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農地調整法 1945年12月29日

 農地調整法(ひらがな化、一部新字体化)


法律第六十四號

農地調整法中左の通改正す

第二条 本法に於て農地とは耕作の目的に供せらるる土地を謂ふ

 本法に於て小作料とは耕作の目的を以て農地が賃借せらるる場合に於ける借賃(農地以外の土地又は建物其の他の工作物が農地に附隨して賃借せられ其の借賃が農地の借賃と契約上分別し得ざる場合に在りては農地以外の土地又は建物其の他の工作物の借賃を含む)。又は耕作の目的を以て永小作権が設定せらるる場合に於ける小作料を謂ふ

第三条第一項中「兵役」を「疾病」に、「市町村」を「市町村、市町村農業会」に改む

第四条 都道府県、市町村、市町村農業会其の他命令を以て定むる団体が命令を以て定むる自作農創設維持の事業に要する土地を取得するの必要あるとき又は当該土地の開発に必要なる他の土地の使用収益の権利を取得するの必要あるときは地方長官の認可を受け土地の所有者其の他之に関し権利を有する者に対し土地の譲渡又は使用収益の権利の設定若は譲渡に関する協議を求むることを得

 地方長官前項の認可を為さんとするときは当該土地の所在する市町村に設置せられたる市町村農地委員会の意見を聽くことを要す

 第一項の場合に於て協議調はず又は協議を為すこと能はざるときは同項の団体は当該土地の譲渡又は使用収益の権利の設定若は譲渡に関し命令の定むる所に依り都道府県農地委員会の裁定を申請することを得

 第一項の団体前項の申請を為したるときは同時に当該申請に係る土地の所有者其の他之に関し権利を有する者に通知すベし

第四条の二 前条第三項の規定に依る裁定の申請ありたるときは都道府県農地委員会は命令の定むる所に依り之を公示すベし

 前条第三項の規定に依る裁定の申請に係る土地の所有者其の他之に関し権利を有する者は前項の公示の日より二週間内に都道府県農地委員会に意見書を差出すことを得

 前条第三項の規定に依る裁定の申請に係る土地の上に建物其の他の工作物(以下工作物と称す)を所有する者は前項の意見書に於て都道府県農地委員会に対し当該土地の譲渡又は他用収益の権利の設定若は譲渡を為すベき旨の裁定ある場合に於ては当該工作物に付ても譲渡を為すベき旨の裁定又は当該工作物の移転料に関する裁定あるベき旨の申請を為すことを得伹し当該工作物が前条第四項の通知ありたる後に設置せられたるものなるときは此の限に在らず

第四条の三 都道府県農地委員会は前条第二項の期間を經過したる後審議を開始すベし

 都道府県農地委員会は前項の審議を開始したる日より二週間内に裁定を為すべし

 都道府県農地委員会が前項の期間内に裁定を為さざるときは地方長官は之に代りて裁定を為すことを得

 第四条第二項の規定は前二項の場合に之を準用す

 裁定は其の申請の範囲を超ゆることを得ず但し第六項の規定の適用を妨げず

 土地の譲渡を為すベき旨の裁定を為さんとする場合に於て当該土地の上に存する工作物に付前条第三項の規定に依る申請ありたるときは当該工作物に付ても譲渡を為すベき旨の裁定又は当該工作物の移転料に関する裁定を為すことを要す

 土地の譲渡又は使用収益の権利の設定若は譲渡を為すベき旨の裁定に於ては左に掲ぐる事項を定むることを要す

一 譲渡を為すベき土地の区域又は設定若は譲渡を為すベき使用収益の権利の種類及当該権利の目的たる土地の区域竝に譲渡を為すベき工作物

二 対価(工作物の移転料を含む以下同じ)竝に其の支払の方法及時期

三 土地又は工作物の引渡の時期及土地の使用収益の権利の存続期間

 裁定は其の理由を附し文書を以て之を為すベし

 都道府県農地委員会が裁定を為したるときは其の裁定書の謄本を添ヘ地方長官に報告すベし

第四条の四 第四条第一項の規定に依る証旨又は前条第二項若は第三項の規定に依る土地の譲渡を為すベき旨の裁定は左の各号の一に該当する農地に付ては之を為すことを得ず

一 自作地

二 農地の所有者が其の住所又は居所の存する市町村及其の隣接市町村の区域内に於て勅令を以て定むる面積(以下一定の面積と称す)を超えざる農地を所有する場合其の所有に係る当該区域内の農地

三 農地の所有者が其の住所又は居所の存する市町村及其の隣接市町村の区域内に於て一定の面積を超ゆる農地を所有する場合其の一定の面積を超えざる範囲内に於て保有せんとする当該区域内の農地

四 都市計画法に依る土地区画整理施行地区内に在る農地にして地方長官の指定する区域内に在るもの

五 自作地に非ざるも市町村農地委員会に於て近く其の所有者が自作を為すものと認め且其の自作を相当と認むる農地

六 其の他命令を以て定むる農地

第四条の五 地方長官第四条の三第九項の規定に依る報告を受け又は同条第三項の規定に依る裁定を為したるときは命令の定むる所に依り之をは公示し且裁定書の謄本を申請人及当該裁定に係る土地の所有者其の他之に関し権利を有する者に送付すベし

 土地若は工作物の譲渡又は土地の使用収益の権利の設定者は譲渡を為すベき旨の裁定又は工作物の移転料に関する裁定に付前項の規定に依る公示ありたるときは其の裁定に定むる所に依り当事者間に協議謂ひたるものと看做す

第四条の六 前条第二項の場合に於て土地又は建物の所有権其の他の物権の取得に付対価の全部の支払又は供託ありたるときは其の登記は登記権利者のみにて之を申請することを得

第四条の七 第四条の五第二項の場合に於て土地又は工作物の所有権其の他の権利の取得に付対価を支払ふベき者裁定に定むる時期迄に対価の全部の支払又は供託を為さざるときは裁定は其の効力を失ふ

第四条の八 第四条の三第二項又は第三項の規定に依る裁定に対して不服ある者は主務大臣に訴願することを得

 違法の裁定に依り権利を傷害せられたりとする者は行政裁判所に出訴することを得

 第四項の規定に依り通常裁判所に出訴を許したる事項に関しては行政訴訟を提起することを得ず

 第四条の三第二項又は第三項の規定に依る裁定中対価の決定に対して不服ある者は通常裁判所に出訴することを得但し裁定書の謄本の送付を受けたる日より三月を経過したるときは此の限に在らず

 対価を支払ふベき者前項の出訴を為すときは其の対価を供することを得但し対価を受くベき者の請求あるときは自己の見積金額を支払ふベし

第四条の九 第四条の二、第四条の三又は第四条の五乃至第四条の七の規定に依り為したる手続其の他の行為は土地の所有者其の他之に関し権利を有する者の承継人に対しても其の効力を有す

第四条の十 第四条乃至前条の規定は第四条第一項の団体又は市町村農地委員会が第三者の申出に依り同項の自作農創設維持の事業として当該第三者をして土地の所有権又は使用収益の権利を取得せしむる場合に付之を進用す但し第四条の五第二項中当事者とあるは当該土地又は工作物の所有者其の他之に関し権利を有する者及当該第三者とす

第四条の十一 第四条乃至第四条の三及第四条の五乃至第四条の九の規定は農業開発営団、都道府県、市町村農業会其の他命令を以て定むる者か開発(第四条第一項の団体が同項の自作農創設維持の事業として行ふ開発を除く)せんとする未墾地其の他其の開発に必要なる土地の譲渡又は使用収益の権利の設定若は譲渡に付之を準用す

 前項に於て準用する第四条の三第二項又は第三項の規定に依る地方長官又は都道府県農地委員会が未墾地の譲渡の対価に関し裁定を為す場合に於ては当該未墾地の対価は近傍類似の農地の価格より命令を以て定むる開墾費を減じたる額を超えて之を定むることを得ず

第四条の十二 第四条乃至第四条の三及第四条の五乃至第四条の九の規定は第四条の五第二項(前二条に於て準用する場合を含む)の規定に基き取得する土地又は之に関する権利に付担保権が存する場合当該担保権の処理に付之を準用す

 前項の規定に依り担保権が消滅するときは当該土地又は之に関する権利の対価を支払ふベき者は其の対価を供託することを要す但し協議又は裁定に於て別段の定を為したるときは此の限に在らず

 前項の場合に於ては当該担保権者は供託金に対し其の権利を行ふことを得

第五条 農地の所有権、賃借権、地上権其の他の権利の設定又は移転は命令の定むる所に依り当事者に於て地方長官又は市町村長の認定を受くるに非ざれば其の効力を生せず

第六条 前条の規定は左の各号の一に該当する場合には之を適用せず

一 第三条の団体が同条の事業を行ふ為前条に掲ぐる権利を取得する場合

二 第四条第一項の自作農創設維持の事業を行ふ為農地を取得する場合又は命令を以て定むる自作農創設維持の事業に依り農地を取得する場合

三 農地を耕作の目的に供する為前条に揭ぐる権利を取得する場合

四 前条に掲ぐる権利の取得に関し当事者の一方が国、都道府県又は農地開発営団なる場合

五 土地収用法其の他の法令に依り農地を収用する場合

六 其の他命令を以て定むる場合

第六条の二 農地の価格は第六条の四に定むる場合を除くの外当該農地の地租法に依る賃貸価格に主務大臣の定むる率を乗じて得たる額を超えて之を契約し、支払ひ又は受領することを得ず但し農地の価格に付命令の定むる所に依り譲渡人又は譲受人に於て地方長官の許可を受けたる場合及命令を以て定むる場合は此の限に在らず

 主務大臣前項の率を定めたるときは之を告示す

 第一項の規定は前項の規定に依る告示ありたる際現に農地に付存する譲渡契約にして当該農地に付既に譲受人の権利に関する登記ありたるもの又は当該農地の引渡を完了したるものに付ては之を適用せず

第六条の三 地方長官市町村農地委員会の申請ありたる場合に於て特に必要ありと認むるときは都道府県農地委員会の意見を聽き当該申請に係る区域に付前条第一項の率に代るベき率を定め又は同項に規定する以外の基準に依り同項の額に代るベき額を定むることを得

 地方長官前項の規定に依り率又は額を定めたるときは之を公示す

 前項の規定に依り公示ありたるときは其の率又は額を以て前条の率又は額と看做す

第六条の四 地租法に依る賃貸価格なき農地を譲渡す場合には其の価格に付命令の定むる所に依り譲渡人又は譲受人に於て地方長官の認可を受くベし

 前項の場合に於て農地の価格は同項の認可ありたる額を起えて之を契約し、支払ひ又は受領することを得ず

第七条中「前条」を「第四条第一項又は第六条」に改む

第七条の二 第四条第一項の自作農創設維持の事業に依り農地を取得したる者が取得の時より二年内に当該農地を耕作以外の目的に供する為譲渡したる場合又は当該農地が取得の時より二年内に収用せられたる場合に於て当該農地の譲設価格又は補償金額が当該農地の譲渡に因り旧所有者の取得したる金額を超ゆるときは旧所有者は農地を譲渡し又は収用せられたる者に対し其の超過額を請求することを得但し当該農地の譲渡又は収用ありたる日より二年を経過したるときは此の限に在らず

第九条第三項中 「豫め其の旨を市町村農地委員会に通知すベし」を「市町村農地委員会の承認を受くベし」に改む

第九条の二 小作料は金銭以外の物を以て又は金銭以外の物を基準として之を契約し、支払ひ又は受領することを得ず但し小作料債務が弁済期に在るとき債務者が債権者の承諾を以て其の支払に代へて他の給付を為す場合は此の限に在らず

 前項の規定に違反する契約に付ては命令の定むる所に依り金銭に換算せられたる小作料の額又は減免条件(金銭に換算せられたるものが第九条の三各号に揭ぐる小作料の額又は減免条件に比し農地の賃借人又は永小作権者に不利なる場合に在りては同条各号に掲くる小作料の額又減免条件)を以て契約を為したるものと看做す

第九条の三 小作科は左の各号に掲くる小作料の額又は減免条件に比し農地の賃借人又は永小作権者に不利と為るベき額又は減免条件を以て之を契約し、支払ひ又は受領することを得ず但し特別の事由ある場合に於て農地の所有者又は賃貸人が命令の定むる所に依り地方長官の許可を受けたるときは此の限に在らず

一 小作料統制令廃止の際小作料の定ある農地に付ては其の小作料の額及減免条件(金銭以外の物を以て又は金銭以外の物を基準として定められたる小作料の額及減免条件に在りては命令の定むる所に依り金銭に換算せられたる小作料の額及減免条件)

二 前号に該当せざる農地に付ては小作料統制令廃止後に於ける最初の小作料の額及減免条件

第九条の四 市町村農地委員会必要ありと認むるときは地方長官の認可を受け当該市町村に在る農地に付前条各号に掲ぐる小作料の額又は減免条件に代るベき小作料の額又は減免条件を定むることを得

 地方長官前項の認可を為さんとするときは都道府県農地委員会の意見を聽くことを要す

 地方長官第一項の認可を為したるときは命令の定むる所に依り其の旨を公示すベし

 前項の規定に依る公示ありたるときは其の小作料の額又は減免条件を以て前条各号に掲ぐる小作料の額又は減免条件と看做す

 前四項の規定は公示せられたる小作料の額又は減免条件を変更する場合に之を準用す

第九条の五 行政官庁前二条の規定に依る小作料の額又は減免条件著しく不当なりと認むるときは第九条の三各号に掲ぐる小作料の額又は減免条件に代るベき小作料の額又は減免条件を定むることを得

 地方長官前項の規定に依り小作料の額又は減免条件を定めんとするときは都道府県農地委員会の意見を聽くことを要す

 前条第三項乃至第五項の規定は第一項の場合に之を準用す

第九条の六 前二条の規定は裁判、裁判上の和解又は小作調停法に依る調停に依り定まりたる小作料の額又は減免条件に付ては之を適用せず

第九条の七 第九条の二乃至前条の規定は敷金、補償金穀、修繕費及用排水費の負担竝に小作料の額及減免条件以外の農地の賃貸借若は永小作又は之に附隨する契約の条件にして命令を以て定むるものに付之を準用す

第九条の八 何等の名義を以てするを問はず第六条の二第一項、第六条の四第二項又は第九条の二第一項若は第九条の三(第九条の七に於て準用する場合を含む)の規定に依る制限を免るる行為を為すことを得ず

第十五条 市町村に市町村農地委員会を置く

 市町村農地委員会は地方長官の監督に属し左に揭ぐる事項を処理す

一 本法に依り其の権限に属せしめたる事項

二 其の他農地関係の調整に関し勅令を以て定むる事項

第十五条の二 市町村農地委員会は会長及委員十八人を以て之を組織す

 会長は委員に於て互選し其の選に当りたる者を以て之に充つ

 委員は当該市町村の区域内に於て住所を有する者にして徳望経験あるものの中より地方長官の選任したる者三人及左の各号の区分に従ひ各号の一に該当し被選挙権を有する者に就き当該各号に該当し選挙権を有する者の選挙したる者十五人を以て之に充つ

一 農地の所有者にして当該市町村の区域内に於て所有する農地に付耕作の業を営まざるもの又は当該市町村の区域内に於て所有する農地の面積が其の区域内に於て耕作の業を営む農地の面積の二倍を超ゆるもの

二 耕作の業を営む者にして当該市町村の区域内に於て農地を所有せざるもの又は当該市町村の区域内に於て耕作の業を営む農地の面積が其の区域内に於て所有する農地の面積の二倍を超ゆるもの

三 当該市町村の区域内に於て農地を所有し且耕作の業を営む者にして前二号に該当せざるもの

 前項各号の規定に依り選挙せらるべき委員の定数は各五人とす

 委員は名誉職とす

第十五条の三 市町村の区域内に住所を有し当該市町村の区域内に於て命令を以て定むる面積の農地を所有する者又は命令を以て定むる面積の農地に付耕作の業を営む者は市町村農地委員会の委員の選挙権及被選挙権を有す

十五条の四 左に掲ぐるものは選挙権及被選挙権を有せず

一 六年の懲役又は禁錮以上の刑に処せられたる者

二 六年未満の懲役又は禁錮の刑に処せられ其の刑の執行を終り又は執行を受くることなきに至る迄の者

 左に掲ぐるものは被選挙権を有せず

一 未成年者

二 禁治産者又は準禁治産者

三 破産者にして復権を得ざるもの

第十五条の五 選挙に関する事務は市町村長之を担任す

第十五条の六 選挙は投票に依り之を行ふ

 投票は一人一票に限る

 投票は選挙人自ら投票所に到り投票用紙に被選挙人一人の氏名を自書し之を行ふベし但し未成年者及禁治産者に在りては法定代理人、法人に在りては其の代表者之を行ふものとす

 選挙人(前項但書の法定代理人及代表者を含む)にして命令の定むる事由に因り選挙の当日自ら投票所に到り投票を行ふこと能はざるベきことを証する者の投票に関しては前項本文の規定に拘らず命令を以て特別の定を為すことを得

 投票用紙には選挙人の氏名を記載することを得ず

第十五条の七 投票の多数を得たる者を以て当選人とす得票数同じきときは年齡多き者を取り年齡も亦同じきときは抽籤を以て之を定む

第十五条の八 委員は正常の事由なくして其の職を辞することを得ず

第十五条の九 委員の任期は一年とす

 但し第十五条の二第三項の規定に依り地方長官の選任したる委員に在りては特別の事由あるときは任期中と雖も之を解任することを妨げず

 補関委員は其の前任者の殘任期間在任す

 委員は其の任期満了したるときと雖も後任の委員就任する迄仍其の職務を行ふ

第十五条の十 第十五条の二第三項の規定に依り選挙せられたる委員被選挙権を有せざるに至りたるとき又は其の属したる第十五条の二第三項の区分に属せざるに至りたるときは其の職を失ふ

第十五条の十一 市町村農地委員会は定員の過半数に当る委員出席するに非ざれば会議を開くことを得ず

 議事は出席員の過半数を以て之を決す可否同数なるときは会長の決する所に依る

第十五条の十二 委員は自己及自己と同一戸籍内に在る者に関する事件に付議事に与ることを得ず

第十五条の十三 都道府県に都道府県農地委員会を置く

 都道府県農地委員会は主務大臣及地方長官の監督に属し左に掲ぐる事項を処理す

一 本法に依り其の権限に属せしめたる事項

二 其の他農地関係の調整に関し勅令を以て定むる事項

第十五条の十四 都道府県農地委員会は会長及委員を以て之を組織す

 会長は地方長官を以て之に充つ

 委員は左に掲ぐる者を以て之に充つ

一 郡(北海道に在りては支庁長の管轄区域)毎に町村農地委員会の会長たる者の中より一人を互選し其の選に当りたる者(郡の区域内に町村農地委員会一なる場合に於ては其の町村農地委員会の会長たる者)

二 市農地委員会の会長たる者の中より一人を互選し其の選に当りたる者(市農地委員会一なる場合に於ては其の市農地委員会の会長たる者)

二 学識経験ある者の中より主務大臣の選任したる者 五人乃至十人

十五条の十五 第十五条の二第五項、第十五条の八乃至第十五条の十二の規定は都道府県農地委員会に之を準用す

第十五条の十六 市町村農地委員会及都道府県農地委員会は第十五条又は第十五条の十三に規定する事項を処理する為必要あるときは農地の所有者又は耕作者其の他関係者に対し其の出頭を求め若は必要なる報告を徴し又は委員をして農地其の他必要なる場所に就き所要の調査を為さしむることを得

十五条の十七 市町村農地委員会に関する費用は市町村、都道府県農地委員会に関する費用は都道府県之を負担す

第十五条の十八 第十五条乃至前条に規定するものの外市町村農地委員会及都道府県農地委員会に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む

第十六条中「第四条」を「第四条第一項」に改む

第十七条 行政官庁必要ありと認むるときは農地其の他の土地若は物件に関し必要なる報告を徴し又は当該官吏をして日出より日没迄の間農地其の他必要なる場所に臨検し其の状況若は帳簿書類其の他の物件を検査せしむることを得

第十七条の二 第十五条の二第三項各号の区分の何れかに付被選挙権者の数同条第四項に規定する定数に満たざる市町村其の他特別の事情ある市町村には勅令の定むる所に依り市町村農地委員会を置かざることを得此の場合に於ては本法に依り市町村農地委員会の権限に属せしめたる事項は市町村長之を処理す

第十七条の三 本法中町村又は町村長に関する規定は町村制を施行せざる地に在りては之に準ずるものに、市又は市長に関する規定は東京都の区の存する区域、京都市、 横浜市、名古屋市及神戸市に在りては地方長官の指定する区又は区長に之を適用す

 東京都の区の存する区域は第四条の四の規定の適用に付ては之を一市と看做す

第十七条の四 第六条の二第一項、第六条の四第二項、第九条の二第一項若は第九条の三(第九条の七に於て準用する場合を含む)又は第九条の八の規定に違反したる者は二年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処す

第十七条の五 左の各号の一に該当する者は六月以下の懲役又は五百円以下の罰金に処す

一 第九条第三項の規定に違反したる者

二 第十七条の規定に依る報告を怠り若は虚偽の報告を為し又は当該官吏の臨検検査を拒み、妨げ若は忌避したる者

第十七条の六 法人の代表者又は法人若は人の代理人、使用人其の他の従業者其の法人又は人の業務に関し第十七条の四又は前条第一号若は第二号前段の違反行為を為したるときは行為者を罰するの外其の法人又は人に対し各本条の罰金刑を科す

 附則

第一条 本法施行の期日は各規定に付勅令を以て之を定む

第二条 第六条の四の改正規定は同条の規定施行の際現に農地に付存する譲渡契約にして当該農地に付既に譲受人の権利に関する登記ありたるもの又は当該農地の引渡を完了したるものに付ては之を適用せず

第三条 第九条の二の改正規定は昭和二十年以前の産米を以てする小作料の支払及其の受領に付ては之を適用せず

第四条 従前の規定に依る市町村農地委員会又は都道府県農地委員会は本法に依る市町村農地委員会又は都道府県農地委員会の成立に至る迄存続するものとし本法に依り市町村農地委員会又は都道府県農地委員会の権限に属せしめられたる事項を処理す

 前項に規定するものを除くの外第十五条乃至第十五条の十八の改正規定施行の際市町村農地委員会又は都道府県農地委員会に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む

第五条 小作料統制令、臨時農地価格統制令及臨時農地等管理令は之を廃止す

 前項の規定施行前小作料統制令、臨時農地価格統制令又は臨時農地等管理令に基き為したる許可若は認可又は許可若は認可の申請は之を本法の相当規定に基きて為したるものと看做す

 第一項の規定施行前に為したる行為に関する罰則の適用に付ては小作料統制令、臨時農地価格統制令及臨時農地等管理令は仍其の効力を有す

(Source:1945年12月29日官報)

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徴兵令詔書及び徴兵告諭(口語訳)  今回、全国募兵の件に付き、別紙の詔書の通り徴兵令が仰せ出され、その定めるところの条々、各々天皇の趣意を戴き、下々の者に至るまで遺漏なきように公布しなさい。全体として詳細は陸軍・海軍両省と打ち合わせをしなさい。この趣旨を通達する。  ただし、徴兵令および徴募期限については追って通達するべきものとする。 (別紙) 詔書の写し   私(明治天皇)が考えるに、往昔は郡県の制度により、全国の壮年の男子を募って、軍団を設置し、それによって国家を守ることは、もとより武士・農民の区別がなかった。中世以降、兵は武士に限られるようになり、兵農分離が始まって、ついに封建制度を形成するようになる。明治維新は、実に2千有余年来の一大変革であった。この際にあたり、海軍・陸軍の兵制もまた時節に従って、変更しないわけにはいかない。今日本の往昔の兵制に基づいて、海外各国の兵制を斟酌し、全国から兵を徴集する法律を定め、国家を守る基本を確立しようと思う。おまえたち、多くのあらゆる役人は手厚く、私(明治天皇)の意志を体して、広くこれを全国に説き聞かせなさい。 明治5年(壬申)11月28日  わが国古代の兵制では、国をあげて兵士とならなかったものはいなかった。有事の際は、天皇が元帥となり、青年壮年兵役に耐えられる者を募り、敵を征服すれば兵役を解き、帰郷すれば農工商人となった。もとより後世のように両刀を帯びて武士と称し、傍若無人で働かずに生活をし、甚だしい時には人を殺しても、お上が罪を問わないというようなことはなかった。  そもそも、神武天皇は珍彦を葛城の国造に任命し、以後軍団を設け衛士・防人の制度を始めて、神亀天平の時代に六府二鎮を設けて備えがなったのである。保元の乱・平治の乱以後、朝廷の軍規が緩み、軍事権は武士の手に落ち、国は封建制の時代となって、人は兵農分離とされた。さらに後世になって、朝廷の権威は失墜し、その弊害はあえていうべきものもなく甚だしいものとなった。  ところが、明治維新で諸藩が領土を朝廷に返還し、1871年(明治4)になって以前の郡県制に戻った。世襲で働かずに生活していた武士は、俸禄を減らし、刀剣を腰からはずすことを許し、士農工商の四民にようやく自由の権利を持たせようとしている。これは上下の身分差をなくし、人権を平等にしようとする方法で、とりもな...

日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

帝国陸海軍作戦計画大綱 1945年01月20日

 帝国陸海軍作戦計画大綱(ひらがな化、一部新字体化、一部省略)  帝国陸海軍作戦計画大綱(昭和二十年一月二十日)    目 次(略)    第一 作戦方針  帝国陸海軍は機微なる世界情勢の変転に莅み重点を主敵米軍の進攻破摧に指向し随処縦深に亙り敵戦力を撃破して戦争遂行上の要域を確保し以て敵戦意を挫折し以て戦争目的の達成を図る    第二 作戦の指導大綱 一 陸海軍は戦局愈々至難なるを予期しつつ既成の戦略態勢を活用し敵の進攻を破摧し速に自主的態勢の確立に努む   右自主的態勢は今後の作戦推移を洞察し速に先つ皇土及之か防衛に緊切なる大陸要域に於て不抜の邀撃態勢を確立し敵の来攻に方りては随時之を撃破すると共に其の間状況之を許す限り反撃戦力特に精錬なる航空戦力を整備し以て積極不羈の作戦遂行に努むるを以て其の主眼とす 二 陸海軍は比島方面に来攻中の米軍主力に対し靭強なる作戦を遂行し之を撃破して極力敵戦力に痛撃を加ふると共に敵戦力の牽制抑留に努め此の間情勢の推移を洞察し之に即応して速に爾他方面に於ける作戦準備を促進す 三 陸海軍は主敵米軍の皇土要域方面に向ふ進攻特に其の優勢なる空海戦力に対し作戦準備を完整し之を撃破す   之か為比島方面より皇土南陲に来攻する敵に対し東支那海周辺に於ける作戦を主眼とし二、三月頃を目途とし同周辺要地に於ける作戦準備を速急強化す   敵の小笠原諸島来攻(硫黄島を含む)に対し極力之か防備強化に努む   又敵一部の千島方面進攻を予期し又状況に依り有力なる敵の直接本土に暴進することあるを考慮し之に対処し得るの準備に遺憾なからしむ 四 陸海軍は進攻する米軍主力に対し陸海特に航空戦力を総合発揮し敵戦力を撃破し其の進攻企図を破摧す 此の間他方面に在りては優勢なる敵空海戦力の来攻を予想しつつ主として陸上部隊を以て作戦を遂行するものとす   敵戦力の撃破は渡洋進攻の弱点を捕へ洋上に於て痛撃を加ふるを主眼とし爾後上陸せる敵に対しては補給遮断と相俟つて陸上作戦に於て其の目的を達成す 此の際火力の集団機動を重視す   尚敵機動部隊に対しては努めて不断に好機を捕捉し之を求めて漸減す 五 支那大陸方面に在りては左に準拠し主敵米軍に対する作戦を指導す (一) 支那大陸に於ける戦略態勢を速に強化し東西両正面より進攻する敵特に米軍を撃破して其の企図を破摧し皇土を中核とする大...