スキップしてメイン コンテンツに移動

衆議員議院総選挙対策翼賛選挙貫徹運動基本要綱 1942年02月18日

衆議員議院総選挙対策翼賛選挙貫徹運動基本要綱(一部新字体化)

     衆議員議院総選擧對策翼賛選擧貫徹運動基本要綱
                     昭和一七、二、一八
                     閣議決定
一 運動ノ名称
 「大東亜戦争完遂翼賛選挙貫徹運動」ト称ス
二 運動ノ目標
 大東亜戦争ノ完遂ヲ目標トシテ清新強力ナル翼賛議会ノ確立ヲ期スル為衆議院議員総選挙ノ施行セラルルニ際シ一大挙国的国民運動ヲ展開シ以テ重大時局ニ対処スベキ翼賛選挙ノ実現ヲ期セントス
三 運動ノ基本方針
 (一)選挙ヲ機トシ必勝ノ国民士気ヲ昂揚シ大東亜戦争完遂ニ対スル拳国鉄石ノ決意ヲ強固ナラシム
 (二)清新強力ナル翼賛議会ヲ確立スル為国民ノ真摯純正ナル政治的意欲ヲ積極的ニ喚起昂揚セシム
 (三)大東亜戦争完遂ノ大目的ニ副ヒ真ニ大政翼賛ノ重責ニ任ズベキ最適ノ人材ヲ議会ニ動員スルノ気運ヲ汎ク醸成セシム
 (四)重大時局下ノ選挙タルニ鑑ミ愈々選挙ノ倫理化ヲ徹底シ断ジテ在来ノ情弊ヲ一掃シ、公正ニシテ明朗ナル選挙ヲ実現セシム
四 運動ノ実施方策
 (一)啓蒙運動ノ徹底
    本運動ハ右ノ基本方針ニ則リ大東亜戦争ノ完遂、翼賛議会ノ確立、翼賛選挙ノ実現ヲ目標トスル一大啓蒙運動トシテ部落会、町内会、隣保班等ノ市町村下部組織ハ勿論各種団体其ノ他有ユル組織ヲ動員シ活溌ナル展開ヲ期スルモノトス
 (二)候補者推薦気運ノ醸成
    翼賛選挙実現ノ啓蒙運動トシテ最適候補者推薦ノ気運ヲ積極的ニ醸成セシム
 (三)選挙ノ倫理化ト戦時態勢化
    重大時局下ノ選挙ニ際シ真ニ翼賛選挙ノ実ヲ挙ゲシムル為左ノ方途ニ依リ選挙ノ倫理化ト戦時態勢化ヲ期スルノモトス
    (1)選挙ニ関スル在来ノ情実因縁ヲ一掃シ選挙ノ公正ヲ期セシム
    (2)一般選挙民ノ自覚ヲ喚起シ選挙犯罪ノ根絶ト棄権防止ニ努メシム
    (3)選挙運動関係者ニ対シテハ自粛自戒以テ違反ノ絶無ヲ期セシム
    (4)戦時ニ即応シ選挙運動上物資、労力等ノ節約ト運動方法ノ改善合理化ニ努メシム
五 運動実施機関
 本運動ハ之ヲ官民一体ノ拳国運動タラシムルモノトシ運動実施機関ノ分担ハ概ネ左ニ依ルモノトス
 (一)政府ハ運動基本方策ヲ決定シ関係機関ノ緊密ナル連絡ノ下ニ運動全般ヲ指導ス
 (二)地方庁ハ政府ノ基本方策ニ即応シ運動実施方策ヲ決定シ地方ニ於ケル運動全般ヲ指導ス
 (三)大政翼賛会(翼賛壮年団ヲ含ム)及選挙粛正中央連盟ハ政府及地方庁ニ協力シ民間運動ヲ展開ス


     大東亞戦争完遂翼賛選擧貫徹運動實施要領
一 本運動実施の目標に就ては概ね左の方針に依ること
(以下省略)
(国立公文書館:第二回中央協力会議関係/2 大東亜戦争完遂翼賛選挙貫徹運動実施資料)

コメント

このブログの人気の投稿

徴兵の詔(徴兵令詔書及ヒ徴兵告諭) 1872年12月28日

徴兵令詔書及び徴兵告諭(口語訳)  今回、全国募兵の件に付き、別紙の詔書の通り徴兵令が仰せ出され、その定めるところの条々、各々天皇の趣意を戴き、下々の者に至るまで遺漏なきように公布しなさい。全体として詳細は陸軍・海軍両省と打ち合わせをしなさい。この趣旨を通達する。  ただし、徴兵令および徴募期限については追って通達するべきものとする。 (別紙) 詔書の写し   私(明治天皇)が考えるに、往昔は郡県の制度により、全国の壮年の男子を募って、軍団を設置し、それによって国家を守ることは、もとより武士・農民の区別がなかった。中世以降、兵は武士に限られるようになり、兵農分離が始まって、ついに封建制度を形成するようになる。明治維新は、実に2千有余年来の一大変革であった。この際にあたり、海軍・陸軍の兵制もまた時節に従って、変更しないわけにはいかない。今日本の往昔の兵制に基づいて、海外各国の兵制を斟酌し、全国から兵を徴集する法律を定め、国家を守る基本を確立しようと思う。おまえたち、多くのあらゆる役人は手厚く、私(明治天皇)の意志を体して、広くこれを全国に説き聞かせなさい。 明治5年(壬申)11月28日  わが国古代の兵制では、国をあげて兵士とならなかったものはいなかった。有事の際は、天皇が元帥となり、青年壮年兵役に耐えられる者を募り、敵を征服すれば兵役を解き、帰郷すれば農工商人となった。もとより後世のように両刀を帯びて武士と称し、傍若無人で働かずに生活をし、甚だしい時には人を殺しても、お上が罪を問わないというようなことはなかった。  そもそも、神武天皇は珍彦を葛城の国造に任命し、以後軍団を設け衛士・防人の制度を始めて、神亀天平の時代に六府二鎮を設けて備えがなったのである。保元の乱・平治の乱以後、朝廷の軍規が緩み、軍事権は武士の手に落ち、国は封建制の時代となって、人は兵農分離とされた。さらに後世になって、朝廷の権威は失墜し、その弊害はあえていうべきものもなく甚だしいものとなった。  ところが、明治維新で諸藩が領土を朝廷に返還し、1871年(明治4)になって以前の郡県制に戻った。世襲で働かずに生活していた武士は、俸禄を減らし、刀剣を腰からはずすことを許し、士農工商の四民にようやく自由の権利を持たせようとしている。これは上下の身分差をなくし、人権を平等にしようとする方法で、とりもな...

日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

帝国陸海軍作戦計画大綱 1945年01月25日

 帝国陸海軍作戦計画大綱(ひらがな化、一部新字体化、一部省略)  帝国陸海軍作戦計画大綱(昭和二十年一月二十日)    目 次(略)    第一 作戦方針  帝国陸海軍は機微なる世界情勢の変転に莅み重点を主敵米軍の進攻破摧に指向し随処縦深に亙り敵戦力を撃破して戦争遂行上の要域を確保し以て敵戦意を挫折し以て戦争目的の達成を図る    第二 作戦の指導大綱 一 陸海軍は戦局愈々至難なるを予期しつつ既成の戦略態勢を活用し敵の進攻を破摧し速に自主的態勢の確立に努む   右自主的態勢は今後の作戦推移を洞察し速に先つ皇土及之か防衛に緊切なる大陸要域に於て不抜の邀撃態勢を確立し敵の来攻に方りては随時之を撃破すると共に其の間状況之を許す限り反撃戦力特に精錬なる航空戦力を整備し以て積極不羈の作戦遂行に努むるを以て其の主眼とす 二 陸海軍は比島方面に来攻中の米軍主力に対し靭強なる作戦を遂行し之を撃破して極力敵戦力に痛撃を加ふると共に敵戦力の牽制抑留に努め此の間情勢の推移を洞察し之に即応して速に爾他方面に於ける作戦準備を促進す 三 陸海軍は主敵米軍の皇土要域方面に向ふ進攻特に其の優勢なる空海戦力に対し作戦準備を完整し之を撃破す   之か為比島方面より皇土南陲に来攻する敵に対し東支那海周辺に於ける作戦を主眼とし二、三月頃を目途とし同周辺要地に於ける作戦準備を速急強化す   敵の小笠原諸島来攻(硫黄島を含む)に対し極力之か防備強化に努む   又敵一部の千島方面進攻を予期し又状況に依り有力なる敵の直接本土に暴進することあるを考慮し之に対処し得るの準備に遺憾なからしむ 四 陸海軍は進攻する米軍主力に対し陸海特に航空戦力を総合発揮し敵戦力を撃破し其の進攻企図を破摧す 此の間他方面に在りては優勢なる敵空海戦力の来攻を予想しつつ主として陸上部隊を以て作戦を遂行するものとす   敵戦力の撃破は渡洋進攻の弱点を捕へ洋上に於て痛撃を加ふるを主眼とし爾後上陸せる敵に対しては補給遮断と相俟つて陸上作戦に於て其の目的を達成す 此の際火力の集団機動を重視す   尚敵機動部隊に対しては努めて不断に好機を捕捉し之を求めて漸減す 五 支那大陸方面に在りては左に準拠し主敵米軍に対する作戦を指導す (一) 支那大陸に於ける戦略態勢を速に強化し東西両正面より進攻する敵特に米軍を撃破して其の企図を破摧し皇土を中核とする大...