢せられたる事項
枢密院事務規程
第十条第二項
議長は書記官長をして其事件を弁明せしめ以て各員をして自由に討論せしむ何人たりと雖も議長の許可を受くるに非れは発言することを得す
議長の討論に参与するは其自由に属するものとす討論既に画るの後は議長より問題を定め表決為さしむ
枢密院官制(改正後全文)
第一章 組織
第一條 樞密院ハ天皇親臨シテ重要ノ國務ヲ諮詢スル所トス
第二條 枢密院は議長一人副議長一人顧問官二十五人書記官長一人書記官五人を以て組織す
第三條 樞密院ノ議長副議長顧問官ハ親任書記官長ハ勅任書記官ハ奏任トス
第四條 何人タリトモ年齡四十歳ニ達シタルモノニ非サレハ議長副議長及顧問官ニ任スルコトヲ得ス
第五條 議長ハ書記官ノ内ヲ以テ祕書官ヲ兼ネシムルコトヲ得
第二章 職掌
第六條 枢密院は左の事項に付諮詢を待て会議を開き意見を上奏す
一 皇室典範に於て其権限に属せしめたる事項
二 憲法の条項又は憲法に附属する法律勅令に関する草案及疑義
三 憲法第十四条戒厳の宣告同第八条及第七十条の勅令及其他罰則の規定ある勅令
四 列国交渉の条約及約束
五 枢密院の官制及事務規程の改正に関する事項
六 前諸項に掲くるものの外臨時に諮詢せられたる事項
第七條 前條第三項ニ掲ケタル勅令ニハ樞密院ノ諮詢ヲ經タル旨ヲ記載スヘシ
第八條 樞密院ハ行政及立法ノ事ニ關シ天皇ノ至高ノ顧問タリト雖モ施政ニ干與スルコトナシ
第三章 會議及事務
第九條 樞密院ノ會議ハ顧問官十名以上出席スルニ非サレハ會議ヲ開クコトヲ得ス
第十條 樞密院ノ會議ハ議長之ニ首席シ議長事故アルトキハ副議長之ニ首席ス議長副議長共ニ事故アルトキハ顧問官其席次ニ依リ首席スヘシ
第十一條 各大臣ハ其職權上ヨリ樞密院ニ於テ顧問官タルノ地位ヲ有シ議席ニ列シ表決ノ權ヲ有ス又各大臣ハ委員ヲ差シテ會議ニ出席シ演述及説明ヲ為サシムルコトヲ得但表決ノ數ニ加ラス
第十二條 樞密院ノ議事ハ多數ニ依リ之ヲ決ス但可否平等ノ場合ニ於テハ會議首席ノ決スル所ニ依ル
第十三條 議長ハ樞密院ニ屬スル一切ノ事務ヲ總管シ樞密院ヨリ發スル一切ノ公文ニ署名ス
副議長ハ議長ノ職務ヲ輔佐ス
第十四條 書記官長ハ議長ノ監督ヲ受ケ樞密院ノ常務ヲ管理シ一切ノ公文ニ副署シ會議ニ付スヘキ事項ヲ審査シテ報告書ヲ調製シ會議ニ列シ辨明ノ任ニ當ル但表決ノ數ニ加ラス
書記官ハ會議ニ於テ議事ヲ筆記シ及書記官長ノ職務ヲ輔佐シ書記官長事故アルトキハ書記官之ヲ代理ス
前項ノ筆記ハ出席員ノ姓名會議ノ事件質問答辨及議決ノ要旨ヲ記載スルモノトス
第十五條 特別ノ場合ヲ除クノ外豫メ審査報告書ヲ調製シ其會議ニ必要ナル書類ト共ニ之ヲ各員ニ配達シタル後ニ非サレハ會議ヲ開クコトヲ得ス
議事日程及報告ハ豫メ各大臣ニ通報スヘシ
(国立公文書館:枢密院官制及事務規程中改正・御署名原本・明治二十三年・勅令...)
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