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衆議院議員選挙法 1925年05月05日

 衆議院議員選挙法(ひらがな化、一部新字体化、別表省略)


法律第四十七号

衆議院議員選擧法


   第一章 選挙に関する区域

第一条 衆議院議員は各選挙区に於て之を選挙す

 選挙区及各選挙区に於て選挙すへき議員の数は別表を以て之を定む

第二条 投票区は市町村の区域に依る

 地方長官特別の事情ありと認むるときは市町村の区域を分ちて数投票区を設け又は数町村の区域を合せて一投票区を設くることを得

 前項の規定に依り投票区を設けたるときは地方長官は直に之を告示すへし

 第二項の規定に依り設くる投票区の投票に関し本法の規定を適用し難き事項に付ては勅令を以て特別の規定を設くることを得

第三条 開票区は郡市の区域に依る

 地方長官特別の事情ありと認むるときは郡市の区域を分ちて数間票区を設くることを得

 前項の規定に依り開票区を設けたるときは地方長官は直に之を告示すへし

 第二項の規定に依り設くる開票区の開票に関し本法の規定を適用し難き事項に付ては勅令を以て特別の規定を設くることを得

第四条 行政区画の変更に因り選挙区に異動を生するも現任議員は其の職を失ふことなし

   第二章 選挙権及被選挙権

第五条 帝国臣民たる男子にして年齢二十五年以上の者は選挙権を有す

 帝国臣民たる男子にして年齢三十年以上の者は被選挙権を有す

第六条 左に掲掲くる者は選挙権及被選挙権を有せす

一 禁治産者及準禁治産者

二 破産者にして復権を得さる者

三 貧困に困り生活の為公私の救助を受け又は扶助を受くる者

四 一定の住居を有せさる者

五 六年の懲役又は禁錮以上の刑に処せられたる者

六 刑法第二編第一章、第三章、第九章、第十六章乃至第二十一章、第二十五章又は第三十六章乃至第三十九章に掲くる罪を犯し六年未満の懲役の刑に処せられ其の執行ふ終り又は執行を受くることなきに至りたる後其の刑期の二倍に相当する期間を経過するに至る迄の者但し其の期間五年より短きときは五年とす

七 六年未満の禁錮の刑に処せられ又は前号に掲くる罪以外の罪を犯し六年未満の懲役の刑に処せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至る迄の者

第七条 華族の戸主は選挙権及被選挙権を有せす

 陸海軍軍人にして現役中の者(未た入営せさる者及帰休下士官兵を除く)及戦時若は事変に際し召集中の者は選挙権及被選挙権を有せす兵籍に編入せられたる学生生徒(勅令を以て定むる者を除く)及志願に依り国民軍に編入せられたる者亦同し

第八条 選挙事務に関係ある官吏及吏員は其の関係区域内に於て被選挙権を有せす

第九条 在職の官内官、判事、朝鮮総督府判事、台湾総督府法院判官、関東庁法院判官、南洋庁判事、検事、朝鮮総督府検事、台湾総督府法院検察官、関東庁法院検察官、南洋庁検事、陸軍法務官、海軍法務官、行政裁判所長官、行政裁判所評定官、会計検査官、収税官吏及警察官吏は被選挙権を有せす

第十条 官吏及待遇官吏は左に掲くる者を除くの外在職中議員と相兼ぬることを得す

一 国務大臣

二 内閣書記官長

三 法制局長官

四 各省政務次官

五 各省参与官

六 内閣総理大臣秘書官

七 各省秘書官

第十一条 北海道会議員及府県会議員は衆議院議員と相兼ぬることを得す

   第三章 選挙人名簿

第十二条 町村長は毎年九月十五日の現在に依り其の日迄引続き一年以上其の町村内に住居を有する者の選挙資格を調査し選挙人名簿二本を調製し十月十五日迄に之を郡長に送付すへし

 郡長は町村長より送付したる名簿を調査し其の修正すへきものは修正を加へ一本は十月三十一日迄に之を町村長に返付すへし

 市長は毎年九月十五日の現在に依り其の日迄引続き一年以上其の市内に住居を有する者の選挙資格を調査し十月三十一日迄に選挙人名簿を調製すへし

 第一項又は前項の住居に関する要件を具備せさる選挙人は選挙人名簿に登録せらるることを得す

 選挙人名簿には選挙人の氏名、住居及生年月日等を記載すへし

 第一項又は第三項の住居に関する期間は行政区画変更の為中断せらるることなし

第十三条 郡長及市町村長は十一月五日より十五日間郡市役所、町村役場又は其の指定したる場所に於て選挙人名簿を縦覧に供すへし

 郡長及市町村長は縦覧開始の日より少くとも三日前に縦覧の場所を告示すへし

第十四条 選挙人名簿に脫漏又は誤載ありと認むるときは選挙人は理由書及証憑を具へ其の修正を郡市長に申立つることを得

 縦覧期限を経過したるときは前項の申立を為すことを得す

第十五条 郡市長に於て前条の申立を受けたるときは其の理由及証憑を審査し申立を受けたる日より二十日以内に之を決定すへし其の申立を正当なりと決定したるときは直に選挙人名簿を修正し其の旨を申立人及関係人に通知し併せて之を告示すへし其の申立を正当ならすと決定したるときは其の旨を申立人に通知すへし

 前項の規定に依り名簿を修正したるときは郡長は直に其の旨を関係町村長に通知すへし

 前項の通知を受けたるときは町村長は直に名簿を修正し其の旨を告示すへし

第十六条 前条郡市長の決定に不服ある申立人又は関係人は郡市長を被告とし決定の通知を受けたる日より七日以内に地方裁判所に出訴することを得

 前項裁判所の判決に対しては控訴することを得す但し大審院に上告することを得

第十七条 選挙人名簿は十二月二十日を以て確定す

 選挙人名簿は次年の十二月十九日迄之を据置くへし但し確定判決に依り修正すへきものは郡市長に於て直に之を修正し其の旨を告示すへし

 前項の規定に依り名簿を修正したるときは郡長は直に其の旨を関係町村長に通知すへし

 前項の通知を受けたるときは町村長は直に名簿を修正し其の旨を告示すへし

 天災事変其の他の事故に因り必要あるときは更に選挙人名簿を調製すへし

 前項選挙人名簿の調製及其の期日、縦覧確定に関する期日、期間等は命令の定むる所に依る

   第四章 選挙、投票及投票所

第十八条 総選挙は議員の任期終りたる日の翌日之を行ふを例とす但し特別の事情ある場合に於ては議員の任期終りたる日より五日以内に之を行ふことを妨けす

 議会間会中又は議会閉会の日より二十五日以内に議員の任期終る場合に於ては総選挙は議会閉会の日より二十六日以後三十日以内に之を行ふ

 衆議院解散を命せられたる場合に於ては総選挙は解散の日より三十日以内に之を行ふ

 総選挙の期日は勅命を以て之を定め少くとも二十五日前に之を公布す

第十九条 選挙は投票に依り之を行ふ

 投票は一人一票に限る

第二十条 市町村長は投票管理者と為り投票に関する事務を担任す

第二十一条 投票所は市役所、町村役場又は投票管理者の指定したる場所に之を設く

第二十二条 投票管理者は選挙の期日より少くとも五日前に投票所を告示すへし

第二十三条 投票所は午前七時に開き午後六時に閉つ

第二十四条 議員候補者は各投票区に於ける選挙人名簿に記載せられたる者の中より本人の承諾を得て投票立会人一人を定め選挙の期日の前日迄に投票管理者に届出つることを得但し議員候補者死亡し又は議員候補者たることを辞したるときは其の届出てたる投票立会人は其の職を失ふ

 前項の規定に依る投票立会人三人に達せさるとき若は三人に達せさるに至りたるとき又は投票立会人にして参会する者投票所を開くへき時刻に至り三人に達せさるとき若は其の後三人に達せさるに至りたるときは投票管理者は其の投票区に於ける選挙人名簿に記載せられたる者の中より三人に達する迄の投票立会人を選任し直に之を本人に通知し投票に立会はしむへし

 投票立会人は正当の事故なくして其の職を辞することを得す

第二十五条 選挙人は選挙の当日自ら投票所に到り選挙人名簿の対照を経て投票を為すへし

 投票管理者は投票を為さむとする選挙人の本人なりや否やを確認すること能はさるときは其の本人なる旨を宣言せしむへし其の宣言を為ささる者は投票を為すことを得す

第二十六条 投票用紙は選挙の当日投票所に於て之を選挙人に交付すへし

第二十七条 選挙人は投票所に於て投票用紙に自ら議員候補者一人の氏名を記載して投函すへし

 投票用紙には選挙人の氏名を記載することを得す

第二十八条 投票に関する記載に付ては勅令を以て定むる点字は之を文字と看做す

第二十九条 選挙人名簿に登録せられさる者は投票を為すことを得す但し選挙人名簿に登録せらるへき確定判決書を所持し選挙の当日投票所に到る者あるときは投票管理者は之をして投票を為さしむへし

第三十条 選挙人名簿に登録せられたる者選挙人名簿に登録せらるることを得さる者なるときは投票を為すことを得す選挙の当日選挙権を有せさる者なるとき亦同し

 自を議員候補者の氏名を書すること能はさる者は投票を為すことを得す

第三十一条 投票の拒否は投票立会人の意見を聴き投票管理者之を決定すへし

 前項の決定を受けたる選挙人不服あるときは投票管理者は仮に投票を為さしむへし

 前項の投票は選挙人をして之を封筒に入れ封緘し表面に自ら其の氏名を記載し投函せしむへし

 投票立会人に於て異議ある選挙人に対しても亦前二項に同し

第三十二条 投票所を閉つへき時刻に至りたるときは投票管理者は其の旨を告けて投票所の入口を鎖し投票所に在る選挙人の投票結了するを待ちて投票函を閉鎖すへし

 投票函閉鎖後は投票を為すことを得す

第三十三条 選挙人にして勅令の定むる事由に因り選挙の当日自ら投票所に到り投票を為し能はさるへきことを証する者の投票に関しては第二十五条、第二十六条、第二十七条第一項、第二十九条但書及第三十一条の規定に拘らす勅令を以て特別の規定を設くることを得

第三十四条 投票管理者は投票録を作り投票に関する顚末を記載し投票立会人と共に之に署名す

第三十五条 投票管理者は一人又は数人の投票立会人と共に町村の投票区に於ては投票の翌日迄に、市の投票区に於ては投票の当日投票函、投票録及選挙人名簿を開票管理者に送致すへし

第三十六条 島嶼其の他交通不便の地にして前条の期日に投票函を送致すること能はさる情況ありと認むるときは地方長官は適宜に其の投票の期日を定め開票の期日迄に其の投票函、投票録及選挙人名簿を送致せしむることを得

第三十七条 天災其の他避くへからさる事故に因り投票を行ふことを得さるとき又は更に投票を行ふの必要あるときは投票管理者は選挙長を経て地方長官に其の旨を届出つへし此の場合に於ては地方長官は更に期日を定め投票を行はしむへし但し其の期日は少くとも五日前に之を告示せしむへし

第三十八条 第七十五条又は第七十九条の選挙を同時に行ふ場合に於ては一の選挙を以て合併して之を行ふ

第三十九条 何人と雖選挙人の投票したる被選挙人の氏名を陳述するの義務なし

第四十条 投票管理者は投票所の秩序を保持し必要なる場合に於ては警察官吏の処分を請求することを得

第四十一条 選挙人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者及警察官吏に非されは投票所に入ることを得す

第四十二条 投票所に於て演説討論を為し若は喧騷に渉り又は投票に関し協議若は勧誘を為し其の他投票所の秩序を紊る者あるときは投票管理者は之を制止し命に従はさるときは投票所外に退出せしむへし

第四十三条 前条の規定に依り投票所外に退出せしめられたる者は最後に至り投票を為すことを得但し投票管理者は投票所の秩序を紊るの虞なしと認むる場合に於て投票を為さしむることを妨けす

   第五章 開票及開票所

第四十四条 郡市長は開票管理者と為り開票に関する事務を担任す

第四十五条 開票所は郡市役所又は関票管理者の指定したる場所に之を設く

第四十六条 開票管理者は予め開票の場所及日時を告示すへし

第四十七条 第二十四条の規定は開票立会人に之を準用す

第四十八条 開票管理者は総ての投票函の送致を受けたる日の翌日開票所に於て開票立会人立会の上投票函を開き投票の総敷と投票人の総数とを計算すへし

第四十九条 前条の計算終りたるときは開票管理者は先つ第三十一条第二項及第四項の投票を調査し開票立会人の意見を聴き其の受理如何を決定すへし

 開票管理者は開票立会人と共に投票区毎に投票を点検すへし

 投票の点検終りたるときは開票管理者は直に其の結果を選挙長に報告すへし

第五十条 選挙人は其の間票所に就き開票の参観を求むることを得

第五十一条 投票の効力は開票立会人の意見を聴き開票管理者之を決定すへし

第五十二条 左の投票は之を無効とす

一 成規の用紙を用ひさるもの

二 議員候補者に非さる者の氏名を記載したるもの

三 一投票中二人以上の議員候補者の氏名を記載したるもの

四 被選挙権なき議員候補者の氏名を記載したるもの

五 議員候補者の氏名の外他事を記載したるもの但し官位、職業、身分、住居又は敬称の類を記入したるものは此の限に在らす

六 議員候補者の氏名を自書せさるもの

七 議員候補者の何人を記載したるかを確認し難きもの

八 衆議院議員の職に在る者の氏名を記載したるもの

前項第八号の規定は第七十五条又は第七十九条の規定に依る選挙の場合に限り之を適用す

第五十三条 投票は有効無効を区別し議員の任期間開票管理者に於て之を保存すへし

第五十四条 開票管理者は開票録を作り開票に関する顚末を記載し開票立会人と共に署名し投票録と併せて議員の任期間之を保存すへし

第五十五条 選挙の一部無効と為り更に選挙を行ひたる場合の開票に於ては其の投票の効力を決定すへし

第五十六条 第三十七条の規定は但書を除き開票に之を準用す

第五十七条 開票所の取締に付ては第四十条乃至第四十二条の規定を準用す

   第六章 選挙会

第五十八条 地方長官は各選挙区内に於ける郡市長の中に就き選挙長を定むへし但し一県一選挙区たる場合に於ては其の地方長官を、一市一選挙区たる場合に於ては其の市長を選挙長とす

 選挙長は選挙会に関する事務を担任す

第五十九条 選挙会は選挙長の属する県庁若は郡市役所又は選挙長の指定したる場所に之を開く

第六十条 選挙長は予め選挙会の場所及日時を告示すへし

第六十一条 第二十四条の規定は選挙立会人に之を準用す

第六十二条 選挙長は総ての開票管理者より第四十九条第三項の報告を受けたる日又は其の翌日選挙会を開き選挙立会人立会の上其の報告を調査すへし

 選挙の一部無効と為り更に選挙を行ひたる場合に於て第四十九条第三項の報告を受けたるときは選挙長は前項の例に依り選挙会を開き他の部分の報告と共に更に之を調査すへし

第六十三条 選挙人は其の選挙会の参観を求むることを得

第六十四条 選挙長は選挙録を作り選挙会に関する顛末を記載し選挙立会人と共に署名し第四十九条第三項の報告に関する書類と併せて議員の任期間之を保存すへし

第六十五条 第三十七条の規定は但書を除き選挙会に之を準用す

第六十六条 選挙会場の取締に付ては第四十条乃至第四十二条の規定を準用す

   第七章 議員候補者及当選人

第六十七条 議員候補者たらむとする者は選挙の期日の公布又は告示ありたる日より選挙の期日前七日迄に其の旨を選挙長に届出つへし

 選挙人名簿に記載せられたる者他人を議員候補者と為さむとするときは前項の期間内に其の推薦の届出を為すことを得

 前二項の期間内に届出ありたる議員候補者其の選挙に於ける議員の定数を超ゆる場合に於て其の期間を経過したる後議員候補者死亡し又は議員候補者たることを辞したるときは前二項の例に依り選挙の期日の前日迄議員候補者の届出又は推薦届出を為すことを得

 議員候補者は選挙長に届出を為すに非されは議員候補者たることを辞することを得す

 前四項の届出ありたるとき又は議員候補者の死亡したることを知りたるときは選挙長は直に其の旨を告示すへし

第六十八条 議員候補者の届出又は推薦届出を為さむとする者は議員候補者一人に付二千円又は之に相当する額面の国債証書を供託することを要す

 議員候補者の得票数其の選挙区内の議員の定数を以て有効投票の総数を除して得たる数の十分の一に達せさるときは前項の供託物は政府に帰属す

 議員候補者選挙の期日前十日以内に議員候補者たることを辞したるときは前項の規定を準用す但し被選挙権を有せさるに至りたる為議員候補者たることを辞したるときは此の限に在らす

第六十九条 有効投票の最多数を得たる者を以て当選人とす但し其の選挙区内の議員の定数を以て有効投票の総数を除して得たる数の四分の一以上の得票あることを要す

 当選人を定むるに当り得票数同しきときは年齢多き者を取り年齢も亦同しきときは選挙会に於て選挙長抽籖して之を定む

 第八十一条又は第八十三条の規定に依る訴訟の結果更に選挙を行ふことなくして当選人を定め得る場合に於ては選挙会を開き之を定むへし

 当選人当選を辞したるとき、死亡者なるとき又は第七十条の規定に依り当選を失ひたるときは直に選挙会を開き第一項但書の得票者にして当選人と為らさりし者の中に就き当選人を定むへし

 当選人第八十四条の規定に依る訴訟の結果又は第百三十六条の規定に依り当選無効と為りたるときは選挙会を開き其の第七十四条の規定に依る当選承諾届出期限前なる場合に於ては前項の例に依り其の届出期限経過後なる場合に於ては第二項の規定の適用を受けたる得票者にして当選人と為らさりし者の中に就き当選人を定むへし

 前三項の場合に於て第一項但書の得票者にして当選人と為らさりし者選挙の期日後に於て被選挙権を有せさるに至りたるときは之を当選人と定むることを得す

第七十条 当選人選挙の期日後に於て被選挙権を有せさるに至りたるときは当選を失ふ

第七十一条 第六十七条第一項乃至第三項の規定に依る届出ありたる議員候補者其の選挙に於ける議員の定数を超えさるときは其の選挙区に於ては投票を行はす

 前項の規定に依り投票を行ふことを要せさるときは選挙長は直に其の旨を投票管理者に通知し併せて之を告示し且地方長官に報告すへし

 投票管理者前項の通知を受けたるときは直に其の旨を告示すへし

 第一項の場合に於ては選挙長は選挙の期日より五日以内に選挙会を開き議員候補者を以て当選人と定むへし

 前項の場合に於て議員候補者の被選挙権の有無は選挙立会人の意見を聴き選挙長之を決定すへし

第七十二条 当選人定りたるときは選挙長は直に当選人に当選の旨を告知し同時に当選人の氏名を告示し且当選人の氏名、得票数及其の選挙に於ける有効投票の総数其の他選挙の顛末を地方長官に報告すへし

 当選人なきとき又は当選人其の選挙に於ける議員の定数に達せさるときは選挙長は直に其の旨を告示し且之を地方長官に報告すへし

第七十三条 当選人当選の告知を受けたるときは其の当選を承諾するや否やを選挙長に届出つへし

 一人にして数選挙区の当選を承諾することを得す

 選挙長第一項の規定に依る届出を受けたるときは直に其の旨を地方長官に報告すへし

第七十四条 当選人当選の告知を受けたる日より二十日以内に当選承諾の届出を為ささるときは其の当選を辞したるものと看做す

第七十五条 左に掲くる事由の一に該当する場合に於ては更に選挙を行ふことなくして当選人を定め得るときを除くの外地方長官は選挙の期日を定め少くとも十四日前に之を告示し更に選挙を行はしむへし但し同一人に関し左に掲くる其の他の事由に依り又は第七十九条第六項の規定に依り選挙の期日を告示したるときは此の限に在らす

一 当選人なきとき又は当選人其の選挙に於ける議員の定数に達せさるとき

二 当選人当選を辞したるとき又は死亡者なるとき

三 当選人第七十条の規定に依り当選を失ひたるとき

四 第八十一条又は第八十三条の規定に依る訴訟の結果当選人なきに至り又は当選人其の選挙に於ける議員の定数に達せさるに至りたるとき

五 当選人第八十四条の規定に依る訴訟の結果当選無効と為りたるとき

六 当選人第百三十六条の規定に依り当選無効と為りたるとき

第九章の規定に依る訴訟の出訴期間は前項の規定に依る選挙を行ふことを得ず其の出訴ありたる場合に於て訴訟繋属中亦同し

第一項の選挙の期日は第九章の規定に依る訴訟の出訴期間満了の日、其の出訴ありたる塲合に於ては地方長官第八十六条第一項の規定に依り訴訟繫属せさるに至りたる旨の大審院長の通知を受けたる日又は第百四十三条の規定に依る通知を受けたる日より二十日を超ゆることを得す

第一項各号の一に該当する事由議員の任期の終る前六月以内に生したるときは第一項の選挙は之を行はす

第七十六条 当選人当選を承諾したるときは地方長官は直に当選証書を付与し其の氏名を告示し且之を内務大臣に報告すへし

第七十七条 第九章の規定に依る訴訟の結果選挙若は当選無効と為りたるとき又は当選人第百三十六条の規定に依り当選無効と為りたるときは地方長官は直に其の旨を告示すへし

   第八章 議員の任期及補闕

第七十八条 議員の任期は四年とし総選挙の期日より之を起算す但し議会開会中に任期終るも閉会に至る迄在任す

第七十九条 議員に闕員を生するも其の闕員の数同一選挙区に於て二人に達する迄は補闕選挙は之を行はす

 議員に闕員を生したるときは内務大臣は議院法第八十四条の規定に依る衆議院議長の通牒を受けたる日より五日以内に地方長官に対し其の旨を通知すへし

 地方長官は前項の規定に依る通知を受けたるときは其の闕員と為りたる議員か第七十四条の規定に依る当選承諾届出の期限前に於て闕員と為りたる者なる場合に於て第六十九条第一項但書の得票者にして当選人と為らさりし者あるとき又は其の期限経過後に於て闕員と為りたる者なる場合に於て第六十九条第二項の規定の適用を受けたる得票者にして当選人と為をさりし者あるときは直に議員闕員と為りたる旨を選挙長に通知すへし

 選挙長は前項の規定に依る通知を受けたる日より二十日以内に第六十九条第四項乃至第六項の規定を準用し当選人を定むへし

 地方長官は第二項の規定に依る通知を受けたる場合に於て第三項の規定の適用あるとき及同一人に関し第七十五条の規定に依り選挙の期日を告示したるときを除くの外其の闕員の数同一選挙区に於て二人に達するを待ち最後に第二項の規定に依る通知を受けたる日より二十日以内に補闕選挙を行はしむへし

 補闕選挙の期日は地方長官少くとも十四日前に之を告示すへし

 第七十五条第二項乃至第四項の規定は補闕選挙に之を準用す

第八十条 補闕議員は其の前任者の殘任期間在任す

   第九章 訴訟

第八十一条 選挙の効力に関し異議ある選挙人又は議員候補者は選挙長を被告とし選挙の日より三十日以内に大審院に出訴することを得

第八十二条 選挙の規定に違反することあるときは選挙の結果に異動を及ほすの虞ある場合に限り裁判所は其の選挙の全部又は一部の無効を判決すへし

 第八十三条の規定に依る訴訟に於ても其の選挙前項の場合に該当するときは裁判所は其の全部又は一部の無効を判決すへし

第八十三条 当選を失ひたる者当選の効力に関し異議あるときは当選人を被告とし第七十二条第一項及第二項の告示の日より三十日以内に大審院に出訴することを得但し第六十九条第一項但書に定めたる得票に達したりとの理由、第六十九条第六項若は第七十条の規定に該当せすとの理由又は第七十一条第五項の決定違法なりとの理由に因り出訴する場合に於ては選挙長を被告とすへし

 前項の規定に依る訴訟の裁判確定前当選人死亡したるときは検事を被告とす

第八十四条 第百十条の規定に依り当選を無効なりと認むる選挙人又は議員候補者は当選人を被告とし第七十二条第一項の告示の日より三十日以内に大審院に出訴することを得

 第百三十六条の規定に依り選挙事務長か第百十二条又は第百十三条の罪を犯し刑に処せられたるに因り当選を無効なりと認むる選挙人又は議員候補者当選人を被告とし其の裁判確定の曰より三十日以内に大審院に出訴することを得

第八十五条 裁判所は本章の規定に依る訴訟を裁判するに当り検事をして口頭弁論に立会はしむへし

第八十六条 本章の規定に依る訴訟の提起ありたるときは大審院長は其の旨を内務大臣及関係地方長官に通知すへし訴訟の繋属せさるに至りたるとき亦同し

 本章の規定に依る訴訟に付判決ありたるときは大審院長は其の判決書の謄本を内務大臣に送付すへし帝国議会開会中なるときは併せて之を衆議院議長に送付すへし

第八十七条 本章の規定に依る訴訟を提起せむとする者は保証金として三百円又は之に相当する額面の国債証書を供託することを要す

 原告敗訴の場合に於て裁判確定の日より七日以内に裁判費用を完納せさるときは保証金を以て之に充当し仍足らさるときは之を追徵す

   第十章 選挙運動

第八十八条 議員候補者は選挙事務長一人を選任すへし但し議員候補者自を選挙事務長と為り又は推薦届出者(推薦届出者数人あるときは其の代表者)議員候補者の承諾を得て選挙事務長を選任し若は自ら選挙事務長と為ることを妨けす

 議員候補者の承諾を得すして其の推薦の届出を為したる者は前項但書の承諾を得ることを要す

 議員候補者は文書を以て通知することに依り選挙事務長を解任することを得選挙事務長を選任したる推薦届出者に於て議員候補者の承諾を得たるとき亦同し

 選挙事務長は文書を以て議員候補者及選任者に通知することに依り辞任することを得

 選挙事務長の選任者(自ら選挙事務長と為りたる者を含む以下之に同し)は直に其の旨を選挙区内警察官署の一に届出つへし

 選挙事務長に異動ありたるときは前項の規定に依り届出を為したる者直に其の届出を為したる警察官署に其の旨を届出つへし

 第九十五条の規定に依り選挙事務長に代りて其の職務を行ふ者は前項の例に依り届出つへし其の之を罷めたるとき亦同し

第八十九条 選挙事務長に非されは選挙事務所を設置し又は選挙委員若は選挙事務員を選任することを得す

 選挙事務長は文書を以て通知することに依り選挙委員又は選挙事務員を解任することを得

 選挙委員又は選挙事務員は文書を以て選挙事務長に通知することに依り辞任することを得

 選挙事務長選挙事務所を設置し又は選挙委員若は選挙事務員を選任したるときは直に其の旨を前条第五項の届出ありたる警察官署に届出つへし選挙事務所又は選挙委員若は選挙事務員に異動ありたるとき亦同し

第九十条 選挙事務所は議員候補者一人に付七箇所を超ゆることを得す

 選挙の一部無効と為り更に選挙を行ふ場合又は第三十七条の規定に依り投票を行ふ場合に於ては選挙事務所は前項に掲くる数を超えさる範囲内に於て地方長官(東京府に在りては警視総監)の定めたる数を超ゆることを得す

 地方長官(東京府に在りては警視総監)前項の規定に依り選挙事務所の数を定めたる場合に於ては選挙の期日の告示ありたる後直に之を告示すへし

第九十一条 選挙事務所は選挙の当日に限り投票所を設けたる場所の入口より三町以内の区域に之を置くことを得す

第九十二条 休憩所其の他之に類似する設備は選挙運動の為之を設くることを得す

第九十三条 選挙委員及選挙事務員は議員候補者一人に付通して五十人を超ゆることを得す

 第九十条第二項及第三項の規定は選挙委員及選挙事務員に関し之を準用す

第九十四条 選挙事務長選挙権を有せさる者なるとき又は第九十九条第二項の規定に依り選挙運動を為すことを得さる者なるときは地方長官(東京府に在りては警視総監)は直に其の解任又は退任を命すへし

 第八十九条第一項の規定に違反して選挙事務所の設置ありと認むるときは地方長官(東京府に在りては警視総監)は直に其の選挙事務所の閉鎖を命すへし第九十条第一項又は第二項の規定に依る定数を超えて選挙事務所の設置ありと認むるときは其の超過したる数の選挙事務所に付亦同し

 前条の規定に依る定数を超えて選挙委員又は 選挙事務員の選任ありと認むるときは地方長官(東京府に在りては警視総監)は直に其の超過したる数の選挙委員又は選挙事務員の解任を命すへし選挙委員又は選挙事務員選挙権を有せさる者なるとき又は第九十九条第二項の規定に依り選挙運動を為すことを得さる者なるとき其の選挙委員又は選挙事務員に付亦同し

第九十五条 選挙事務長故障あるときは選任者代りて其の職務を行ふ

 推薦届出者たる選任者も亦故障あるときは議員候補者の承諾を得すして其の推薦の届出を為したる場合を除くの外議員候補者代りて其の職務を行ふ

第九十六条 議員候補者、選挙事務長、選挙委員又は選挙事務員に非されは選挙運動を為すことを得す但し演説又は推薦状に依る選挙運動は此の限に在らす

第九十七条 選挙事務長、選挙委員又は選挙事務員は選挙運動の為に要する飲食物、船車馬等の供給又は旅費、休泊料其の他の実費の弁償を受くることを得演説又は推薦状に依り選挙運動を為す者其の運動を為すに付亦同し

 選挙事務員は選挙運動を為すに付報酬を受くることを得

第九十八条 何人と雖投票を得若は得しめ又は得しめさるの目的を以て戸別訪問を為すことを得す

 何人と雖前項の目的を以て連続して個個の選挙人に対し面接し又は電話に依り選挙運動を為すことを得す

第九十九条 選挙権を有せさる者は選挙事務長、選挙委員又は選挙事務員と為ることを得す

 選挙事務に関係ある官吏及吏員は其の関係区域内に於ける選挙運動を為すことを得す

第百条 内務大臣は選挙運動の為頒布し又は掲示する文書図画に関し命令を以て制限を設くることを得とを得

   第十一章 選挙運動の費用

第百一条 立候補準備の為に要する費用を除くの外選挙運動の費用は選挙事務長に非されは之を支出することを得す但し議員候補者、選審委員又は選挙事務員は選挙事務長の文書に依る承諾を得て之を支出することを妨けす

 議員候補者、選挙事務長、選挙委員又は選挙事務員に非さる者は選挙運動の費用を支出することを得す但し演説又は推薦状に依る選挙運動の費用は此の限に在らす

第百二条 選挙運動の費用は議員候補者一人に付左の各号の額を超ゆることを得す

一 選挙区内の議員の定数を以て選挙人名簿確定の日に於て之に記載せられたる者の総数を除して得たる数を四十銭に乗して得たる額

二 選挙の一部無効と為り更に選挙を行ふ場合に於ては選挙区内の議員の定数を以て選挙人名簿確定の日に於て関係区域の選挙人名簿に記載せられたる者の総数を除して得たる数を四十銭に乗して得たる額

三 第三十七条の規定に依り投票を行ふ場合に於ては前号の規定に準して算出したる額但し地方長官(東京府に在りては警視総監)必要ありと認むるときは之を減額することを得

地方長官(東京府に在りては警視総監)は選挙の期日の公布又は告示ありたる後直に前項の規定に依る額を告示すへし

第百三条 選挙運動の為財産上の義務を負担し又は建物、船車馬、印刷物、飲食物其の他の金銭以外の財産上の利益を使用し若は費消したる場合に於ては其の義務又は利益を時価に見積りたる金額を以て選挙運動の費用と看做す

第百四条 左の各号に掲くる費用は之を選挙運動の費用に非さるものと看做す

一 議員候補者か乗用する船車馬等の為に要したる費用

二 選挙の期日後に於て選挙運動の残務整理の為に要したる費用

三 選挙委員又は選挙事務員の支出したる費用にして議員候補者又は選挙事務長と意思を通して支出したる費用以外のもの但し第百一条第一項の規定の適用に付ては此の限に在らす

四 第六十七条第一項乃至第三項の届出ありたる後議員候補者、選挙事務長、選挙委員又は選挙事務員に非さる者の支出したる費用にして議員候補者又は選挙事務長と意思を通して支出したる費用以外のもの但し第百一条第二項の規定の適用に付ては此の限に在らす

五 立候補準備の為に要したる費用にして議員候補者若は選挙事務長と為りたる者の支出したる費用又は其の者と意思を通して支出したる費用以外のもの

第百五条 選挙事務長は勅令の定むる所に依り帳簿を備へ之に選挙運動の費用を記載すへし

第百六条 選挙事務長は勅令の定むる所に依り選挙運動の費用を精算し選挙の期日より十四日以内に第八十八条第五項の届出ありたる警察官署を経て之を地方長官(東京府に在りては警視総監)に届出つへし

 地方長官(東京府に在りては警視総監)は前項の規定に依り届出ありたる選挙運動の費用を告示すへし

第百七条 選挙事務長は前条第一項の届出を為したる日より一年間選挙運動の費用に関する帳簿及書類を保存すへし

 前項の帳簿及書類の種類は勅令を以て之を定む

第百八条 警察官吏は選挙の期日後何時にても選挙事務長に対し選挙運動の費用に関する帳簿又は書類の提出を命し、之を検査し又は之に関する説明を求むることを得

第百九条 選挙事務長辞任し又は解任せられたる場合に於ては遅滞なく選挙運動の費用の計算を為し新に選挙事務長と為りたる者に対し、新に選挙事務長と為りたる者なきときは第九十五条の規定に依り選挙事務長の職務を行ふ者に対し選挙事務所、選挙委員、選挙事務員其の他に関する事務と共に其の引継を為すへし第九十五条の規定に依り選挙事務長の職務を行ふ者事務の引継を受けたる後新に選挙事務長定りたるとき亦同し

第百十条 議員候補者の為支出せられたる選挙運動の費用か第百二条第二項の規定に依り告示せられたる額を超えたるときは其の議員候補者の当選を無効とす但し議員候補者及推薦届出者か選挙事務長又は之に代りて其の職務を行ふ者の選任及監督に付相当の注意を為し且選挙事務長又は之に代りて其の職務を行ふ者に於て選挙運動の費用の支出に付過失なかりしときは此の限に在らす

   第十二章 罰則

第百十一条 詐偽の方法を以て選挙人名簿に登録せられたる者又は第二十五条第二項の場合に於て虛偽の宣言を為したる者は百円以下の罰金に処す

第百十二条 左の各号に掲くる行為を為したる者は二年以下の懲役若は禁錮又は千円以下の罰金に処す

一 当選を得若は得しめ又は得しめさる目的を以て選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品其の他の財産上の利益若は公私の職務の供与、其の供与の申込若は約束を為し又は饗応接待、其の申込若は約束を為したるとき

二 当選を得若は得しめ又は得しめさる目的を以て選挙人又は選挙運動者に対し其の者又は其の者の関係ある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附其の他特殊の直接利害関係を利用して誘導を為したるとき

三 投票を為し若は為ささること、選挙運動を為し若は止めたること又は其の周旋勧誘を為したることの報酬と為す目的を以て選挙人又は選挙運動者に対し第一号に掲くる行為を為したるとき

四 第一号若は前号の供与、饗応接待を受け若は要求し、第一号若は前号の申込を承諾し又は第二号の誘導に応し若は之を促したるとき

五 前各号に掲くる行為に関し周旋又は勧誘を為したるとき

第百十三条 左の各号に掲くる行為を為したる者は三年以下の懲役若は禁錮又は二千円以下の罰金に処す

一 議員候補者たること若は議員候補者たらむとすることを止めしむる目的を以て議員候補者若は議員候補者たらむとする者に対し又は当選を辞せしむる目的を以て当選人に対し前条第一号又は第二号に掲くる行為を為したるとき

二 議員候補者たること若は議員候補者たらむとすることを止めたること、当選を辞したること又は其の周旋勧誘を為したることの報酬と為す目的を以て議員候補者たりし者、議員候補者たらむとしたる者又は当選人たりし者に対し前条第一号に掲くる行為を為したるとき

三 前二号の供与、饗応接待を受け若は要求し、前二号の申込を承諾し又は第一号の誘導に応し若は之を促したるとき

四 前各号に掲くる行為に関し周旋又は勧誘を為したるとき

第百十四条 前二条の場合に於て収受したる利益は之を没収す其の全部又は一部を没収すること能はさるときは其の価額を追徴す

第百十五条 選挙に関し左の各号に掲くる行為を為したる者は三年以下の懲役若は禁錮又は二千円以下の罰金に処す

一 選挙人、議員候補者、議員候補者たらむとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若は威力を加へ又は之を拐引したるとき

二 交通若は集会の便を妨け又は演説を妨害し其の他偽計詐術等不正の方法を以て選挙の自由を妨害したるとき

三 選挙人、議員候補者、議員候補者たらむとする者、選挙運動者若は当選人又は其の関係ある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附其の他特殊の利害関係を利用して選挙人、議員候補者、議員候補者たらむとする者、選挙運動者又は当選人を威逼したるとき

第百十六条 選挙に関し官吏又は吏員故意に其の職務の執行を怠り又は職権を濫用して選挙の自由を妨害したるときは三年以下の禁錮に処す

 官吏又は吏員選挙人に対し其の投票せすとし又は投票したる被選挙人の氏名の表示を求めたるときは三月以下の禁錮又は百円以下の罰金に処す

第百十七条 選挙事務に関係ある官吏、吏員、立会人又は監視者選挙人の投票したる被選挙人の氏名を表示したるときは二年以下の禁錮又は千円以下の罰金に処す其の表示したる事実虚偽なるとき亦同し

第百十八条 投票所又は開票所に於て正当の事由なくして選挙人の投票に関渉し又は被選挙人の氏名を認知するの方法を行ひたる者は一年以下の禁錮又は五百円以下の罰金に処す

 法令の規定に依らすして投票函を開き又は投票函中の投票を取出したる者は三年以下の懲役若は禁錮又は二千円以下の罰金に処す

第百十九条 投票管理者、開票管理者、選挙長、立会人若は選挙監視者に暴行若は脅迫を加へ、選挙会場、開票所若は投票所を騷擾し又は投票、投票函其の他関係書類を抑留、毀壊者は奪取したる者は四年以下の懲役又は禁錮に処す

第百二十条 多衆聚合して第百十五条第一号又は前条の罪を犯したる者は左の区別に従て処断す

一 首魁は一年以上七年以下の懲役又は禁錮に処す

二 他人を指揮し又は他人に率先して勢を助けたる者は六月以上五年以下の懲役又は禁錮に処す

三 附和隨行したる者は百円以下の罰金又は科料に処す

第百十五条第一号又は前条の罪を犯す為多衆聚合し当該公務員より解散の命を受くること三回以上に及ふも仍解散せさるときは首魁は二年以下の禁錮に処し其の他の者は百円以下の罰金又は科料に処す

第百二十一条 選挙に関し銃砲、刀剣、棍棒其の他人を殺傷するに足るへき物件を携帯したる者は二年以下の禁錮又は千円以下の罰金に処す

 警察官吏又は憲兵は必要と認むる場合に於て前項の物件を領置することを得

第百二十二条 前条の物件を携帯して選挙会場、開票所又は投票所に入りたる者は三年以下の禁錮又は二千円以下の罰金に処す

第百二十三条 前二条の罪を犯したる場合に於ては其の携帯したる物件を没収す

第百二十四条 選挙に関し多衆聚合し若は隊伍を組みて往来し又は煙火、松明の類を用ひ若は鐘皷、喇叭の類を鳴らし旗織其の他の標章を用ふる等気勢を張るの行為を為し警察官吏の制止を受くるも仍其の命に従はさる者は六月以下の禁錮又は三百円以下の罰金に処す

第百二十五条 演説又は新聞紙、雜誌、引札、帳札其の他何等の方法を以てするに拘らす第百十二条、第百十三条、第百十五条、第百十八条乃至第百二十二条及前条の罪を犯さしむる目的を以て人を煽動したる者は一年以下の禁錮又は五百円以下の罰金に処す但し新聞紙及雑誌に在りては仍其の編集人及実際編集を担当したる者を罰す

第百二十六条 演説又は新聞紙、雜誌、引札、張札其の他何等の方法を以てするに拘らす左の各号に掲くる行為を為したる者は二年以下の禁錮又は千円以下の罰金に処す新聞紙及雑誌に在りては前条但書の例に依る

一 当選を得又は得しむる目的を以て議員候補者の身分、職業又は経歴に関し虚偽の事項を公にしたるとき

二 当選を得しめさる目的を以て議員候補者に関し虛偽の事項を公にしたるとき

第百二十七条 選挙人に非さる者投票を為したるときは一年以下の禁錮又は五百円以下の罰金に処す

 氏名を詐称し其の他詐偽の方法を以て投票を為したる者は二年以下の禁錮又は千円以下の罰金に処す

 投票を偽造し又は其の数を増減したる者は三年以下の懲役若は禁錮又は二千円以下の罰金に処す

 選挙事務に関係ある官吏、吏員、立会人又は監視者前項の罪を犯したるときは五年以下の懲役若は禁錮又は二千円以下の罰金に処す

第百二十八条 立会人正当の事故なくして本法に定めたる義務を欠くときは百円以下の罰金に処す

第百二十九条 第九十六条若は第九十八条の規定に違反したる者又は第九十四条の規定に依る命令に従はさる者は一年以下の禁錮又は五百円以下の罰金に処す

第百三十条 第九十条第一項第二項の規定に依る定数を超え若は第九十一条の規定に違反して選挙事務所を設置したる者又は第九十二条の規定に違反して休憩所其の他之に類似する設備を設けたる者は三百円以下の罰金に処す

 第九十三条の規定に依る定数を超えて選挙委員又は選挙事務員の選任を為したる者亦前項に同し

第百三十一条 第八十九条第一項、第九十九条又は第百九条の規定に違反したる者は六月以下の禁錮又は三百円以下の罰金に処す

第百三十二条 第八十八条第五項乃至第七項又は第八十九条第四項の届出を怠りたる者は百円以下の罰金に処す

 第百条の規定に依る命令に違反したる者亦前項に同し

第百三十三条 選挙事務長又は選挙事務長に代り其の職務を行ふ者第百二条第二項の規定に依り告示せられたる額を超え選挙運動の費用を支出し又は第百一条第一項但書の規定に依る承諾を与へて支出せしめたるときは一年以下の禁錮又は五百円以下の罰金に処す

第百三十四条 第百一条の規定に違反して選挙運動の費用を支出したる者は一年以下の禁錮に処す

第百三十五条 左の各号に掲くる行為を為したる者は六月以下の禁錮又は三百円以下の罰金に処す

一 第百五条の規定に違反して帳簿を備へす又は帳簿に記載を為さす若は之に虚偽の記入を為したるとき

二 第百六条第一項の届出を怠り又は虛偽の届出を為したるとき

三 第百七条第一項の規定に違反して帳簿又は書類を保存せさるとき

四 第百七条第一項の規定に依り保存すへき帳簿又は書類に虚偽の記入を為したるとき

五 第百八条の規定に依る帳簿若は書類の提出若は検査を拒み若は之を妨け又は説明の求に応せさるとき

第百三十六条 当選人其の選挙に関し本章に掲くる罪を犯し刑に処せられたるときは其の当選を無効とす選挙事務長第百十二条又は第百十三条の罪を犯し刑に処せられたるとき亦同し但し選挙事務長の選任及監督に付相当の注意を為したるときは此の限に在らす

第百三十七条 本章に掲くる罪を犯したる者にして罰金の刑に処せられたる者に在りては其の裁判確定の後五年間、禁錮以上の刑に処せられたる者に在りては其の裁判確定の後刑の執行を終る迄又は刑の時効に因る場合を除くの外刑の執行の免除を受くる迄の間及其の後五年間衆議院議員及選挙に付本章の規定を準用する議会の議員の選挙権及被選挙権を有せす禁錮以上の刑に処せられたる者に付其の裁判確定の後刑の執行を受くることなきに至る迄の間亦同し

 前項に規定する者と雖情状に因り裁判所は刑の言渡と同時に前項の規定を適用せす又は其の期間を短縮する旨の宣告を為すことを得

 前二項の規定は第六条第五号の規定に該当する者には之を適用せす

第百三十八条 第百二十七条第三項及第四項の罪の時効は一年を経過するに因りて完成す

 前項に掲くる罪以外の本章の罪の時効は六月を経過するに因りて完成す但し犯人逃亡したるときは其の期間は一年とす

   第十三章 補則

第百三十九条 選挙に関する費用に付ては勅令を以て之を定む

第百四十条 議員候補者又は推薦届出者は勅令の定むる所に依り其の選挙区内に在る選挙人に対し選挙運動の為にする通常郵便物を選挙人一人に付一通を限り無料を以て差出すことを得

 公立学校其の他勅令を以て定むる営造物の設備は勅令の定むる所に依り演説に依る選挙運動の為其の使用を許可すへし

第百四十一条 選挙に関する訴訟に付ては本法に規定したるものを除くの外民事訴訟の例に依る

 選挙に関する訴訟に付ては裁判所は他の訴訟の順序に拘らす速に其の裁判を為すへし

第百四十二条 第十二章に掲くる罪に関する刑事訴訟に付ては上告裁判所は刑事訴訟法第四百二十二条第一項の期間に依らさることを得

第百四十三条 当選人其の選挙に関し第十二章に掲くる罪を犯し刑に処せられたるとき又は選挙事務長第百十二条若は第百十三条の罪を犯し刑に処せられたるときは裁判所の長は其の旨を内務大臣及関係地方長官に通知すへし

第百四十四条 町村組合にして町村の事務の全部又は役場事務を共同処理するものは本法の適用に付ては之を一町村、其の組合管理者は之を町村長、其の組合役場は之を町村役場と看做す

第百四十五条 郡長を置かさる地に於ては本法中郡に関する規定は島司又は北海道庁支庁長の管轄区域に、郡長に関する規定は島司又は北海道庁支庁長に、郡役所に関する規定は島庁又は北海道庁支庁に之を適用す

 市制第六条の市に於ては本法中市に関する規定は区に、市長に関する規定は区長に、市役所に関する規定は区役所に之を適用す

 町村制を施行せさる地に於ては本法中町村に関する規定は町村に準すへきものに、町村長に関する規定は町村長に準すへき者に、町村役場に関する規定は町村役場に準すへきものに之を適用す

第百四十六条 交通至難の島嶼其の他の地に於て本法の規定を適用し難き事項に付ては勅令を以て特別の規定を設くることを得

第百四十七条 第三十三条の規定に依る投票に付ては其の投票を管理すへき者は之を投票管理者、其の投票を記載すへき場所は之を投票所、其の投票に立会ふへき者は之を投票立会人と看做し第十二章の規定を適用す

第百四十八条 本法の適用に付ては明治十三年第三十六号布告刑法の重罪の刑に処せられたる者は之を六年の懲役又は禁錮以上の刑に処せられたる者、同法の禁錮の刑に処せられたる者は之を六年未満の懲役又は禁錮の刑に処せられたる者と看做す

第百四十九条 明治十三年第三十六号布告刑法第二編第四章第九節の規定は衆議院議員の選挙に関しては之を適用せす

第百五十条 本法は東京府小笠原島竝北海道庁根室支庁管内占守郡、新知郡、得撫郡及色丹郡には当分の内之を施行せす

   附則

本法は次の総選挙より之を施行す

本法に依り初て議員を選挙する場合に於て第十八条の規定に依り難きときは勅命を以て別に総選挙の期日を定むることを得

前項の規定に依る総選挙に必要なる選挙人名簿に関し第十二条、第十三条、第十五条又は第十七条に規定する期日又は期間に依り難きときは勅令を以て別に其の期日又は期間を定む但し其の選挙人名簿は次の選挙人名簿確定迄其の効力を有す

(別表省略)

(Source:国立公文書館 御署名原本・大正十四年・法律第四七号・衆議院議員選挙法改正A03021545200)

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内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

下関条約 1895年04月17日

下関条約(口語訳、前文署名省略)  第一条 清国は朝鮮国の完全無欠なる独立自主の国であることを確認する。よって右独立自主を損害すべき朝鮮国より清国に対する貢献典礼等は将来全くこれを廃止する。  第二条 清国は左記の土地の主権並びに当該地方にある城塞、兵器製造所及び官有物を永遠に日本国に割譲する。  一 左の境界内にある奉天省南部の地    鴨緑江口より該江を遡り、安平河口に至り該河口より鳳凰城海城営口にわたり遼河口に至る折線以南の地、併せて前記の各城市を包含する。そして遼河を以って界とするところは該河の中央を以って境界とすることとする。    遼東湾東岸及び黄海北岸にあって奉天省に属する諸島嶼  二 台湾全島及びその付属諸島嶼  三 澎湖列島、即ち英国「グリニッジ」東経百十九度から百二十度まで及び北緯二十三度から二十四度までの間にある諸島嶼  第三条 前条に掲載し付属地図に示すところの境界線は、本条約批准交換後直ちに日清両国より各二名以上の境界画定委員を任命し、実地について確定するところあるべきものとする。そしてもし本条約に掲記するところの境界にして地形上又は施政上の点につき完全にならない場合には、当該境界画定委員はこれを更正することに任ずる。  第四条 清国は軍費賠償金として、庫平銀2憶両を日本国に支払うべきことを約する。右金額は都合8回に分け、初回及び2回には毎回5千万両を支払う。そして初回の払込は本条約批准交換後6か月以内に、次回の払込は本条約批准交換後12か月以内において行う。残りの金額は6箇年賦に分け、その1次は本条約批准交換後2年以内に、2次は本条約批准交換後3年以内に、3次は本条約批准交換後4年以内に、4次は本条約批准交換後5年以内に、5次は本条約批准交換後6年以内に、6次は本条約批准交換後7年以内に支払う。また、初回払込期日より以後未だ払込を終了しない額に対しては、毎年5%の利子を支払うべきものとする。 但し、清国は何時でも当該賠償金の全額あるいはその一部を前もって一時に支払うことができる。本条約批准交換後3年以内に当該賠償金の総額を完済するときは、すべての利子を免除する。もし2年半若しくは更に短期の利子を払い込んだときは、これを元金に編入する。  第五条 日本国へ割譲された地方の住民にして、割譲された地方の外に住居したいと希望する者には自由にその所...