情勢の推移に伴う対重慶屈伏工作に関する件(原文:ひらがな、一部新字体化)
情勢ノ推移ニ伴フ對重慶屈伏工作ニ關スル件
昭和一六、一二、二四
連絡会議決定
昭和十六年十一月十三日連絡会議決定の対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案に基き情勢の推移特に作戦の成果を活用し好機を捕捉して重慶政権の屈伏を策す
一、先つ対重慶諜報路線を設定す
本工作は大本営陸軍部之に任し関係各機関之に協力す
右工作は重慶側の動向を諜知するに止め屈伏条件等には一切触れさるものとす
之か為新に獲得せる支那側要人及其他外国人を利用する等の措置を講するものとす
二、帝国の獲得せる戦果と彼の致命部に対する強厭とに依る重慶側の動揺に乗し適時諜報工作より屈伏工作に転移す其の時期方法等は大本営政府連絡会に於て決定す
註
1、本工作の実施に当りては国民政府を活用すると共に前記一及二を国民政府に十分徹底せしめ所謂全面和平の急速なる成功に焦慮するか如き措置に出てされしむる様留意するものとす
2、本工作に当りては我方の足許を見透されさる様特に細心なる考慮を払ふものとす
(国立公文書館:情勢ノ推移ニ伴フ対重慶屈服工作ニ関スル件)
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