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産業設備営団法 1941年11月25日

 産業設備営団法(ひらがな化、一部新字体化、一部省略)


法律第九十二号

產業設備營團法

   第一章 総則

第一条 産業設備営団は戦時(戦争に準ずべき事変の場合を含む)に際し軍需産業、生産拡充計画産業其の他の国家緊要産業の設備にして事業者に於て建設又は維持すること著しく困難なるものを施設し並に産業設備(之に充つべき機械及器具を含む)にして未完成又は遊休の状態に在るもの(以下未動遊休設備と称す)の活用を図ることを目的とす

  産業設備営団は法人とす

第二条 産業設備営団は主たる事務所を東京市に置く

 産業設備営団は政府の認可を受け必要の地に従たる事務所を設置することを得

第三条 産業設備営団の資本金は二億円とす

第四条 政府は二億円を産業設備営団に出資すべし

 前項の出資は国債証券を交付して之を為すことを得

 前項の規定に依り交付する国債証券の交付価格は時価を参酌して大蔵大臣之を定む

第五条 産業設備営団は定款を以て左の事項を規定すべし

一 目的

二 名称

三 事務所の所在地

四 資本金額及資産に関する事項

五 役員に関する事項

六 業務及其の執行に関する事項

七 産業設備債券の発行に関する事項

八 会計に関する事項

九 公告の方法

定款は政府の認可を受け之を変更することを得

第六条 産業設備営団は勅令の定むる所に依り登記を為すことを要す

 前項の規定に依り登記すべき事項は登記の後に非ざれば之を以て第三者に対抗することを得ず

第七条 産業設備営団には所得税、法人税及営業税を課せず

 北海道、府県、市町村其の他之に準ずべきものは産業設備営団の事業又は第十七条第一項第一号若は第三号の業務の為にする建物の建設若は取得若は土地の取得に対しては地方税を課することを得ず但し産業設備営団の事業に対しては特別の事情に基き内務大臣及大蔵大臣の認可を受けたる場合は此の限に在らず

第八条 産業設備営団が第十七条第一項第一号又は第三号の業務の為にする不動産に関する権利の取得又は所有権の保存に付登記を受くる場合に於ては其の登録税の額は不動産の価格の千分の一とす

第九条 産業設備営団に付解散を必要とする事由発生したる場合に於て其の処置に関しては別に法律を以て之を定む

第十条 産業設備営団に非ざる者は産業設備営団又は之に類似する名称を用ふることを得ず

第十一条 民法第四十四条、第五十条、第五十四条及第五十七条並に非訟事件手続法第三十五条第一項の規定は産業設備営団に之を準用す

   第二章 役員

第十二条 産業設備営団に総裁副総裁各一人、理事五人以上及監事二人以上を置く

 総裁は産業設備営団を代表し其の業務を総理す

 副総裁は定款の定むる所に依り産業設備営団を代表し総裁を補佐して産業設備営団の業務を掌理す

 副総裁は総裁事故あるときは其の職務を代理し総裁欠員のときは其の職務を行ふ

 理事は定款の定むる所に依り産業設備営団を代表し総裁及副総裁を補佐して産業設備営団の業務を掌理す

 理事は定款の定むる所に依り総裁及副総裁共に事故あるときは其の職務を代理し総裁及副総裁共に欠員のときは其の職務を行ふ

 監事は産業設備営団の業務を監査す

第十三条 総裁、副総裁、理事及監事は政府之を命ず

 総裁、副総裁及理事の任期は四年、監事の任期は二年とす

第十四条 総裁、副総裁及理事は定款の定むる所に依り従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為を為す権限を有する代理人を選任することを得

第十五条 総裁、副総裁及理事は他の職業に従事することを得ず但し政府の認可を受けたるときは此の限に在らず

第十六条 産業設備営団に評議員若干人を置き政府之を命ず

 評議員は業務経営に関する重要なる事項に付総裁の諮問に応じ必要あるときは之に対し意見を述ぶることを得

 評議員は名誉職とし其の任期は二年とす

   第三章 業務

第十七条 産業設備営団は左の業務を行ふ

一 国家緊要産業の設備にして事業者に於て建設又は維持すること著しく困難なるものの建設又は買受

二 前号の規定に依り取得したる設備の貸付、出資及売渡

三 未動遊休設備の売買及保有

四 未動遊休設備の活用に関する斡旋

五 前各号の業務に付帯する事業

 産業設備営団は政府の認可を受け前項に掲ぐる業務以外の業務を行ふことを得

第十八条 産業設備営団は其の建設する国家緊要産業の設備の用に充つる為必要なる土地又は土地に関する所有権以外の権利を収用又は使用することを得

 前項の規定に依る収用又は使用に関しては土地収用法を適用す

 第一項の規定に依り収用又は使用したる土地又は土地に関する所有権以外の権利の処分及管理に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む

第十九条 産業設備営団は第十七条第一項第一号又は第三号の規定に依り買受けたる設備の代価に付ては国債証券を以て之を交付することを得

 前項の規定に依り交付する国債証券の交付価格は時価を参酌して大蔵大臣之を定む

第二十条 政府は産業設備営団が第十七条第一項第一号又は第三号の規定に依り設備を買受けたる場合に於て之を売渡したる者に対し其の代価として受けたる金銭又は国債証券の処分に関し必要なる指示を為すことを得

   第四章 産業設備債券

第二十一条 (以下附則まで省略)

第二十二条 

第二十三条 

第二十四条 

第二十五条 

第二十六条 

第二十七条 

第二十八条 

第二十九条 

第三十条 

   第五章 会計

第三十一条 

第三十二条 

第三十三条 

   第六章 監督及補助

第三十四条 

第三十五条 

第三十六条 

第三十七条 

第三十八条 

第三十九条 

第四十条 

   第七章 罰則

第四十一条 

第四十二条 

第四十三条 

   附 則

第四十四条 

第四十五条 

第四十六条 

第四十七条 

第四十八条 

第四十九条 

第五十条 

第五十一条

(国立公文書館:産業設備営団法・御署名原本・昭和十六年・法律第九二号 A03022549500)

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