国防上必要なる鉱業権の設定に関する協定(ひらがな化、新字体化、附表等省略)
國防上必要ナル鑛業權ノ設定ニ關スル協定
日満両国は協同して国家の防衛に当ることの必要を認むるに依り両国の国防上必要なる満洲国領域内に於ける鉱業権の設定に関し下名等は左の通協定す
第一条 満洲国政府は自国領土内に於て既に日本帝国臣民(法人を含む)の取得したる一切の鉱業権を尊重し且国防上の目的達成の為の必要に応し既存の取極又は契約に改正を加ふへきことを約す
前項の権利中採掘権は凡て無期限とす
第二条 満洲国政府は別表諸鉱山の鉱業権を日満両国政府の協議指定する日満合弁の法人に許与するものとす
但し既得の権利に付ては此限りにあらす
第三条 前条に掲記せさるものと雖国防上必要なる鉱山に付ては満洲国政府は日満両国の何れか又は双方の国籍を有する日満合弁の法人に限り其の鉱業権を許与すへきことを約す
国防上必要なる鉱山とは左記の鉱物を埋蔵するものを謂ふ
製鉄及製鋼(特殊鋼を含む)用原鉱、軽金属原鉱、石炭、石油、油母頁岩、鉛鉱、亜鉛鉱、ニッケル鉱、硫化鉄鋼、アンチモニー鉱、錫鉱、白金鉱、水銀鉱、黒鉛、石綿、硝石等
第四条 満洲国政府は国防上必要なる鉱物に対する封鎖地域の設定及其の解放に関し予め日本国政府と協議すへきものとす
第五条 本協定に依る鉱業権に付ては満洲国政府に於て新に鉱業法規を施行するに至る迄は鉱業権取得の資格及資本の持分の制限に関する条項を除く外現行弁法に拠るものとす
満洲国政府は国防上必要なる鉱物に関する鉱業法規の制定又は改正に方りては予め日本国政府の同意を得へきものとす
第六条 本協定は調印と同時に効力を発生す
第七条 本協定は日本文及漢文を以て各二通を作成す
日本文本文と漢文本文との間に解釈を異にするときは日本文本文に依るものとす
昭和七年九月 日
大同元年九月 日
日本帝国関東軍司令官 武藤 信義 印
満洲国国務総理 鄭 孝 胥 印
別 表
所在地 省県名 鉱種
(以下省略)
(国立公文書館:標題:4.満洲国来翰 昭和7年9月 C12120038100)
コメント
コメントを投稿