満洲国執政より本庄関東軍司令官宛書翰
(訳文)
拝啓陳者今般満洲事変以来貴国は極力満蒙全土の治安を維持せられ為に貴国軍隊及人民共に多大の損害を被りたることに対し本執政は深く感謝すると共に今後弊国の安全発展は必す貴国の援助指導に依るものなることを確認し之か為左記各項に付特に貴国の許諾を求むるものに有之候
一、弊国は今後の国防及治安維持に関し之を貴国に委ね其の所要経費は孰れも弊国に於て之を負担す
二、弊国は貴国軍隊か凡そ国防上必要とするときは既設の鉄道、港湾、水路、航空路等の管理並新路の敷設は孰れも之を貴国若は貴国指定の機関に委ぬることを承認す
三、弊国は貴国軍隊か必要と認むる各種施設に対し極力之を援助す
四、弊国参議府は貴国国人中達識名望ある者を選ひ参議に任す其の他中央及地方の各官署の官吏も亦貴国人を任用すへし其の人物の選定は之を貴軍司令官の推薦に委ね其の解職も亦貴軍司令官と協議の上其の同意を得へきものとす前項の参議の員数及参議の総員数に変更あるとき若し貴国より建議あるに於ては両国の協議に依り之を増減す
五、将来両国か正式条約を締結する場合には前記各項の趣旨及規定を以て締約の基礎となす
右照会得貴意候 敬具
大同元年三月十日
溥儀 花押
大日本帝国関東軍司令官 本 庄 繁 殿
(国立公文書館:標題:4.満洲国来翰 昭和7年9月 C12120038100)
(参考:https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js07-9.html)
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