スキップしてメイン コンテンツに移動

本裁判所の管轄権に関する申立に対するコミンズ・カー氏の回答 1946年04月29日

 本裁判所の管轄権に関する申立に対するコミンズ・カー氏の回答(ひらがな化、一部新字体化、不明文字あり)


  本裁判所ノ管轄権ニ關スル申立ニ對スルコミンズ・カー氏ノ囘答


 本申立は本裁判所の管轄権の全部を攻撃せむことを意味するものにあらず然れとも実際は本件起訴状の或訴因を削除せむとするの企画にして且本裁判所条令の或部分に対する攻撃なり右は全く「ポツダム」宣言及降伏文書の或辞句を狭義に解せむとする企図に起因するものなり右は此の基礎に於て至極容易に処理し得るものなり然れとも吾人は此の方式の近接に対し二の反対説を挙示せむとす

 其の一は本裁判所設立の特別宣言の第一条第一項に見るか如く戦争犯罪人を裁判に附することの連合国国家の権利は「ポツダム」宣言の諸条項並に之に合体せる爾余の文書に対する日本政府の降伏文書に依る同意にのみ基くものにあらさるなり之に反して如何なる国家若くは国家群も条約に依り自ら其の権利を禁したるにあらさる限り戦争犯罪人を機会を有するときは何時にても亦何処にても裁判に附することの固有の権利を有す

此の原則は従来屢打立てられ一九三一年出版のストウエル氏の国際法五百九十七乃至五百九十八頁の左記章句の中に遺憾なく要約せられあるなり

「総合に■会せる諸国家は国際法の総ての権利を有するものにして夫は恰も往昔各族の集会か立法、司法、行政の全権を有したるか如きものなり一般的且正則的には個人の処罰は夙に唱へられし如く犯罪人の国家に委ねらるるものにして其の国家の懈怠若くは法の適用に失敗あるときは代りて行為を為す国家は其の場合同様の刑罰規定を適用するものなり然しなから国際社会を諸国家の平和に対する処罰せられさる犯罪の不名誉及危険より保護することを必要とする異常なる場合に於ては会議の参加国は事後に於て犯罪を定義し裁判所を構成し且裁判への服従を強制することを得へし然れとも斯の如き手続に於ては国際法は各個人に対し最少限度の安全を保障し且彼は法の正当なる手続を享有することなくしては審理せられ有罪の判決を受け又刑罰を受くることなきことを要するものなることを常に想起すへきなり」

 第二の反対説は「ポツダム」宣言は連合国の意向に関して或条件を宣言書の形式に於て記載したりと雖も夫は第十三項に於て日本の全武裝兵力の無条件降伏を要求することを以て終れり

 一九四五年八月十日瑞西国代理公使に依り転送せられたる通牒の中に一の条件を挿入せむとする日本政府の企図は八月十一日即時拒否せられ且降伏文書自体の中に日本政府は辞句上無条件降伏を宣言せり

ポツダム宣言及他の文書に於ける意向の記載は現在十分に実施せられつヽあり亦今後も十分に実施せらるへし然れとも右は吾人の譲歩に於て此等被告人に対し如何なる権利をも附与することを得す又彼等をして本裁判所条例に対し如何なる攻撃をも開始せしむること能はす

 次に「ポツダム」宜言に関する本申立の第一条に按ずるに右は第十項の「戦争犯罪人」なる語に対し狭義の意義を与へ「通例の戦争犯罪」として本裁判所条例第五条(ロ)に記載せられしものに制限し、之を解釈せむとする企図の上に根拠を有するものの如し然れとも「ポツダム」宣言第十項は戦争犯罪人の完全なる定義を含む趣旨に非ずを他に多くの余地の存する如く連合国の為めに行動する最高指揮官の次々に発出する命令に依り拡張せらるへき余地を存するものなること明白なり

右は一九四五年八月十一日の文書の第三項「降伏の瞬間より国家を統知すへき天皇及日本政府の統治権は降伏条件を遂行する為め適当と認める手段を取らむとする連合国最高指揮官に服従すへきものなり」に依り明瞭にされあり

右の文章は降伏文書自体の最後の項に再ひ上記の言葉通り記載あるなり然も尙 「峻厳なる裁判が我が俘虜に対し惨虐行為を加へたる者を含め総ての戦争犯罪人に対して課せらるへし」との特定の語が正確に読まるヽ時ポツダム宣言第十項は通例の戦争犯罪として規定せられたるもの以外の犯罪が合まるヽものなることを明瞭になしおれり

 本申立は「一九四五年七月当時の一般の概念に従へば戦争犯罪人とは戦争の開始以後戦争法規及戦争慣例を侵害したる者を意味し其れ以前の国際法及慣例に依り処罰せらるへき者を意味する」と主張す「戦争犯罪人」なる表現が此の特殊の範疇に制限せられおりたる旨の明示若は黙示に対しては何等の保障あるものに非すベルサイユ条約以前に於ては此の点明瞭ならさりしとするも同条約第二百二十七条は之を明暸にせり同条約第二百二十七条は次の如し

  「連合国及協商国は国際道徳及条約の神聖に対する最高の犯罪に因り元独逸国皇帝ホーヘンツオーレン家のウイリヤム二世の犯罪認否を公に請求するものなり

  特殊の裁判所が被告人を審問する為め構成せらるへし仍て防御権に必須なる保障が被告人に与へらるへし裁判所は次の各国即ちアメリカ合衆国、大不列顛国、仏蘭西国、伊太利国、日本国より各一名つヽ任命せられたる五名の判事に依り組織せらるへし

  其の判決に於ては裁判所は国際的契約の厳粛なる義務と国際的道徳の有効性を擁護せむか為め国際的政策の最高の動機に因り指導せらるへし裁判所は課せらるへきものと思料する刑罰を定むることを其の任務となす

  連合国及協商国は前皇帝を審問に附する為め其の引渡を和蘭国政府に要求するものとす」

 本条約は第一次世界大戦の主要戦勝国の一員にして現在は敗者たる日本国他に伊太利国並に当時も亦現在も敗者たる独逸国並に本件起訴状に記載せられたる当時及現在の戦勝国たる左記諸国を含む二十八ケ国に依り署名せられたり即ち亜米利加合衆国 (当時は比律賓諸島を合せ代表せしが今回は別個に代表せらる) 大英帝国 (濠洲連邦、加奈陀、新蘭土及印度を含めしか今回は各別に代表せらる)仏蘭西国及支那国並に本件起訴状に記載しある葡萄牙、遏羅並に当時も現在も戦勝連合国側の其の他の国家にして玆に代表せられさるものに依り署名せられたり

右は日本国を含む前記二十八ケ国の中二十四ケ国に依り批准せられたり亜米利加合衆国は条約の第一章を構成せる国際連盟規約に対して同国に発展せる見解の変更に因り批准せさりき

 カイゼルの裁判は既に和蘭国へ亡命し且同国より前記の罪状により送還せしめ得る条約無かりし為め実現せさりき

 私か既に引用したるストウエル氏の章句は更に次の如く継続す

  「国際社会の為めに行動する戦勝連合国は其の意志によりてはカイゼルを一九一四年八月の出来事に於ける個人的責任に対し審理するの権利を有したり然るに連合国は政治家による裁判所を任命し且カイゼルか自巳の防御の為めに要求することあるへかりし書類を其の記録保存所より提出することを彼に拒否するの権利を有せさりき

輿論の現状に於てはカイゼルの審理に関し条約の規定を遂行する何等の企図も恐らく見られすと謂ふも可なり然れとも社会を保護し且予め定義することを得さる犯罪を処制せむか為めに個人責任の原則を持するの要あり

 本件に於ては一国の元首を審理することの妥当注に付きカイゼルの場合に於て多少の論争を惹き起せし問題は発生せす吾人か審理に附せむとする被告人等は日本に於て吾人か期して立証せむとするか如く吾人か訴追しつヽある平和に対する犯罪を犯すに有効なる力を行使せり

原則は明に定められたり前例は日本を含む以上数の国家に依りて確立せられ且確認せられたり

 然れとも右は理論上新奇なるものにあらす本申立自体か認むるか如く戦争の法規及慣習に対する侵犯者を審理処罰する交戦国の権利は夙に多年普遍的に認められ来れり実際に於ては右は単に条約に於て部分的に神聖化せられたる国際法の違反に基くものなり右原則は其の他本裁判所条例第五条(イ)並に本件起訴状第一類の訴因に包含せられたるか如き国際法及条約の違反に適用せられたるときは同然なり

 特殊事例として取れは宣戦布告若くは最後通牒無くして敵対行動を開始せる場合あり此れは一九〇七年の「ヘーグ」条約第三条に於て始めて条約に依り取扱はれたるものなり ストウエル は此の事情を四百五十二頁に於て次の如く要約しあり

 「意図の警告、国際的安全及信義の尊重は表面友好的にして且相互に信頼せる平和関係をは適時の通告を構成するに足る警告無くして妨害せらるへからさる事を要す此れは常に凡ゆる民族間に於て掟と成り来りしものヽ如し此の掟の根本的目的は背信及其れに対する恐怖を防止せんか為にして此の背信は平和を殆んと戦争よりも更に悪質なる危険性のものたらしむるか如きものなり原始民族間に於ては一般的に又欧州国家間に於ては比較的近年に到る迄戦争手段は形式上の通告若くは宣言に先行せられたり然れとも更に最近の戦争に於て敵対行動の手段か形式上の及事前の宣言無くして発生せる実例あり

  一九〇四年に日本か不信にも ロシア艦隊 を攻擊したる為非難を受けたるは斯の如き明示的通告無かりし事に因るなり此処に問題と成れる論争の是非は峻烈有能なる法律家達に依り論議せられたり日本自らも将来起り得へき何等か此の種の論争を避くるを望ましき事と認めたりされは一九○七年十月十八日の「へーグ」条約(第三次)の敵対行動開始に関する件の採択に同意せり之れは其の目的を述へたる前文に於て調印国の声明せる「平和関係の維持を確実ならしむる為敵対行動は事前の通告無くして開始すへからさる事の重要なる事」

  「戦争状態の存在は遅滞なく中立国に通報せらるへき事の等した重要なる事に鑑み」

  「此の趣旨に副ふ条約の締結を希望せるか故に以下の者を全権委員として任命したり‥‥」

と宣言せり 然して此の目的の声明の実現に当り本条約は次の条項を包含す

  「第一条 締約国は理由を附せる宣戦布告条件的宣戦布告を附せる最後通牒の孰れかの形式を有する事前の且明示的通告無くして相互間の敵対行動は開始すへからさる事を認む」 

本件起訴状第一類及第二類に於て違反せりと主張せられある他の諸条約の中最も重要なるものは一九〇七年若くは其れ以後に締結せられたる条約なり此等の多数は一九一九年以後に締結せられたり

 故に本起訴の謂はむとする所は「ベルサイユ」条約第二百二十七条は新主題に関するものなるも既に充分に確立せられたる原則に対して単に効力を与へたるものにして其の当時有効なりし条約の侵犯の為めに最高級の個人の責任に対し他の諸国と共に日本国に依り其の当時適用せられたる同し原則か其の時以来実施せられたる諸条約の侵犯に対しても等しく適用し得るものなることなり

被告の主張の不条理なることは人道に対する罪並に戦争開始時及其の遂行中行はれたる戦鬪員及非職国員に対する殺人の罪に関する裁判に対する反対を含むに到りたることに注目する時は極めて明かなり一九〇七年の第四次「へーグ」条約は俘虜に対して犯されたる犯罪のみならず敵対行動に於て犯されたる犯罪及占領地域内の地方住民に対して犯されたる犯罪をも取扱ふ敵対行動の発端に於ける殺人の訴追に関しては現在は恐らく此の問題に関して法廷に提出を予想せらるヽ議論を重する場合に非す其の根拠は殺人罪か法的正当性を有せすして人間を故意に殺害することに存すと謂ふに在り有り得へき斯くの如き殺人に対する他の法的正当性の中には合法的交戦権即ち合法的戦争の過程に於て戦争法規に依り禁せられさる方法及状況に於て兵士か敵を殺害する権利なるものあり吾人の証拠か与へられたる際訴追せられたる事件に於ては斯様な正当性は存在せさりしことを主張すへし或る事件に於ては敵対行動か無警告にて始められたるか故に或る事件に於ては其等か侵略を禁しある他の条約に違反したるか故に他の事件に於ては其等か戦闘員及非戦鬪員の双方に対する不法なる行為を含む戦争法規及慣習に反せるか故に

 本件起訴状に於ては阿片及其の他の麻酔薬の使用を本来の戦争犯罪として訴追せる訴因なし右は不法なる戦争の遂行の為の手段の一つとして主張せられあるのみ

 此等の訴因に基き有罪判決を受けむか為には吾人は法律及事実の双方に関する提案を処理せさるへからす然れとも本裁判所か殺人の訴追を審理する管轄権即ち明かに本条例に依り附与せられたる管轄権を有せすと提議するか如きは吾人の本件起訴に当り不条理も甚しきものなり

 戦争法規を取扱ひたる或特定の国係条約か其れに対する侵犯を罰すへきなりと特定せすと謂ふ事実は戦争犯罪たる其の侵犯に対する処罰を除外するものにあらす

 戦争犯罪を処罰する慣習は或る法律か条約の形式に現されたるより遙か以前に慣習法の一部と成り来れり一八六四年の赤十字条約より一九二九年の「ジュネーブ」条約に到る国際条約は其の条規を侵犯するに当り犯されたる戦争犯罪の処罰に対する条規を包含せす其等か戦争犯罪に迄達したる時には侵犯を罰すと謂ふ先行慣習より逸脱せむとする意図なかりし以上に明なるものなかりき

 此等の条約の最初のものより以前の慣習法は一八六三年四月二十四日のリーバーの一般命令第百号四十四項目中に記載しあり即ち「被侵略国の人々に行はれたる一切の放逸なる暴行権威ある将校の指揮に依らさる一切の財産の破壞一切の強盜掠奪若しくは劫掠・・・・・斯る住民に対する一切の強姦傷害不具者となす事或ひは殺人行為は死刑又は其悪行の重大性に相当なりと思料せらるる他の峻厳なる刑罰の下に察せらる」

 刑罰の実行は今日に至る迄継続せられたり国際条約中に戦争主要法規の記載か行はれ始めしより以来斯の種数千の事件か軍事裁判所に依り審理せられたり此の数千の軍事裁判に加ふるに 「ライプチツヒ」裁判なるものは一九〇七年の病院船条約及ひ「へーグ」条約の孰れにも其の条項の侵犯に対し殊更に制裁を規定する事無きも此等条約の侵犯を行ひたる戦争犯罪に対する裁判及ひ刑罰の熟知の例なり

 「エクス・バルテ・キーリン」事件(二九一・U・S)に於て裁判長ストーンは確定せる法として軍事法廷は個人に対し刑罰を課するの権力を有する事及ひ軍事法廷は「へーグ」条約中に指定せられたる違犯及ひ類似の違反に対し実施目的を達するに充分なる余地を与ふへく実行する裁判権を有する事を認めたり

 されは吾人かそれに準拠し又それを附録B中に記載せる其条約中に違反に付き責任を負ふへき個人に対する法的結果に関して何等の記載無き事は重要なるものに非す吾人の本件起訴に当り斯様な条約の違反の結果は通例の戦争犯罪を取扱ふ場合に於て確立せる法則に依りて示されたるものと全く同様なり条約或ひは条約か敷衍せる国際法を犯せる者は全て平等に戦争犯罪人にして其の犯行の軽重に従ひて罰せらるへきなり

 本条例は本裁判所か拘束せらるる原則を規定し且其の規定に当りては周知の国際法に従ふものなり

 申立の第二点は二つに分たる第一は「ポツダム」宣言及ひ降伏文書の目的は当時存在せる日本国と連合国間の戦争状態を終了せしむるに在りとし次に訴因第二に於て支那国に対し訴因第二十五、第二十六、第三十五、第三十六、第五十一及ひ第五十二に於てソビエツト社会主義共和国連邦に対し犯したりと主張せられたる犯罪を裁判に附するは之等か過去に於て日を異にして行はれたるか故に本裁判所の管轄に所属するものに非すと主張するものなり

 然れとも此の論点には二の誤謬あり第一は降伏文書は戦争を終結せしめたるものに非す単に敵対行為を終了せしめたるに過きす一種の戦争か軍事占領の形式にて継続しつヽありその終了は将来に係るものなり第二の誤謬は降伏文書は特定の日に開始せられたる戦争に起因する事項のみに関するものとなす点に在り支那国に関する限り之れは「カイロ」宣言を包含したる「ポツダム」宣言第八項に明かなり「カイロ」宣言は訴因第二に関するものをも含め日本国か支那国より奪取せる領土は奪取の日時若くは一九一四年に遡る凡ゆる事件を顧慮する事無く支那共和国に返還さるへき旨を明示せり其は亦朝鮮の自由にも関係を有す日本国の支那国に対する戦争か一九三一年九月十八日より継続せるものと考へらるへきか将又一九三七年七月七日新に開始せられたるものと認むへきかは本裁判所か其の事実に付き確定するの要あるやも測られさる事に属す本件起訴状は本裁判所をして此の問題に関し上記の見解の内孰れに確定するも実施することを得せしむる為め明瞭なる訴因(第二及第三、 第十八及第十九、 第二十七及第二十八)を具備し居れり吾人の本件起訴に於て本裁判所か(吾人か為さむとする主張に反して)此等の戦争か各別異なる戦争なりと思考せらるへきものと為すの見解を万一採用することありとするも本裁判所条例降伏条件若くは「ポツダム」宣言には之等戦争の孰れかに関係せる被告人等の何人かによりて犯されたる犯罪に関する管轄権を行使することを妨くる何物もなし

 同趣のことは前述の各訴因に主張せられたるソビエツト社会主義共和国連邦に対し為されたる犯罪に付きても日時に関する右と同様な論拠を有する限り前述と同様に該当するものなり然れとも此等の訴因に対する異議は問題の事項それは他の附帯事情と共に当然証拠の主題と為るへきにも拘らす却つて被告側主張の或る種の状契により既に解決したりと為す更なる論争にも基くものヽ如く見ゆ此れは被告人か其の事件を主張する際に提出することを得る事項なり

 若し本裁判所か第二点に付き提起せられたる論争の執れを採るへきかの判断を証拠調への終了後迄延期せむことを可なりと思考するに於ては本検事局は斯る処置に反対するものに非す

 第三点は既に論議せられたる「ポツダム」宣言並に降伏文書の意義及目的に関する論議の再言に始まれり本論点は続いて一九四五年七月二十六日に日本国と交戦状態に在らさりし如何なる国家又は此等文書に記載せられたる連合国の一員にあらさりし如何なる国家に対しても犯罪か行はれたりとの訴追を為すことを得すと提言し更に之を対泰国(遏羅国)関係に迄も及ほし訴因第四、第十六第二十四及ひ第三十四に適用せむと求むるものなり

(Source:国立公文書館 A08071274100)

コメント

このブログの人気の投稿

徴兵の詔(徴兵令詔書及ヒ徴兵告諭) 1872年12月28日

徴兵令詔書及び徴兵告諭(口語訳)  今回、全国募兵の件に付き、別紙の詔書の通り徴兵令が仰せ出され、その定めるところの条々、各々天皇の趣意を戴き、下々の者に至るまで遺漏なきように公布しなさい。全体として詳細は陸軍・海軍両省と打ち合わせをしなさい。この趣旨を通達する。  ただし、徴兵令および徴募期限については追って通達するべきものとする。 (別紙) 詔書の写し   私(明治天皇)が考えるに、往昔は郡県の制度により、全国の壮年の男子を募って、軍団を設置し、それによって国家を守ることは、もとより武士・農民の区別がなかった。中世以降、兵は武士に限られるようになり、兵農分離が始まって、ついに封建制度を形成するようになる。明治維新は、実に2千有余年来の一大変革であった。この際にあたり、海軍・陸軍の兵制もまた時節に従って、変更しないわけにはいかない。今日本の往昔の兵制に基づいて、海外各国の兵制を斟酌し、全国から兵を徴集する法律を定め、国家を守る基本を確立しようと思う。おまえたち、多くのあらゆる役人は手厚く、私(明治天皇)の意志を体して、広くこれを全国に説き聞かせなさい。 明治5年(壬申)11月28日  わが国古代の兵制では、国をあげて兵士とならなかったものはいなかった。有事の際は、天皇が元帥となり、青年壮年兵役に耐えられる者を募り、敵を征服すれば兵役を解き、帰郷すれば農工商人となった。もとより後世のように両刀を帯びて武士と称し、傍若無人で働かずに生活をし、甚だしい時には人を殺しても、お上が罪を問わないというようなことはなかった。  そもそも、神武天皇は珍彦を葛城の国造に任命し、以後軍団を設け衛士・防人の制度を始めて、神亀天平の時代に六府二鎮を設けて備えがなったのである。保元の乱・平治の乱以後、朝廷の軍規が緩み、軍事権は武士の手に落ち、国は封建制の時代となって、人は兵農分離とされた。さらに後世になって、朝廷の権威は失墜し、その弊害はあえていうべきものもなく甚だしいものとなった。  ところが、明治維新で諸藩が領土を朝廷に返還し、1871年(明治4)になって以前の郡県制に戻った。世襲で働かずに生活していた武士は、俸禄を減らし、刀剣を腰からはずすことを許し、士農工商の四民にようやく自由の権利を持たせようとしている。これは上下の身分差をなくし、人権を平等にしようとする方法で、とりもな...

日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

下関条約 1895年04月17日

下関条約(口語訳、前文署名省略)  第一条 清国は朝鮮国の完全無欠なる独立自主の国であることを確認する。よって右独立自主を損害すべき朝鮮国より清国に対する貢献典礼等は将来全くこれを廃止する。  第二条 清国は左記の土地の主権並びに当該地方にある城塞、兵器製造所及び官有物を永遠に日本国に割譲する。  一 左の境界内にある奉天省南部の地    鴨緑江口より該江を遡り、安平河口に至り該河口より鳳凰城海城営口にわたり遼河口に至る折線以南の地、併せて前記の各城市を包含する。そして遼河を以って界とするところは該河の中央を以って境界とすることとする。    遼東湾東岸及び黄海北岸にあって奉天省に属する諸島嶼  二 台湾全島及びその付属諸島嶼  三 澎湖列島、即ち英国「グリニッジ」東経百十九度から百二十度まで及び北緯二十三度から二十四度までの間にある諸島嶼  第三条 前条に掲載し付属地図に示すところの境界線は、本条約批准交換後直ちに日清両国より各二名以上の境界画定委員を任命し、実地について確定するところあるべきものとする。そしてもし本条約に掲記するところの境界にして地形上又は施政上の点につき完全にならない場合には、当該境界画定委員はこれを更正することに任ずる。  第四条 清国は軍費賠償金として、庫平銀2憶両を日本国に支払うべきことを約する。右金額は都合8回に分け、初回及び2回には毎回5千万両を支払う。そして初回の払込は本条約批准交換後6か月以内に、次回の払込は本条約批准交換後12か月以内において行う。残りの金額は6箇年賦に分け、その1次は本条約批准交換後2年以内に、2次は本条約批准交換後3年以内に、3次は本条約批准交換後4年以内に、4次は本条約批准交換後5年以内に、5次は本条約批准交換後6年以内に、6次は本条約批准交換後7年以内に支払う。また、初回払込期日より以後未だ払込を終了しない額に対しては、毎年5%の利子を支払うべきものとする。 但し、清国は何時でも当該賠償金の全額あるいはその一部を前もって一時に支払うことができる。本条約批准交換後3年以内に当該賠償金の総額を完済するときは、すべての利子を免除する。もし2年半若しくは更に短期の利子を払い込んだときは、これを元金に編入する。  第五条 日本国へ割譲された地方の住民にして、割譲された地方の外に住居したいと希望する者には自由にその所...