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満洲事変に関する国際連盟理事会決議 1931年09月30日

 満洲事変に関する国際連盟理事会決議(ひらがな化)


滿洲事變ニ關スル國際聯盟理事會決議


  国際連盟理事会は満洲事変に關し九月三十日左の決議を採擇せり

理事会は

一、理事会議長か日支両国に致せる緊急通告に対する両国の回答及該通告に從ひ為されたる措置を了承す

二、日本か満洲に於て何等領土的目的を有せさる旨の日本政府の声明の重要なるを認む

三、日本政府は其臣民の生命の安全及其財產の保護か有効に確保せらるるに從ひ日本軍隊を鉄道附属地内に引かしむる為旣に開始せられたる軍隊の撤退を出來得る限り速に続行すヘく、最短期内に右の意嚮を實現せんことを希望する旨の日本代表の声明を了承す

四、支那政府は日本軍隊撤退の續行竝支那地方官憲及警察力恢復の成就に從ひ鐵道附屬地外に於ける日本臣民の安全及其財產の保護の責任を負ふヘき旨の支那代表の声明を了承す

五、両国政府か両国間の平和及良好なる了解を撹乱する虞ある一切の行為を避けんことを欲するを信し、両国政府は各自に事件を擴大し又は事態を惡化せさる為の必要なる一切の措置を執るヘしとの保障を日支両国代表より與ヘられたる事實を了承す

六、両当事国に対し其間の通常關係の恢復を促進し且之か為前記約定の履行を續行且速に終了する為両国か一切の手段をつくすヘきことを求む

七、両当事国に対し事態の進展に關する完全なる情報を屢々理事会に送らんことを求む

八、緊急会合を餘儀なくするか如き未知の事件發生せさる限り十月十四日(水曜日)同期日に於ける事態審査の為更に壽府に会合す

九、理事会議長か其同僚特に両当事国代表の意見を求めたる後、事態の進展に關し当事国又は他の理事会員より得たる情報に依り前記理事会招集の必要なきに至れりと決定する場合は右招集を取消すことを議長に許可す

(国立公文書館:1 満洲事変関係発表集(一) 1 B02030495300)

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