海南島政務暫定処理要綱(ひらがな化、一部新字体化)
海南島政務暫定處理要綱
昭和十四年四月二十一日
陸、海、外三大臣決定
第一、方 針
海南島に於ける差当りの政務処理は同島攻略目的に鑑み先づ作戦の遂行並に治安の確保に重点を置くと共に我国不足資源の急需に対応すべき重要資源の調査及獲得に努むるを目途とす
第二、要 領
一、政務関係処理機関
海南島に於ける政務関係の処理は現地に在る陸海軍各政務処理機関及外務派遣機関を以て構成する海口連絡会議之を担当し其の実行に当るものとす
二、政治指導
(イ)差当り治安維持を目的とする治安維持会を育成す
(ロ)差当り海南島の政治機関は将来樹立せらるべき西南地方政権と直接関係なき地方政治組織たらしむる如く指導す
三、経済指導
(イ)経済に関する諸施策は島民宣撫並に民生回復上必要とするものの外為し得る限り現地調弁を旨とし之を行ふものとす
(ロ)国防、経済上重要なる諸資源に対しては極力其の調査を促進し急需に応ずる不足資源に関し所在資源の獲得を図るものとす
国防上必要なる特定資源は将来之を確保し得る如く考慮するものとす
(ハ)金融、交易、関務、通信、航空、海運等は本島の地方的事情を考慮し機宣定むると共に必要なる事項に付ては本邦との直接連絡を考慮するものとす
金融対策中軍票の価値維持に関しては速に必要なる措置を講ずるものとす
(備 考)
海南島に於ける宿舎、物資不足の現情に鑑み調査、視察等の為の渡航者は現地の要望なき限り各方面に於て渡航を制限する如く措置するものとす
(国立公文書館:6 重要決定事項(其ノ一) 2 B02030545700)
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