スキップしてメイン コンテンツに移動

重要物資管理営団法 1942年02月23日

 重要物資管理営団法(一部省略)


法律第六十九号

重要物資管理營團法

   第一章 総則

第一条 重要物資管理営団は戦時に際し重要物資の貯蔵を確保及増強し並に貯蔵重要物資の利用を有効且適正ならしむることを目的とす

 重要物資管理営団は法人とす

 本法の重要物資の範囲は命令を以て之を定む

第二条 重要物資管理営団は主たる事務所を東京市に置く

 重要物資管理営団は政府の認可を受け必要の地に従たる事務所を設置することを得

第三条 重要物資管理営団の資本金は二千万円とす

第四条 政府は二千万円を重要物資管理営団に出資すべし

 前項の出資は国債証券を交付して之を為すことを得

 前項の規定に依り交付する国債証券の交付価格は時価を参酌して大蔵大臣之を定む

第五条 重要物資管理営団は定款を以て左の事項を規定すべし

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 資本金額及資産に関する事項

 五 役員に関する事項

 六 業務及其の執行に関する事項

 七 会計に関する事項

 八 公告の方法

 定款は政府の認可を受け之を変更することを得

第六条 重要物資管理営団は勅令の定むる所に依り登記を為すことを要す

 前項の規定に依り登記すべき事項は登記の後に非ざれば之を以て第三者に対抗することを得ず

第七条 重要物資管理営団には所得税、法人税及営業税を課せず

 北海道、府県、市町村其の他之に準ずべきものは重要物資管理営団の事業に対しては地方税を課することを得ず但し特別の事情に基き内務大臣及大蔵大臣の認可を受けたる場合は此の限に在らず

第八条 重要物資管理営団に付解散を必要とする事由発生したる場合に於て其の処置に関しては別に法律を以て之を定む

第九条 重要物資管理営団に非ざる者は重要物資管理営団又は之に類似する名称を用ふることを得ず

第十条 民法第四十四条、第五十条、第五十四条及第五十七条並に非訟事件手続法第三十五条第一項の規定は重要物資管理営団に之を準用す

   第二章 役員

第十一条 重要物資管理営団に理事長副理事長各一人、理事三人以上及監事二人以上を置く

 理事長は重要物資管理営団を代表し其の業務を総理す

 副理事長は定款の定むる所に依り重要物資管理営団を代表し理事長を輔佐して重要物資管理営団の業務を掌理す

 副理事長は理事長事故あるときは其の職務を代理し理事長欠員のときは其の職務を行ふ

 理事は定款の定むる所に依り重要物資管理営団を代表し理事長及副理事長を輔佐して重要物資管理営団の業務を掌理す

 理事は定款の定むる所に依り理事長及副理事長共に事故あるときは其の職務を代理し理事長及副理事長共に欠員のときは其の職務を行ふ

 監事は重要物資管理営団の業務を監査す

第十二条 理事長、副理事長、理事及監事は政府之を命ず

 理事長、副理事長及理事の任期は三年、監事の任期は二年とす

第十三条 理事長、副理事長及理事は定款の定むる所に依り従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為を為す権限を有する代理人を選任することを得

第十四条 理事長、副理事長及理事は他の職業に従事することを得ず但し政府の認可を受けたるときは此の限に在らず

第十五条 重要物資管理営団に評議員若干人を置き政府之を命ず

 評議員は業務経営に関する重要なる事項に付理事長の諮問に応じ必要あるときは之に対し意見を述ぶることを得

 評議員は名誉職とし其の任期は二年とす

   第三章 業務

第十六条 重要物資管理営団は左の業務を行ふ

 一 重要物資の保有

 二 重要物資の買入、輸入及売渡

 三 其の他重要物資管理営団の目的達成上必要なる事業

 重要物資管理営団は前項第一号及第二号の業務に付ては政府の定むる計画に依りて之を行ふべし

 重要物資管理営団第一項第三号の業務を行はんとするときは政府の認可を受くべし

第十七条 重要物資管理営団必要ありと認むるときは業務に関し重要物資を所有又は保管する者に対し其の所有又は保管の状況に関し報告を為さしむることを得

 重要物資管理営団必要ありと認むるときは政府の認可を受け役員又は使用人をして前項に掲ぐる者の業務に関する帳簿書類其の他の物件を検査せしむることを得

 重要物資管理営団前項の規定に依り役員又は使用人をして検査せしむる場合に於ては前項の規定に依る認可ありたることを証する書面及其の身分を示す証票を携帯せしむべし

第十八条 重要物資管理営団は命令の定むる所に依り政府の認可を受け物資の生産、輸出、輸入、販売又は保管を業とする者に対し重要物資管理営団の所有する重要物資の保管を為さしむることを得

 前項の場合に於て保管に要したる費用は重要物資管理営団の負担とす

   第四章 会計

第十九条 重要物資管理営団の事業年度は毎年四月より翌年三月迄とす

第二十条 重要物資管理営団は設立の時及毎事業年度の初に於て財産目録、貸借対照表及損益計算書を作成し定款と共に之を各事務所に備置くことを要す

   第五章 監督

第二十一条 重要物資管理営団は政府之を監督す

第二十二条 重要物資管理営団は政府の認可を受くるに非ざれば剰余金の処分を為すことを得ず

第二十三条 重要物資管理営団は業務開始の際業務の方法を定め政府の認可を受くべし之を変更せんとするとき亦同じ

第二十四条 政府は重要物資管理営団に対し業務及財産の状況に関し報告を為さしめ、検査を為し其の他監督上必要なる命令を発し又は処分を為すことを得

第二十五条 役員が法令、定款若は政府の命令に違反し又は公益を害する行為を為したるときは政府は之を解任することを得

   第六章 罰則

第二十六条 (以下省略)

第二十七条 

第二十八条 

第二十九条 

第三十条 

第三十一条 

第三十二条 

第三十三条 

   附 則

第三十四条 (以下省略)

第三十五条 

第三十六条 

第三十七条 

第三十八条 

第三十九条 

第四十条 

(国立公文書館:重要物資管理営団法・御署名原本・昭和十七年・法律第六九号) 

コメント

このブログの人気の投稿

徴兵の詔(徴兵令詔書及ヒ徴兵告諭) 1872年12月28日

徴兵令詔書及び徴兵告諭(口語訳)  今回、全国募兵の件に付き、別紙の詔書の通り徴兵令が仰せ出され、その定めるところの条々、各々天皇の趣意を戴き、下々の者に至るまで遺漏なきように公布しなさい。全体として詳細は陸軍・海軍両省と打ち合わせをしなさい。この趣旨を通達する。  ただし、徴兵令および徴募期限については追って通達するべきものとする。 (別紙) 詔書の写し   私(明治天皇)が考えるに、往昔は郡県の制度により、全国の壮年の男子を募って、軍団を設置し、それによって国家を守ることは、もとより武士・農民の区別がなかった。中世以降、兵は武士に限られるようになり、兵農分離が始まって、ついに封建制度を形成するようになる。明治維新は、実に2千有余年来の一大変革であった。この際にあたり、海軍・陸軍の兵制もまた時節に従って、変更しないわけにはいかない。今日本の往昔の兵制に基づいて、海外各国の兵制を斟酌し、全国から兵を徴集する法律を定め、国家を守る基本を確立しようと思う。おまえたち、多くのあらゆる役人は手厚く、私(明治天皇)の意志を体して、広くこれを全国に説き聞かせなさい。 明治5年(壬申)11月28日  わが国古代の兵制では、国をあげて兵士とならなかったものはいなかった。有事の際は、天皇が元帥となり、青年壮年兵役に耐えられる者を募り、敵を征服すれば兵役を解き、帰郷すれば農工商人となった。もとより後世のように両刀を帯びて武士と称し、傍若無人で働かずに生活をし、甚だしい時には人を殺しても、お上が罪を問わないというようなことはなかった。  そもそも、神武天皇は珍彦を葛城の国造に任命し、以後軍団を設け衛士・防人の制度を始めて、神亀天平の時代に六府二鎮を設けて備えがなったのである。保元の乱・平治の乱以後、朝廷の軍規が緩み、軍事権は武士の手に落ち、国は封建制の時代となって、人は兵農分離とされた。さらに後世になって、朝廷の権威は失墜し、その弊害はあえていうべきものもなく甚だしいものとなった。  ところが、明治維新で諸藩が領土を朝廷に返還し、1871年(明治4)になって以前の郡県制に戻った。世襲で働かずに生活していた武士は、俸禄を減らし、刀剣を腰からはずすことを許し、士農工商の四民にようやく自由の権利を持たせようとしている。これは上下の身分差をなくし、人権を平等にしようとする方法で、とりもな...

日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

帝国陸海軍作戦計画大綱 1945年01月25日

 帝国陸海軍作戦計画大綱(ひらがな化、一部新字体化、一部省略)  帝国陸海軍作戦計画大綱(昭和二十年一月二十日)    目 次(略)    第一 作戦方針  帝国陸海軍は機微なる世界情勢の変転に莅み重点を主敵米軍の進攻破摧に指向し随処縦深に亙り敵戦力を撃破して戦争遂行上の要域を確保し以て敵戦意を挫折し以て戦争目的の達成を図る    第二 作戦の指導大綱 一 陸海軍は戦局愈々至難なるを予期しつつ既成の戦略態勢を活用し敵の進攻を破摧し速に自主的態勢の確立に努む   右自主的態勢は今後の作戦推移を洞察し速に先つ皇土及之か防衛に緊切なる大陸要域に於て不抜の邀撃態勢を確立し敵の来攻に方りては随時之を撃破すると共に其の間状況之を許す限り反撃戦力特に精錬なる航空戦力を整備し以て積極不羈の作戦遂行に努むるを以て其の主眼とす 二 陸海軍は比島方面に来攻中の米軍主力に対し靭強なる作戦を遂行し之を撃破して極力敵戦力に痛撃を加ふると共に敵戦力の牽制抑留に努め此の間情勢の推移を洞察し之に即応して速に爾他方面に於ける作戦準備を促進す 三 陸海軍は主敵米軍の皇土要域方面に向ふ進攻特に其の優勢なる空海戦力に対し作戦準備を完整し之を撃破す   之か為比島方面より皇土南陲に来攻する敵に対し東支那海周辺に於ける作戦を主眼とし二、三月頃を目途とし同周辺要地に於ける作戦準備を速急強化す   敵の小笠原諸島来攻(硫黄島を含む)に対し極力之か防備強化に努む   又敵一部の千島方面進攻を予期し又状況に依り有力なる敵の直接本土に暴進することあるを考慮し之に対処し得るの準備に遺憾なからしむ 四 陸海軍は進攻する米軍主力に対し陸海特に航空戦力を総合発揮し敵戦力を撃破し其の進攻企図を破摧す 此の間他方面に在りては優勢なる敵空海戦力の来攻を予想しつつ主として陸上部隊を以て作戦を遂行するものとす   敵戦力の撃破は渡洋進攻の弱点を捕へ洋上に於て痛撃を加ふるを主眼とし爾後上陸せる敵に対しては補給遮断と相俟つて陸上作戦に於て其の目的を達成す 此の際火力の集団機動を重視す   尚敵機動部隊に対しては努めて不断に好機を捕捉し之を求めて漸減す 五 支那大陸方面に在りては左に準拠し主敵米軍に対する作戦を指導す (一) 支那大陸に於ける戦略態勢を速に強化し東西両正面より進攻する敵特に米軍を撃破して其の企図を破摧し皇土を中核とする大...