石油業法(ひらがな化、一部新字体化)
法律第二十六号
石油業法
第一条 石油精製業又は石油輸入業を営まんとする者は政府の許可を受くべし
前項の石油精製業及石油輸入業の範囲並に許可に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む
第二条 石油精製業者又は石油輸入業者は命令の定むる所に依り事業計画を定め政府の認可を受くべし之を変更せんとするとき亦同じ
第三条 石油精製業者又は石油輸入業者其の事業の全部又は一部を譲渡し、廃止し又は休止せんとするときは命令の定むる所に依り政府の許可を受くべし石油精製業又は石油輸入業を営む会社合併を為し又は解散せんとするとき亦同じ
第四条 石油の輸入は石油精製業者が其の精製に必要なる石油を輸入する場合を除くの他石油輸入業者に非ざれば之を為すことを得ず但し勅令に別段の規定あるときは此の限に在らず
前項の石油の種類は勅令を以て之を定む
第五条 石油精製業者又は石油輸入業者は勅令の定むる所に依り其の者の輸入数量を標準として算定したる数量の石油を常時保有すべし
第六条 石油精製業者又は石油輸入業者は其の所有する石油を政府が命令の定むる所に依り時価を標準として購入せんとするときは之を拒むことを得ず
第七条 政府は公益上必要ありと認むるときは石油精製業者又は石油輸入業者に対し石油の販売価格の変更、石油供給量の確保其の他石油の需給を調節する為必要なる事項を命ずることを得
政府は公益上必要ありと認むるときは石油精製業者又は石油輸入業者に対し其の設備の拡張又は改良を命ずることを得
第八条 政府第一条の許可又は前条の命令を為さんとするときは勅令に別段の規定ある場合を除くの外石油業委員会の議を経べし
石油業委員会の組織は勅令を以て之を定む
第九条 石油精製業者又は石油輸入業者本法若は本法に基きて発する命令に違反し又は政府の命じたる事項を執行せざるときは政府は第一条の許可を取消し又は法人の役員の解任を為すことを得
第十条 行政官庁は石油精製業者又は石油輸入業者に対し其の業務の状況に関し報告を為さしめ其の他監督上必要なる命令を発し又は処分を為すことを得
行政官庁監督上必要ありと認むるときは当該官吏をして石油精製業者又は石油輸入業者の事務所、営業所、工場、貯油所其の他の場所に臨検し業務の状況又は帳簿書類其の他の物件を検査せしむることを得此の場合に於ては其の身分を示す証票を携帯せしむべし
第十一条 政府の許可を受けずして石油精製業者又は石油輸入業者を営みたる者は五千円以下の罰金に処す
第十二条 第四条の規定に違反したる者は三千円以下の罰金に処す
第十三条 石油精製業者又は石油輸入業者左の各号の一に該当するときは三千円以下の罰金に処す
一 第五条の規定に違反したるとき
二 第七条の命令に違反したるとき
第十四条 石油精製業者又は石油輸入業者第二条又は第三条の規定に違反したるときは千円以下の罰金に処す
第十五条 左の各号の一に該当する者は五百円以下の罰金に処す
一 第十条第一項の規定に依る報告を為さず若は虚偽の報告を為し又は監督上必要なる命令若は処分に違反したる者
二 第十条第二項の規定に依る当該官吏の臨検検査を拒み、妨げ若は忌避し又は其の質問に対し答弁を為さず若は虚偽の陳述を為したる者
第十六条 石油精製業者又は石油輸入業者は其の代理人、戸主、家族、雇人其の他の従業者にして其の業務に関し本法又は本法に基きて発する命令に違反したるときは自己の指揮に出でざるの故を以て其の処罰を免るることを得ず
第十七条 本法又は本法に基きて発する命令に依り石油精製業者又は石油輸入業者に適用すべき罰則は其の者が法人なるときは理事、取締役其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者又は禁治産者なるときは其の法定代理人に之を適用す但し営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者に付ては此の限に在らず
附 則
本法施行の期日は勅令を以て之を定む
本法施行の際現に石油精製業を営む者又は石油輸入業を営む者は命令の定むる所に依り本法施行の日より之を本法に依り許可を受けたる者と看做す
本法施行の際輸入の為輸送の途に在る石油又は本法施行前注文を発したる石油を輸入せんとする場合に於て命令の定むる所に依り之を政府に届出でたるときは第四条の規定に拘らず輸入を為すことを得
第五条の規定は本法施行後六月間之を適用せず
(国立公文書館:https://www.digital.archives.go.jp/das/image/F0000000000000033247)
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