スキップしてメイン コンテンツに移動

日本銀行定款 1882年06月27日

 日本銀行定款(ひらがな化、一部新字体化、不明文字あり)


  日本銀行定款

 第一章 日本銀行組織の事

   第一条

日本銀行は有限責任とし本行の負債弁償の為め株主の負担すへき義務は株金に止るものとす

   第二条

日本銀行は本店を東京に置き各府県の首邑其他要用なる地方に支店出張所を設置し又は他の銀行と「コルレスポンダンス」を締約するを得へし但支店出張所を設置し又は他の銀行と「コルレスポンダンス」を締約するときは其事由を大蔵卿に具状して其允許を受くへし又大蔵省に於て支店出張所を要用なりとするときは銀行に命して之を設置せしむることあるへし

   第三条

支店及ひ出張所を設置し又は他の銀行と「コルレスポンダンス」を締約するの規則は銀行の重役に於て決議し大蔵卿の認可を受くへし

   第四条

日本銀行の営業年限は条例第三条に拠り明治年月日より満三十ヶ年とす但株主総会に於て多数の同意を以て営業を継続せんとするときは其延期を出願し更に政府の免許を受く可し

   第五条

日本銀行の実際報告に於て資本金半額以上を損失せし旨を証明するときは鎖店する者とす

前項の場合を除くの外期限内に鎖店せんとするときは株主総会の出席員四分の三以上にして総株半教以上を所有する者の決議を経て政府の允許を得へし

   第六条

日本銀行は期内と満期とを問はす前条の場合に在て鎖居するときは株主総会に於て鎖店処分人を選定し其権限職制を定めて政府の認可を受くへし

 第二章 資本金及ひ積立金の事

   第七条

日本銀行の資本金は一千万円と定め之を五万株に分ち一株二百円とす

   第八条

日本銀行の資本全半額迄は政府に於て引受け之か株主たるを得へし

   第九条

資本金総額五分の一即ち二百万円(一株に付四十円の割)は必す開業五日前迄に入金すへし

   第十条

営業上に於て損失を生し資本現入金額の内幾分を減少したるときは其事由を審明し資本入全残額より其欠額に充るまての全額を追募すへし

   第十一条

事業の伸張に由り資本入金の増加を要する時は之を資本入金残額より追募すへし

   第十二条

前第十条第十一条に拠り資本金を追募する時は重役集会に於て其日限を定め新聞紙を以て広告すへし若し株主此日限に入金せさる時は過怠全として追募金十分の一を増納せしむへし若し又二ヶ月を経て猶入金せさるときは其株券を売払ひ其代金より追募全額過怠金并其売払に係る費用を差引き余羸あれは原株主に還付し不足は尚ほ之れを追徴すへし

   第十三条

株主は総て記名とし日本人の外売買譲与するを許さす

   第十四条

日本銀行の株主とならんとするものは本銀行を経由して大蔵卿の許可を受くへし

   第十五条

株券は銀行に於て株式帳を設けて之に記入すへし若し株券を売買譲与するときは其証書を作り双方連印の上株表を添へて銀行へ差出し銀行にては之を大蔵卿に差出し其■可を経て株式帳に記入し而して其売買譲与を証明する為め総裁及ひ其主任の理事一名書記一名■株券の裏面に署名捺印す可し

   第十六条

株主は銀行の資産を共有し割賦金を受取る為め其所有株の多寡を問はす毎株に付各一個平等の権理を有する者とす但し株券一個を数人にて所有するも銀行にては之を一人の所有と看做す可し

   第十七条

日本銀行の株主たる者は定款及ひ株主総会に於て決議する処の事件を遵守すること勿論たる可し

   第十八条

凡株式に属する権理義務は其株券(何人の所有たるを問はす)に附従するものとす

   第十九条

純益金総額より第三十六条の株主割賦金を引去り其残額より少くとも十分の一を左の目的を以て積立金と為すへし

第一 資本金の損失を補ふ

第二 割賦第三十六条の割合に及はさる時之を補ふ

   第二十条

右積立金は金銀貨地金銀及ひ公債証書の買入に使用すへし但此積立金より生する所得金額は銀行普通の利益となすへし

  第三章 銀行営業の事

   第二十一条

日本銀行の営業は左の如し

第一 政府発行の手形為換手形其他商業手形等の割引を為し又は買入を為す事

第二 地金銀の売買を為す事

第三 金銀貸或は金銀塊を抵当として貸金を為す事

第四 予て取引約定ある諸会社銀行又は商人の為めに手形金取立に従事する事

第五 諸預り勘定を為し又は金銀貨貴金属并諸証券類の保護預りを為す事

第六 公債証書其他政府の保証に係る各種の証券を抵当として当座勘定貸又は定期貸を為す事

   第二十二条

日本銀行は前第二十一条に記載する事業の外営業するを得す左の諸件の如きは特に之を厳禁す

第一 不動産及ひ銀行又は諸会社の株券を抵当として貸金を為す事

第二 本銀行の株券に対して貸金を為し又は此株を買戻を為す事

第三 諸工業会社の株主たるは勿論直接間接を問はす工業に関係する事

第四 地金銀売買を除くの外諸般の商業に関渉する事

第五 本支店出張所を開設する為め必要なる者の外一切他の不動産の所有主たる事

   第二十三条

日本銀行に於て割引を為す商業手形は総て裏書を以て授受を為し印税規則に依て印紙を貼し三人以上資産確実なる者の署名捺印ありて且つ仕払期限の百日以内に在る者に限る可し但銀行懇会の決議を経大蔵卿の認可を得たる格段の約束あるものは二人の署名捺印にても割引を許すことあるへし

   第二十四条

割引依頼人より其手形金額に匹適する商品又は商品預証書を質入したるときは之を一人前の署名捺印と見做し割引を許すことあるへし

   第二十五条

政府発行手形の割引は仕払期限及割引の歩合共時日大蔵卿に稟議し重役集会に於て決定するものとす

   第二十六条

手形割引の歩合は毎十日重役集会に於て決定し本支店出張所共に之に従ふへし但し此歩合は重役集会に於て必要と認むる時は何時にても之を変更するを得へし

   第二十七条

政府発行手形の割引に充つる金額及公債証書其他政府の保証に係る證券を抵当として貸出す可き金額并に利子の割合は毎十日重役集会に於て決議し監事集会承諾の上大蔵卿の認可を受くへし

   第二十八条

前第二十七条の貸付は銀行にて資産確実と認むるものに限るへく且つ其期限は永くとも六ヶ月を超過すへからす而して其貸付金は当日証券の相場に対し十分の八を限りと為すへし

負債主若し期限に於て返金せさるときは其抵当品を売払ふへし但其売払代を以て元利差引剰余を生するも其乗余は併て銀行へ収入すへし若し又期限に於て書換延期を請ふときは一回限り許すことあるへし尤も銀行総会に於て格別なる許可を与へたるものは此限りに非す

   第二十九条

日本銀行は公債証書并政府発行手形を買入又は之を売払ふことを得へし但此場合に於ては重役集会の決議を以て監事集会の承諾を受け大蔵卿の免許を経るに非されは施行するを得す但其免許を受けたる日より三十日以内に買入を為さヽるときは其免許は無効たるへし

   第三十条

日本銀行は兌換銀行券を発行するの権を有す但条例第十四条に拠り政府より別段の規則を頒布せらるヽの後に非れは之を実施するを得す

   第三十一条

日本銀行は為換手形振出手形及振替切手小切手を発行するを得へし但尋常為換手形の仕払期限は遅くとも参着後七日以内たるへし

   第三十二条

日本銀行は政府の都合に由り国庫金の取扱ひに従亊するを得へし

   第三十三条

貸金の返弁手形の仕払等不安全と思惟するか又は現に滞貸或は不渡となりたる時は負債所有の家屋土地其他の財産を書入質入又は譲与として銀行に引取ることを得へし但此家屋土地其他の財産とも爾後一ヶ年以内に売払を為すへし然れとも大蔵卿の免許を受るものは此限にあらす

  第四章 実際報告及利益金分配の事

   第三十四条

重役集会にて毎年六月三十日十二月三十一日に於て営業上実際の報告を整理し二十日以内に之を監事集会に付し監事集会は此報告を受けたる日より更に二十日間に於て之か調査を為すへし尤も監事集会の多数を以て可決する時は直ちに確定したる者とす若し其多数を得さるときは株主総会の決議に付すへし

   第三十五条

創業費営業費其他の諸費用は毎半季決算の総益金より引除き其残額を以て純益金と為すへし但し創業費は逓減法を以て支消するものとす

   第三十六条

純益金は左の割合を以て分配す可し

第一 人民所有の株金に対し年八分(即半期四分)の割合を以て配当すへし

第二 政府所有の株金に対し年六分(即半期三分)の割合を以て配当すへし

第三 右配当金を引去り其残額より少くとも十分の一を積立金となすへし

第四 右三項の金額引去り其残額十分の一を賞与として理事監事其他の役員へ配当す可し但理事一名と監事一名との割合は理事は七分監事は三分の比例を以て逓折分配する者とす

右四項を差引き其残額は再ひ総株へ平等に配当すへし

   第三十七条

上半季の割賦金は其年九月一日迄に下半季の割賦金は翌年三月一日迄に各株主へ分配するものとす

   第三十八条

此割賦金第三十六条の割合に及はさるときは積立金の内より補ふ者とす然れとも次の半季に於て此割合を超る時は前半季に補ひし積立金の欠額を補填すへし

   第三十九条

上半季実際報告并損益勘定は新聞紙を以て広告すへし上下両季の実際報告并損益勘定は其年度営業上の重役報告并に監事報告と共に新聞紙を以て広告し且翌年二月の定式株主総会より凡五日前に各株主へ別段に之を配賦す可し

   第四十条

銀行重役は本支店及出張所約定店等の営業上百般の景况を取調へ毎月一回より少なからす之を大蔵卿に報告すへし

  第五章 行務綜理の事

   第一節 職員の組織

   第四十一条

日本銀行は総裁一人副総裁一人理事四人を以て事務を綜理する者とす而して総裁副総裁理事の集会を名けて重役集会と云ふ

此銀行の事務監督の為め監事三名乃至五名を置き其集会を名けて監事集会と言ふ

又割引手形審査の為め割引委員を置く可し

   第四十二条

総裁は勅任副総裁は奏任とし共に任期五ヶ年とす但し満期後幾回にても任命するを得へし尤も任期中は他の官職を兼任するを得す

   第四十三条

総裁副総裁は東京府内に住居すへし

   第四十四条

総裁副総裁の俸給及交際費は政府に於て定め銀行より支弁するものとす

   第四十五条

理事は任期四ヶ年とし株主総会に於て被選者二倍の候補を選挙し大蔵卿其内より命任する者とす但創立第一回は五ヶ年の任期を以て大蔵卿より特命すへし若し任期内に於て欠員あるときは大蔵卿より補関員を命して其残期丈けを勤めしむへし

   第四十六条

理事は満期後幾回にても選任せらるヽを得可し

理事は必す東京府内に住居すへし

理事の月俸は    と定む

   第四十七条

毎年一月一日に於て理事一名の更代せしむへし但更代の順序は明治  年八月の株主総会に於て抽籤を以て之を定め翌年より此順序を逐ふて毎年更代するものとす

死去或は不時の退職者ありて其補欠に選任せられたる者は前任者の残期丈けを勤むる者とす

   第四十八条

総裁副総裁及ひ理事監事は任期中他の銀行又は会社等の役員たるを許さす

   第四十九条

監事集会は会員中より会長一名を選挙す可し

   第五十条

監事は任期三ヶ年とし株主総会に於て選挙するものとす但満期後幾回にても選任するを得へし

監事は毎年二月の株主総会畢りて一名宛更代すへし但更代の順序は創立第一年八月の株主総会に於て抽籤を以て之を定め第二年より此順序を逐ふて毎年更代する者とす

死去又は不時の退職者ありて其補欠に選挙せられたる者は前任者の残期丈を勤むるものとす

   第五十一条

理事は十五株以上監事は十株以上を上任以前に所有するに非されは此選に当るを得す

此株券は理事監事事務取扱の保証金として銀行に預く置くへし本人退職すと雖も其年度の実際報告を監事集会の可決したる後に非されは其株券を受戻すことを得す

   第五十二条

総裁副総裁理事は銀行の営業上他人と約束する事件に就ては一箇人の義務なきものとす

   第五十三条

第三十六条第四項に定めたる割合を以て利益金を配当するに理事は一名に付五千円監事は一名に付二千円に超過する時は株主総会に於て其配当金を此額迄に減少するを得へし

   第五十四条

書記部長出納部長は銀行総会の決議を以て任免する者とす其職務章程は内規に於て定むへし

  第二節 総裁副総裁

   第五十五条

総裁は重役集会銀行総会及ひ株主総会の議長たる可し

総裁は此等の会議に於て決議せし事件を施行する者とす

総裁は重役集会に於て諸勘定書を整理せしめ之を株主総会に付すへし

総裁は銀行全般の事業に注目し条例定款及内規等の諸則を恪守せしむへし

銀行営業に関する訴訟は総裁の名を以て之を為すへし

総裁は重役集会の決議を以て約定書和解書其他一般の書類に署名捺印す可し

日常細事に関する書類を除くの外営業上の証文其他の書類には必す書記部長の副印を要するものとす

   第五十六条

総裁は重役集会に於て決議せし事件を不当なりと認むる時は速に銀行総会を開き其意見を諮詢するを得へし

各会議に於て決議したる事件と雖とも条例定款に抵触することは勿論政府の不利又は公共に害ありとする時は総裁直ちに之を停止し政府へ申告すへし若し三十日以内に政府より別に■令なき時は原決議の通り施行す可き者とす

   第五十七条

総裁事故ある時は副総裁代理すへし

   第五十八条

総裁は日常の細事を処弁する為め其事件を定め理事をして代理せしむるを得へし

  第三節 重役集会

   第五十九条

重役集会は銀行諸般の事務を決議するものとす但他の集会に於て決議すへきの成規あるものは此限にあらす

此集会は手形割引の歩合政府発行の手形を割引する金額公債証書等に対し貸与する金額及ひ公債証書買入に充る金額等を定むへし但此等の事件は監事集会の承諾を施行する者とす

此の集会は書記部長出納部長を除くの外各部役員一般の進退点陟を議し其給料身元金等の額を定むへし

支店出張所の役員中に於て証書類に銀行の名義を以て署名捺印せしむるものは重役集会に於て之れを選み委任状を与ふるものとす

重役集会は約定并に和解等の条件を決議することを得と雖とも監事の承諾せさる事件は実行することを許さす

此集会に於ては株主総会に差出す可き毎季営業の報告を整理すへし

   第六十条

重役集会は半數以上出席なき時は決議するを得す

此集会の議事は多数を以て決する者とす若し可否相半する時は議長之を決すへし

   第六十一条

重役集会に於ては議事録を作り其決議の旨趣并事務の要領を記載し出席員及書記部長之に署名捺印す可し

  第四節 監事集会

   第六十二条

監事は銀行諸般の業務を監視し且諸帳簿類を検査する者とす

監事は実際報告損益勘定及経費予算等を調査し正当なりと認る時は之を承認す可し但此報告予算等は重役集会に於て調整回付する者とす

重役集会に於て手形割引の歩合を変更し又は政府発行の手形を割引する金額若くは公債証書其他政府の保証に係る諸証券に対し貸与する金額を増減し又は公債証書買入の件を決議したる時は監事集会の承認を受くへき者とす然れとも亊情至急を要するときは手形割引の歩合に限り重役集会の決議のみを以て増減するを得へし但此場合に於ては必す五日以内に監事集会の承認を受くへし

   第六十三条

監事集会は少くとも毎月一回宛開会すへし若し二人以上欠席する時は決議を取ることを得す

議事は多数を以て決す可し若し可否の数相半する時は銀行総会に於て決定すへし

若し二人以上の欠席ありて決議を取ること能はさる時は至急を要する事件に限り銀行総会に於て決議するを得へし

   第六十四条

第三十六条第四項に定めたる監事の配当金は半額を人員に均分し半額は出席数に応して配当する者とす

  第五節 銀行総会

   第六十五条

総裁副総裁理事監事の集会を名けて銀行総会と云ふ

   第六十六条

銀行総会は少くも毎月一回宛開会し営業上の得失を商議するものとす

此総会は定款内規に依り其職務に属する諸件を決議する者とす

此総会は利益金の分配及ひ役員賞与の金額を決議すへし

此総会は保護預りの約束及其手続等を決議す可し

此総会は重役集会の起案したる銀行内規并支店出張所等の規則を決議す可し

此総会は支店出張所廃置の件を決議す可し

以上四項の事件は総て大蔵卿の認可を得るに非されは施行するを得す

此総会は書記部長の俸給及出納部長の俸給身元金の額を定む可し

   第六十七条

第六十三条第三項の場合を除くの外重役監事共に過数の出席あるに非されは決議を取るを得す

議事は多数を以て決する者とす但可否の数相半する時は議長之を決すへし

  第六節 割引委員

   第六十八条

割引委員は少くとも三名以上たるへし其委員は銀行総会に於て選定し出席日数に応して手当金を附与す可し

此委員は監事中より兼任するを得へし

此委員は毎年総員の半数を更代する者とす但之を再選するを得へし

   第六十九条

割引委員は理事一名を以て之れか長となすへし但委員出席の時日は内規を以て定むるものとす

此委員は諸手形の検査を遂く之か割引を許す可しと認定するときは其趣を銀行重役に申立つ可し

  第六節 監理官

   第七十条

監理官は大蔵卿の命を受け銀行一般の事務を監督し殊に銀行券発行内外手形割引等の事務を監視する者とす

   第七十一条

監理官は何時たりとも銀行事務一切の状況を質問し且帳簿若くは金庫等の検査を為すの権を有す

監理官より銀行事務の一覧表を要する時は銀行重役に於て之を調整し検印を検して差出す可し

   第七十二条

監理官は重役集会監事集会銀行総会割引委員席株主総会等に臨席し意見を陳述するを得へし但可否の数に加はるを得す

  第七章 株主総会

   第七十三条

株主総会は株主総体の権理を表するものとす

条例規則に依り株主総会に於て決議したる事件は欠席者或は異議者と雖も必す服従すへき者とす

   第七十四条

株主総会の会員たるものは会期六十日前に於て十株以上を所有するものに限るへし

会員欠席する時は他の会員たるへき者に代理を付托するを得可し

会社組合又は銀行等にして此銀行の株主たる者は其社員一名を以て代理せしむるを得へし

又株主中婦女幷瘋癲白痴及ひ丁年未満の男子は其後見人若くは他の会員たるへきものを以て代理せしむへし

前三項に定めたる代理委任状其他の書類は遅くも会期七日前に銀行に差出すへし

   第七十五条

会員は当日発会前に於て出席名簿に署名捺印すへし

   第七十六条

株主は所有株数十個にして投票一個の権理を有し十一株以上は五十箇毎に一箇を増加するものとす但幾人より代理委任を受くるも其代理に属するの権理は十箇以上を有するを得す

   第七十七条

定式株主総会は毎年二月八月最終の土曜日に於て開場すへし

此定式総会に於て第三十四条に掲けたる前半期実際報告の可否を決議す可し

二月の株主総会に於ては銀行重役より前年度の十二月三十一日まての営業報告を差出すへし

八月の株主総会に於ては其年末に満期退職すへき理事及ひ監事の後任を選挙すへし

二月八月両度の株主総会に於ては職員中死去或は退職者の補欠選挙を為すへし

   第七十八条

重役集会に於ては必要なりと思考するは何時にても臨時株主総会を開くを得へし

監事集会より請求するか又は株主総会員たるもの五十名以上より請求あるときは何時にても臨時株主総会を開くを得へし

理事二名監事二名まてに減少する時は臨時株主総会を開き補欠選挙を為すへし

   第七十九条

株主総会を開く時は定式臨時を問はす三十日前に招集状を名会員へ送致し且新聞紙を以て其旨を広告す可し

若し銀行総会に於て緊要なる事件と認め至急に採主総会を聞かんと欲するときは此招集期限を十五日まてに短縮するを得へし

   第八十条

右招集状には其謝議に付すへき事件を明示す可し

   第八十一条

総裁副総裁理事監事を除き当日出席会員中所有株券の最も多数なる者二名を選み以て総会の幹亊となすへし但当選の者之を辞する時は順次々数の者を以て之れに充つへし

幹事は総裁副総裁理事と共に当日会場の議事録に署名捺印す可し

   第八十二条

株主総会に於ては招集状に記載せし事件を討議す可し但其議案は重役集会又は監事集会より回付する者とす

若し会員十名以上の連署を以て会期十日前に重役集会に他の議案を差出したる時は之を当日の議題と為すを得へし

株主総会の議事は議題外の亊件并人の毀誉褒貶に渉るを許さす

招集状に記載せさる亊件と雖も重役集会より臨時回付したる議業にして会場に於て緊要なりと認むる者は当日の討議に付するを得

   第八十三条

議事は多数を以て決すへし若し可否相半する時は議長之を決す可し

   第八十四条

職員の選挙廃■に係る役票は匿名票を用ひ其他の亊件は記名票又は起立を以て定む可し

   第八十五条

職員選挙の時投票過半数を得る者なき時は其最も多数なる者を以て被選者二倍の候補を定め之れに就て再ひ投票を為すへし若し投票同数なるときは年長を以て之れを定むへし

   第八十六条

任期中理亊監亊を罷むる時は株主総会出席員四分の三以上にして総株半数以上を所有する者の同意あるに非されは之を決定するを得す但理事を罷むる時は大蔵卿の免許を受くへし

  第八章 総則

   第八十七条

此定款を改正する時は特別に株主総会を開き之を決議する者とす但其改正すへき条件は之を会員招集状に記載す可し

右株主総会は出席貞所有の株数三万箇に満つるに非されは其事件を決議するを得す尤も十株以下の株主たりと雖も其株券を連合して十株と為す時は通常会員たるの権を有する者に付其代理を委任するを得へし

此総会の議事は出席員三分の二以上の同意を得る非されは決議するを得す

此総会に於て決議したる事件は政府の認可を経るに非されは施行するを得す

   第八十八条

凡そ銀行の事業に於て条例定款に抵触する事件は勿論又政府の不利若くは公共に害あることは政府に於て之を制止するの権ある可し

   第八十九条

政府の都合により要用なりとする時は何時にても此定款を改正増削するの権ある可し

(Source:国立公文書館 日本銀行条例ヲ製定ス A15110298400)

コメント

このブログの人気の投稿

徴兵の詔(徴兵令詔書及ヒ徴兵告諭) 1872年12月28日

徴兵令詔書及び徴兵告諭(口語訳)  今回、全国募兵の件に付き、別紙の詔書の通り徴兵令が仰せ出され、その定めるところの条々、各々天皇の趣意を戴き、下々の者に至るまで遺漏なきように公布しなさい。全体として詳細は陸軍・海軍両省と打ち合わせをしなさい。この趣旨を通達する。  ただし、徴兵令および徴募期限については追って通達するべきものとする。 (別紙) 詔書の写し   私(明治天皇)が考えるに、往昔は郡県の制度により、全国の壮年の男子を募って、軍団を設置し、それによって国家を守ることは、もとより武士・農民の区別がなかった。中世以降、兵は武士に限られるようになり、兵農分離が始まって、ついに封建制度を形成するようになる。明治維新は、実に2千有余年来の一大変革であった。この際にあたり、海軍・陸軍の兵制もまた時節に従って、変更しないわけにはいかない。今日本の往昔の兵制に基づいて、海外各国の兵制を斟酌し、全国から兵を徴集する法律を定め、国家を守る基本を確立しようと思う。おまえたち、多くのあらゆる役人は手厚く、私(明治天皇)の意志を体して、広くこれを全国に説き聞かせなさい。 明治5年(壬申)11月28日  わが国古代の兵制では、国をあげて兵士とならなかったものはいなかった。有事の際は、天皇が元帥となり、青年壮年兵役に耐えられる者を募り、敵を征服すれば兵役を解き、帰郷すれば農工商人となった。もとより後世のように両刀を帯びて武士と称し、傍若無人で働かずに生活をし、甚だしい時には人を殺しても、お上が罪を問わないというようなことはなかった。  そもそも、神武天皇は珍彦を葛城の国造に任命し、以後軍団を設け衛士・防人の制度を始めて、神亀天平の時代に六府二鎮を設けて備えがなったのである。保元の乱・平治の乱以後、朝廷の軍規が緩み、軍事権は武士の手に落ち、国は封建制の時代となって、人は兵農分離とされた。さらに後世になって、朝廷の権威は失墜し、その弊害はあえていうべきものもなく甚だしいものとなった。  ところが、明治維新で諸藩が領土を朝廷に返還し、1871年(明治4)になって以前の郡県制に戻った。世襲で働かずに生活していた武士は、俸禄を減らし、刀剣を腰からはずすことを許し、士農工商の四民にようやく自由の権利を持たせようとしている。これは上下の身分差をなくし、人権を平等にしようとする方法で、とりもな...

日清修好条規 1871年09月13日

内容見直し点:口語訳中途 修好条規(口語訳、前文署名省略) 第一条 この条約締結のあとは、大日本国と大清国は弥和誼を敦うし、天地と共に窮まり無るべし。又両国に属したる邦土も、各礼を以て相待ち、すこしも侵越する事なく永久安全を得せしむべし。 第二条 両国好を通ぜし上は、必ず相関切す。若し他国より不公及び軽藐する事有る時、其知らせを為さば、何れも互に相助け、或は中に入り、程克く取扱い、友誼を敦くすべし。 第三条 両国の政事禁令各異なれば、其政事は己国自主の権に任すべし。彼此に於て何れも代謀干預して禁じたる事を、取り行わんと請い願う事を得ず。其禁令は互に相助け、各其商民に諭し、土人を誘惑し、聊違犯あるを許さず。 第四条 両国秉権大臣を差出し、其眷属随員を召具して京師に在留し、或は長く居留し、或は時々往来し、内地各処を通行する事を得べし。其入費は何れも自分より払うべし。其地面家宅を賃借して大臣等の公館と為し、並びに行李の往来及び飛脚を仕立書状を送る等の事は、何れも不都合がないように世話しなければならない。 第五条 両国の官位何れも定品有りといえども、職を授る事各同じからず。因彼此の職掌相当する者は、応接及び交通とも均く対待の礼を用ゆ。職卑き者と上官と相見るには客礼を行い、公務を辨ずるに付ては、職掌相当の官へ照会す。其上官へ転申し直達する事を得ず。又双方礼式の出会には、各官位の名帖を用う。凡両国より差出したる官員初て任所に到着せば、印証ある書付を出し見せ、仮冒なき様の防ぎをなすべし。 第六条 今後両国を往復する公文について、清国は漢文を用い、日本国は日本文を用いて漢訳文を副えることとする。あるいはただ漢文のみを用い、その記載に従うものとする。 (これ以下まだ) 第七条 両国好みを通ぜし上は、海岸の各港に於て彼此し共に場所を指定め、商民の往来貿易を許すべし。猶別に通商章程を立て、両国の商民に永遠遵守せしむべし。 第八条 両国の開港場には、彼此何れも理事官を差置き、自国商民の取締をなすべし。凡家財、産業、公事、訴訟に干係せし事件は、都て其裁判に帰し、何れも自国の律例を按して糾辨すべし。両国商民相互の訴訟には、何れも願書体を用う。理事官は先ず理解を加え、成丈け訴訟に及ばざる様にすべし。其儀能わざる時は、地方官に掛合い双方出会し公平に裁断すべし。尤盗賊欠落等の事件は、両国の地方官より...

帝国陸海軍作戦計画大綱 1945年01月20日

 帝国陸海軍作戦計画大綱(ひらがな化、一部新字体化、一部省略)  帝国陸海軍作戦計画大綱(昭和二十年一月二十日)    目 次(略)    第一 作戦方針  帝国陸海軍は機微なる世界情勢の変転に莅み重点を主敵米軍の進攻破摧に指向し随処縦深に亙り敵戦力を撃破して戦争遂行上の要域を確保し以て敵戦意を挫折し以て戦争目的の達成を図る    第二 作戦の指導大綱 一 陸海軍は戦局愈々至難なるを予期しつつ既成の戦略態勢を活用し敵の進攻を破摧し速に自主的態勢の確立に努む   右自主的態勢は今後の作戦推移を洞察し速に先つ皇土及之か防衛に緊切なる大陸要域に於て不抜の邀撃態勢を確立し敵の来攻に方りては随時之を撃破すると共に其の間状況之を許す限り反撃戦力特に精錬なる航空戦力を整備し以て積極不羈の作戦遂行に努むるを以て其の主眼とす 二 陸海軍は比島方面に来攻中の米軍主力に対し靭強なる作戦を遂行し之を撃破して極力敵戦力に痛撃を加ふると共に敵戦力の牽制抑留に努め此の間情勢の推移を洞察し之に即応して速に爾他方面に於ける作戦準備を促進す 三 陸海軍は主敵米軍の皇土要域方面に向ふ進攻特に其の優勢なる空海戦力に対し作戦準備を完整し之を撃破す   之か為比島方面より皇土南陲に来攻する敵に対し東支那海周辺に於ける作戦を主眼とし二、三月頃を目途とし同周辺要地に於ける作戦準備を速急強化す   敵の小笠原諸島来攻(硫黄島を含む)に対し極力之か防備強化に努む   又敵一部の千島方面進攻を予期し又状況に依り有力なる敵の直接本土に暴進することあるを考慮し之に対処し得るの準備に遺憾なからしむ 四 陸海軍は進攻する米軍主力に対し陸海特に航空戦力を総合発揮し敵戦力を撃破し其の進攻企図を破摧す 此の間他方面に在りては優勢なる敵空海戦力の来攻を予想しつつ主として陸上部隊を以て作戦を遂行するものとす   敵戦力の撃破は渡洋進攻の弱点を捕へ洋上に於て痛撃を加ふるを主眼とし爾後上陸せる敵に対しては補給遮断と相俟つて陸上作戦に於て其の目的を達成す 此の際火力の集団機動を重視す   尚敵機動部隊に対しては努めて不断に好機を捕捉し之を求めて漸減す 五 支那大陸方面に在りては左に準拠し主敵米軍に対する作戦を指導す (一) 支那大陸に於ける戦略態勢を速に強化し東西両正面より進攻する敵特に米軍を撃破して其の企図を破摧し皇土を中核とする大...