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会社経理応急措置法 1946年08月15日

 会社経理応急措置法(一部新字体化、一部省略)

法律第七号

   会社経理應急措置法

第一条 この法律で特別経理会社とは、左に掲げる会社(金融機関経理応急措置法第二十七条第一号に掲げる金融機関及び昭和二十年大蔵・外務・内務・司法省令第一号第一条に規定する指定機関を除く。以下同じ。)をいふ。

一 昭和二十一年八月十一日午前零時(以下指定時といふ。)において、戦後補償金等の交付を受け、若しくはその交付を受ける権利を有し、又は在外資産を有する資本金(出資総額、株金総額又は出資総額及び株金総額の合計額をいふ。以下同じ。)二十万円以上の会社。

 但し、主務大臣の指定する会社及び戦時補償金等の交付を受けた金額又は会社の貸借対照表の資産の部に計上した戦時補償金等の請求権及び在外資産の合計額が、指定時現在において、命令の定めるところにより計算した積立金の額及び財産目録に記載した動産、不動産、債権その他の財産の指定時における価額(株式会社、株式合資会社又は有限会社の営業用の固定財産及び取引所の相場のある有価証券については、商法第二百八十五条又は同法第四百五十八条第二項若しくは有限会社法第四十六条第一項において準用する商法第二百八十五条に定める価額を超えることができない。)が、当該財産目録に記載した価額を超える場合におけるその超過額の合計額を超えず、且つ債務超過又は支払不能に陥る虞のない会社であって、主務大臣の認可を受けたものを除く。

二 左の各号の一に該当する会社であって、主務大臣の指定を受けたもの

イ 戦時補償金等の交付を受け、若しくはその交付を受ける権利を有し、又は在外資産を有する会社であって、指定時において資本金二十万円未満のもの

ロ この法律施行後、債権の取立が著しく困難となったことその他の事由により、会社の資産の価額が減少したため、債務超過又は支払不能に陥る虞のある会社

ハ その所有する株式、出資証券又は社債の価額が、この法律施行後、著しく下落し、又はこれを処分することが困難となったため、債務超過又は支払不能に陥る虞のある会社

 前項第一号但書の規定によって、主務大臣の認可を受けようとする会社は、命令の定めるところにより、この法律施行後二箇月以内に、文書を以て、主務大臣にその旨を申請しなければならない。

 第一項第二号の指定を受けようとする会社は、命令の定めるところにより、この法律施行後二箇月以内に、文書を以て、主務大臣にその旨を申請しなければならない。

 特別の事由があると認められる場合においては、主務大臣は、前二項の期間経過後にされた申請についても、認可又は指定をすることができる。

 主務大臣は、第一項第一号但書の指定若しくは認可又は同項第二号の指定をしたときには、直ちにその旨を告示する。

 資本金二十万円以上の会社であって、戦時補償金等の交付を受けたことがなく、若しくはその交付を受ける権利を有せず、又は在外資産を有しないものは、この法律施行の日から三週間以内に、特別経理会社でない旨を主務大臣に届け出るとともに、その旨を公告しなければならない。

第二条 前条第一項第一号但書に該当する会社が、同条第二項の規定による認可の申請をしない場合には、当該会社に対し、指定時において払込株金額若しくは払込出資金額の十分の一以上に当る債権を有する者、指定時において出資金額が資本金の十分の一以上に当る社員又は指定時において資本金の十分の一以上に当る株式を有する株主は、同項の期間経過後二十日以内に、会社に対して、同項の申請をするべき旨を請求することができる。

 前項の規定は、前条第一項第二号イ乃至ハに該当する会社が、同条第三項の規定による指定を申請しない場合に、これを準用する。

 前二項の請求があった場合には、会社は、直ちに前条第二項又は第三項の規定に準じて、認可又は指定の申請をしなければならない。

第三条 会社は、第一条第一項第一号但書の指定若しくは認可又は同項第二号の指定を受けたときには、本店の所在地においては二週間以内に、支店の所在地においては三週間以内に、登記をしなければならない。

 第一条第六項の会社は、この法律施行の日から、本店の所在地においては二週間以内に、支店の所在地においては三週間以内に、特別経理会社でない旨の登記をしなければならない。

第四条 指定時以前の原因に基いて生じた第一条第一項第二号の指定を受けた会社に対する債権について、指定時から同号の指定のあるまでにされた弁済その他債権を消滅させる行為(免除を除く。)は、これを無効とする。但し、第十四条第一項但書に規定する債権については、この限りでない。

 前項の規定は第三者の権利を害することができない。

 第一項の会社が、指定時から第一条第一項第二号の指定のあるまでにした不動産又は重要な財産の譲渡は、これを無効とする。

 前項の場合において、譲受人の権利は、指定時以前の原因に基いて生じた債権とみなす。

第五条 特別経理会社は、遅滞なく、指定時現在における財産目録、貸借対照表、動産、不動産、債権その他の財産及び債務に関する明細書並びに指定時を含む事業年度開始の日から指定時に至るまでの損益計算書を作成しなければならない。

第六条 特別経理会社に特別管理人を置く。

第七条 特別経理会社には、指定時において、新勘定及び旧勘定を設ける。

 特別経理会社の第五条の財産目録に記載した動産、不動産、債権その他の財産(以下会社財産といふ。)は、命令の定めるところにより、会社の目的たる現に行っている事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要なものを、指定時において、新勘定に所属せしめ、新勘定に所属せしめた会社財産以外の会社財産を、指定時において、旧勘定に所属せしめる。

 前項の規定によって新勘定に所属せしめる会社財産の範囲は、命令の定めるところにより、特別管理人がこれを決定する。

 指定時後、会社の計算は、新勘定と旧勘定とに区分経理しなければならない。

 第二項の規定によって新勘定に所属せしむべき会社財産を有しない会社及び清算又は破産手続中の会社には、第一項の規定にかかはらず、旧勘定のみを設ける。

 第一項乃至第四項の規定は、前項の会社において、新勘定及旧勘定を設ける必要が生じ、特別管理人の決定があった場合に、これを準用する。

 旧勘定に所属する会社財産のうちで、あらたに新勘定に所属せしめることを必要とするものを生じたときには、特別管理人の決定に基いて、これを新勘定に振り替へることができる。この場合においては、当該会社財産は、新勘定に振り替へられた日において、新勘定に所属せしめられたものとする。

 特別経理会社は、新勘定旧勘定毎に、帳簿を作成し、前各項の規定によって、新勘定又は旧勘定に所属する会社財産を明確にしなければならない。

第八条 特別経理会社は、前条第三項の決定に基いて、新勘定旧勘定毎に、会社財産の明細書を作成し、命令の定めるところにより、特別管理人の承認を受けなければならない。

 前項の規定によって、特別管理人の承認を受けた旧勘定に所属する会社財産の明細書は、特別管理人の承認を受けた日から二週間以内に、公証人の認証を受けなければならない。

 特別の事由があるときには、主務大臣は、特別経理会社の申請により、前項の期間を延長することができる。

 第二項の認証を受けなければ、前条第三項の決定は、その効力を生じない。

 前条第七項の規定によって、新勘定及び旧勘定に所属する会社財産に変更のあった場合においては、旧勘定から新勘定に振り替へられた会社財産について、前四項の規定を準用する。

 特別経理会社は、旧勘定に所属する会社財産であって、登記又は登録のあるものについては、旧勘定に所属する旨の登記又は登録をしなければ、旧勘定に所属することを以て第三者に対抗することができない。

 前項の規定の適用を受けない特別経理会社の財産であって、新勘定又は旧勘定のいづれに属するか分明でないものは、新勘定に所属するものと推定する。

 前七項の規定は、旧勘定のみを設ける会社に対しては、これを適用しない。

第九条 (以下、第十一条まで帳簿等記載方法の規定のため省略)

第十条 

第十一条 

第十二条 指定時以前の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(以下旧債権といふ。)の先取特権、質権又は抵当権であって、新勘定に所属する会社財産の上に存するものは、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめた日に、当該会社財産につき消滅する。

 新勘定に所属する会社財産が、鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属している場合には、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめる日において、当該財団から除かれ、当該財団に属さないことになったものとする。

 特別経理会社の新旧勘定併合の時から、第一項の債権の先取特権、質権又は抵当権は、同項の財産について消滅せず、及び第二項の財産は、当該財団から除かれなかつたものとみなす。但し、第一項の規定によつて、これらの権利が消滅した後、当該会社財産について、これらの権利の行使を妨げる担保権が生じた場合又は当該会社財産が当該会社以外の者の所有に帰した場合においては、この限りでない。

 前項但書の場合においては、 当該会社は、法令の定めるところにより、同項の債権を有する者が、当該会社からその債権の弁済を受げることができる金額を供託しなければならない。

 前項の債権を有する者は 前項の供託金に対して、先取特権、質権又は抵当権を有する者として、その権利を行ふことができる。

第十三条 指定時後の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(旧勘定に所属する財産の管理のために生じた債権を除く。以下新債権といふ。)については、旧勘定に所属する財産に対して、強制執行、仮差押又は仮処分をすることができない。

第十四条 旧債権(命令で定める債権を含む。)については、弁済をなし、又は弁済を受けその他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。但し、金銭その他物若しくは有価証券の引渡を目的とする債権以外の債権又は金銭以外の物の引渡を目的とする債権であつて、その給付が特別経理会社の現に行っている通常の業務に属し、且つ新勘定の計算において履行できるもの竝びに左に揭げるものについては、この限りでない。

一 国又は都道府県その他の地方公共団体に対する公租公課その他命令で定めるこれに準ずる債権

二 指定時以前に確定した給料その他命令で定める定期的給与の債権

三 從業員の預かり金その他これに準ずる債権 (命令で定める制限を超えないものに限る。)

四 指定時以前に確定した退職金その他命令で定める臨時的給与の債権(命令で定める制限を超えないものに限る。)

五 会社の通常の業務の運営に伴ふ千円未満の債権

六 その他命令を以て定める債権

  特別経理会社は、前項各号に掲げる債権については、これを旧勘定から弁済することができない場合に限り、特別管理人の承認を受けて、第九条の規定によって設けた新勘定の貸借対照表の負債の部の未整理支払勘定に計上した金額の限度において、これを新勘定から弁済することができる。

  旧勘定に所属する財産の管理のために生じた債権についても前項と同様である。但し、この場合においては、命令の定めるところにより、主務大臣の承認を受けなければならない。

  第一項第二号乃至第六号の債権及び前項の債権については、新勘定に所属する財産に対して、強制執行、仮差押又は仮処分をすることができない。

  第二項及び第三項の場合においては、新勘定から弁済した金額と同じ金額を、旧勘定の貸借対照表の資産の部の未整理受取勘定に計上した金額及び新勘定の貸借対照表の負債の部の米整理支払勘定に計上した金額から、夫〻滅額しなければならない。

第十五条 特別経理会社については、 破産の宣告をすることができない。

  特別経理会社の解散、合併、組織変更又は資本(出資金を含む。)の増加若しくは減少に関する総社員の同意、株主総会の決議又は社員総会の決議は、その効力を生じない。但し、特別の事由により主務大臣の承認を受けた場合においては、この限りでない。

  特別経理会社になったものの財産に対し、既にされた強制執行、仮差押若しくは仮処分又は競売法による競売手続は、その会社が特別経理会社である間、これを中止する。但し、その財産が新勘定に所属することとなったときには、これらの手続は、この法律の適用の限度において、その効力を失ふ。

第十六条 特別経理会社は、会社の事業年度毎に、新勘定旧勘定各別に、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない。

  商法中財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関する規定は、前項に掲げる書類に、これを準用する。

  新勘定において生じた各事業年度の利益金額及び損失金額は、新勘定において次の事業年度に繰り越さなければならない。

  他の法令又は定款の定にかかはらず、特別経理会社の指定時を含む事業年度は、指定時に終了するものとし、これに続く期間は、次期の事業年度に属するものとする。

  指定時に終了する事業年度において生じた利益は、他の法令又は定款の定にかかはらず、これを積み立てなければならない。

第十七条 特別経理会社は、命令で定める場合を除くの外、取締役その他当該会社の業務を執行する役員のうちから二人及び当該会社の旧債権を有する者(法人である場合においては、その代表者)のうちから二人の特別管理人を選任しなければならない。

  前項の特別管理人の選任につき、時期、方法その他必要な事項は、命令の定めるところによる。

  第一項の規定による最初の特別管理人の全員が選任されたときには、特別経理会社は、本店の所在地においては二週間以内に、支店の所在地においては三週間以内に、特別管理人の住所及び氏名竝びに当該会社との関係を登記しなければならない。

  商法第六十七条の規定は、 前項の登記にこれを準用する。

  特別経理会社は、特別管理人の選任があったときから二週間以内に、前二項の登記をしなければならない事項を、主務大臣に屆け出なければならない。

第十八条 特別管理人は、 主務大臣が、これを監督する。

  特別管理人の報酬その他特別管理人の職務に関し必要な事項は、命令で、これを定める。

第十九条 特別管理人が、第七条第三項の規定による会社財産の範囲の決定、第十四条第二項及び第三項の規定による弁済に対する承認、第二十一条第一項の規定による管理についての決定、第二十二条第一項の規定による処分に対する承認及び第二十三条第二項の規定による同意をするときには、その過半数を以て、これを決する。但し、可否の意見が同数の場合には、特別管理人の申請により、主務大臣がこれを裁定する。

第二十条 主務大臣は、特別管理人が法令又は主務大臣の命令に達反したとき、公益を害する行為をしたとき、又は特別管理人を不適当と認めるときには、これを解任することができる。

第二十一条 特別経理会社の業務を執行する役員は、旧勘定に所属する財産の処分、保全その他の管理について、特別管理人の決定するところに従はなければならない。

  特別管理人は、旧勘定に所属する財産の処分、保全その他の管理について、特別経理会社の業務を執行する役員を監督する。

第二十二条 特別経理会社は、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を譲渡し、貸与し又は質権若しくは抵当権の目的としようとするときには、命令で定める場合を除くの外、特別管理人(特別管理人の選任されていないときには主務大臣)の承認を受けなければならない。

  前項の規定は、第十四条第一項但書の規定の適用を妨げない。

  第一項の規定によって特別管理人の承認を受けないで、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を処分した場合においては、その処分は、これを無効とする。但し、その処分の無効は、これを以て善意の第三者に対抗することができない。

第二十三条 特別経理会社の株式を譲渡しようとする者は、当該会社に対して、承認を求めなければならない。

  前項の場合において、会社が承認しようとするときには、特別管理人の同意を得なければならない。商法第七十三条(同法第百四十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百五十四条又は有限会社法第十九条第一項の規定によって、持分の譲渡について承諾しようとするとき又は承諾の決議をしようとするときも同様である。

  第一項の規定による承認を受けずに行はれた株式の譲渡は、会社に対して、その効力を生じない。

第二十四条 特別経理会社の旧勘定に所属する債権については、第十四条第一項但書各号及び第二項後段に規定する債権を除き、その権利を行使できる日から一箇月以内は、時効が完成しない。

第二十五条 主務大臣は、必要があると認めるときには、特別経理会社に対して、監督上必要な命令をすることができる。

  主務大臣は、この法律の施行に関し、必要があると認めるときには、業務及び財産の状況に関して報告をさせ、又は当該官吏に帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

  主務大臣は、前項の規定によって、当該官吏に検査をさせるときには、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯させなければならない。

第二十六条 主務大臣は、この法律に定める職権の一部を、地方の官衙の長をして行はしめることができる。

第二十七条 主務大臣は、命令の定めるところにより、この法律の施行に関する事務の一部を日本銀行をして取り扱はせることができる。

第二十八条 (第三十六条まで、罰則関連規定のため省略)

第二十九条 

第三十条 

第三十一条 

第三十二条 

第三十三条 

第三十四条 

第三十五条 

第三十六条 

第三十七条 この法律のうち戦時補償金等及び在外資産の範囲については、命令でこれを定める。

第三十八条 特別経理会社が、特別経理会社となったときから、三箇月以内に、法令の定める企業に関する整備計画を主務大臣に提出しない場合その他法令の定める事由に該当する場合においては、当該会社に対して、この法律の適用は解除される。

  前項の規定による解除に関し、新勘定及び旧勘定の併合その他これに伴ふ必要な事項は、命令でこれを定める。

第三十九条 この法律のうち必要な規定は、命令の定めるところによって、特別経理会社以外のものに対し、これを準用することができる。

  第二十八条乃至第三十六条の規定は、前項において準用する場合に、これを適用する。但し、同条中会社又は特別経理会社とあるのは、前項の特別経理会社以外のものとし、同条掲げる条項は、前項の規定によって準用される場合の条項を含むものとする。

第四十条 この法律に定めるものの外、登記その他に関し必要な事項は、命令の定めるところによる。

   附 則

 この法律は、公布の日から、これを施行する。

(国立公文書館:A04017789500)

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