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農地調整法 1938年04月01日

 農地調整法(ひらがな化、一部新字体化、一部附則省略) 法律第六十七号    農地調整法 第一条 本法は互譲相助の精神に則り農地の所有者及耕作者の地位の安定及農業生産力の維持増進を図り以て農村の経済更生及農村平和の保持を期する為農地関係の調整を為すを以て目的とす 第二条 本法に於て農地とは耕作を目的とする土地を謂ふ 第三条 農地の所有者又は耕作者は兵役其の他命令を以て定むる事由に因りて農地を自ら耕作し又は管理すること能はざるときは市町村其の他命令を以て定むる団体に農地の管理又は買取の申出を為すことを得  前項の申出ありたる場合に於ては同項の団体は命令の定むる所に依り農地の管理又は買取を為すことを得 第四条 道府県、市町村其の他命令を以て定むる団体が農村の経済更生の為命令の定むる所に依り自作農創設維持に要する土地を取得し又は使用するの必要あるときは行政官庁の認可を受け土地の所有者其の他之に関し権利を有する者に対し土地の譲渡又は使用収益の権利の設定若は譲渡に関する協議を求むることを得  前項の団体が未墾地を開発して同項の事業を行はんとする場合に於て同項の規定に依る協議調はざるときは開発せんとする未墾地其の他其の開発に必要なる土地又は其の使用収益の権利を収用又は使用することを得  前項の規定に依る収用又は使用に関しては土地収用法を適用す 第五条 行政官庁農村の経済更生の為必要ありと認むるときは農地の所有者をして農地処分に当り命令の定むる所に依り予め市町村農地委員会に其の旨を通知せしむることを得 第六条 命令を以て定むる自作農創設維持の事業に依り創設又は維持せられたる自作地の所有者は命令の定むる場合を除くの外行政官庁の認可を受くるに非ざれば其の自作地の譲渡若は貸付を為し又は之に付物権を設定することを得ず 第七条 前条の自作農創設維持の事業に依り創設又は維持せられたる自作地に付ては其の旨の登記を為すことを要す  前項の登記を為すに非ざれば前条の自作農創設維持の事業に依り創設又は維持せられたる自作地たることを以て第三者に対抗することを得ず  第一項の規定に依る登記に関し必要なる事項は勅令を以て之を定む 第八条 農地の賃貸借は其の登記なきも農地の引渡ありたるときは爾後其の農地に付物権を取得したる者に対し其の効力を生ず  民法第五百六十六条第一項及第三項の規定は登記せざる賃貸借の目

決戦非常措置要綱 1944年02月25日

 決戦非常措置要綱(ひらがな化、一部新字体化)       決戰非常措置要綱   昭和十九年二月二十五日閣議決定 決戦の現段階に即応し国民即戦士の覚悟に徹し、国を挙げて精進刻苦、その総力を直接戦力増強の一点に集中し、当面の各緊要施策の急速徹底をはかるのほか、先づ左の非常措置を講ず 一、学徒動員体制の徹底 (1)原則として中等学校程度以上の学生生徒は総て今後一年、常時之を勤労その他非常任務に出動せしめ得る組織的態勢に置き、必要に応じて随時活発なる動員を実施す (2)理科系のものはその専門に応じ、概ネ之を軍関係工場・病院等の職場に配置して勤労に従事せしむ (3)学校校舎は必要に応じ、これを軍需工場化し、または之を軍用・非常倉庫用・非常病院用・避難住宅用その他緊要の用途にこれを転用す 二、国民勤労体制の刷新  職業転換・適正配置ならびに勤労管理、とくに学徒・女子及び応徴者等に関する受入れ体制の急速なる刷新強化をはかるとともに、家庭の根軸たる者を除く女子の女子挺身隊強制加入の途を拓き、且つこれに即応して官庁側の指導・斡旋・保護の充実に遺憾なからしむ。右に関連し速に動員機構を整備し、とくに軍動員との関係の緊密化をはかる 三、防空体制の強化 (1)重要工場につき能ふかぎりの防空施設を行ふとともに、工場防空組織を完備する工場防空の急速なる強化をはかる (2)空襲被害極限等についての準備訓練を徹底す (3)空襲による物的被害の修理復旧、食糧配給の確保、救護、空襲時用簡易住宅の建設等空襲時の善後措置に関する準備の急激な完成をはかる (4)一般疎開の実施を強度に促進するとともに、第二次官庁疎開、脆弱木造官庁建物の移転除却、統制会または団体建物及び地方会社出張所・社交倶楽部等の整理を行ふ (5)養老院・精神病院・刑務所等(生産に影響なきもの)は極力速に地方に疎開または整理せしむ (6)前各項のほか防空並に疎開につき急速徹底せる各般の措置を講ず 四、簡素生活徹底の覚悟と食糧配給の改善整備 (1)時局突破のためには国民生活を徹底的に簡素化し、第一線将兵の困苦欠乏を想ひ如何なる生活にも耐ふるの覚悟を固めしむ (2)大都市における当面食糧配給の改善とくに少年等に対するものに付格段の措置を講ず (3)藷類の乾燥・魚類の塩漬等食糧の加工貯蔵を徹底す 五、空地利用の徹底  家庭・隣組・学校生徒・青少年

決戦非常措置要綱 1945年01月25日

 決戦非常措置要綱                 昭和二十年一月二十五日       決戰非常措置要綱 付箋 本要綱第一及第二ハ軍政及統帥両機関合議ニ依ル提案ニシテ閣議ハ之ヲ無条件承認セルモノナリ        第一 方  針 第一条 帝国今後ノ国内施策ハ速ニ物心一切ヲ結集シテ国家総動員ノ実効ヲ挙ケ以テ必勝ノ為飽ク迄戦ヒ抜クノ確固不抜ノ基礎態勢ヲ確立スルニ在リ  之力為具体的施策ヲ更ニ強化徹底シテ近代戦完遂ニ必要ナル国力並国力ノ維持増強ニ遺憾ナキヲ期ス  而シテ今後採ルヘキ各般ノ非常施策ハ即刻之ヲ開始シ昭和十九年度末ヲ目途トシテ之カ完成ヲ図ルモノトス        第二 国力並戦力造成要綱 第二条 当面ノ情勢ニ鑑ミ国力並戦力造成上ノ基本方針左ノ如シ 一、 作戦上ノ中核戦力トシテ依然航空機並限定セル特攻屈敵戦力ヲ優先整備ス 二、 国力ノ造出ハ日、満、支資源ヲ基盤トシ自給不能ナル南方資源ヲ充足シ其ノ総合的運営ノ下ニ近代戦争遂行能力ノ確立ヲ主眼トシ併セテ各地域毎ノ政戦略態勢ノ強化ヲ図ル之カ為    液体燃料ノ急速増産    海陸輸送力ノ維持増強    生産防空態勢ノ徹底的強化    食糧ノ増産特ニ国内ニ於ケル自給ノ飛躍的増強   ヲ最重点的ニ実現ス   而シテ現状ニ鑑ミ左記事項ニ関シテハ特段ノ措置ヲ講ス    航揮ノ急速還送    自給不能ナル南方資源ノ急速還送 第三条 昭和二十年度戦力並国力ノ造出目標並之カ完遂ノ為準拠スヘキ事項左ノ如シ  一、 陸海軍ノ軍需整備 1 戦力ノ増強ハ航空戦力ノ維持増強ト特攻屈敵戦力ノ急速ナル大量造成トヲ図ルヲ第一義トシ次テ対潜、対空兵器等ノ可及的多量整備ヲ期スルモノトス 2 航空機ノ生産ハ益々重点機種ノ整備並機種ノ整理統合ヲ重視シツツ上半期努力目標二〇、〇〇〇機完遂目標ヲ一六、〇〇〇機トシ下半期ニ就テハ差当リ其ノ努力目標ヲ二四、〇〇〇機トシテ各般ノ施策ヲ推進シ其ノ完遂目標ニ関シテハ本年三月頃当時ノ情勢ヲ勘案シ決定ス  重要物資供給力ノ低下ニ対処シ本目標ノ必達ヲ期スル為歩留リノ向上、鋼製並木製機ノ量産促進、「アルミ」供給力ノ増強施策ヲ強行スルト共ニ改修ノ緊縮化、審査規格ノ戦時化、補用品ノ徹底的合理化等凡有施策ヲ強力ニ推進スルモノトス又特ニ陸海軍ハ其ノ協力支援ニ格段ノ努力ヲ傾注スルモノトス 3 戦力ノ運用並戦備ノ建設ハ陸海軍真ニ一体トナリ之カ

鉄鋼配給統制規則 1938年06月20日

 鉄鋼配給統制規則(ひらがな化、一部新字体化)    鐵鋼配給統制規則 第一条 本則に於て鉄鋼とは普通銑鉄(鋳鉄管を含む)及普通圧延鋼材を謂ふ 第二条 鉄鋼の製造業者又は販売業者(シヤリング業者を含む以下同じ)は官庁、公共団体又は商工大臣の指定したる団体(以下統制団体と称す)に於て発行する鉄鋼割当証明書と引換ふるに非ざれば鉄鋼を使用する者に対し鉄鋼を販売することを得ず但し左に掲ぐる場合は此の限に在らず  一 左の各号の一に該当する鉄鋼を販売するとき   イ 御料品   ロ 官庁に於て購入するもの   ハ 公共団体に於て購入するもの  二 製鉄用原料又は材料として製鉄事業者に鉄鋼を販売するとき  三 天災事変其の他已むを得ざる事由ありたるに因り鉄鋼割当証明書に依ることを得ざるとき 第三条 造船業、鉄道業、電気事業、土木建築請負業、瓦斯事業、水道事業、石油業、鉱業、製鉄事業、機械器具製造事業其の他鉄鋼を使用する事業を営む者其の事業の用に供する鉄鋼を購入せんとするときは当該事業の主務官庁、地方長官又は統制団体より鉄鋼割当証明書の交付を受くべし但し軍用の工作物(建築物を含む以下同じ)の築造用鉄鋼又は軍需品製造工場にして陸軍大臣若は海軍大臣の認定を受けたるものの軍需品製造用鉄鋼の購入に付ては此の限に在らず  官庁又は公共団体の工作物の築造を請負ひたる者又は軍需品製造の注文を受けたる者は前項の鉄鋼割当証明書の外当該官庁又は公共団体より鉄鋼割当証明書の交付を受くべし 第四条 前条第一項の規定に依り鉄鋼割当証明書の交付を受けたる者当該鉄鋼を使用する工作物の築造又は当該鉄鋼を原料若は材料とする製品の製造若は加工を他人に請負はしめたる場合に於て当該請負人鉄鋼を購入するときは其の者に当該鉄鋼割当証明書を交付すべし  前項の場合に於て注文者は請負契約の要旨を記載したる書面及鉄鋼割当証明書の写を自己の属する統制団体及請負人の属する統制団体に提出すべし 第五条 土木建築用の鉄鋼を購入せんとする築造主は第三条第一項の鉄鋼割当証明書の外土木建築請負業者の統制団体より鉄鋼割当証明書の交付を受くべし但し統制団体に属する者(土木建築請負業者を除く)が自ら土木建築工事を執行する場合に於ては此の限に在らず 第六条 土木建築請負業者又は機械器具製造事業者第三条第二項又は第四条の規定に依り鉄鋼割当証明書の交付を

戦時行政特例法 1943年03月17日

 戦時行政特例法(一部新字体化) 法律第七十五号    戰時行政特例法 大東亜戦争ニ際シ生産力拡充其ノ他綜合国力ノ拡充運用ノ為特ニ必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル措置ヲ為スコトヲ得 一 法律ニ依ル人又ハ法人ノ行為ニ対スル禁止又ハ制限ノ全部又ハ一部ヲ解除スルコト 二 法律ニ依リ監督又ハ命令、処分其ノ他ノ行為ヲ為ス甲ノ行政庁又ハ官吏ノ職権ヲ乙ノ行政庁又ハ官吏ヲシテ行ハシムルコト 前項第二号ノ場合ニ於テハ甲ノ行政庁又ハ官吏ノ職権ニ係ル罰則ノ適用ニ付テハ乙ノ行政庁又ハ官吏ハ之ヲ甲ノ行政庁又ハ官吏ト看做ス 前項ニ定ムルモノノ外第一項ノ規定実施ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム    附 則 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス (国立公文書館:戦時刑事特別法中改正法律・御署名原本・昭和十八年・法律第五... A03022784000)

従業者雇入制限令 1939年03月30日

 従業者雇入制限令(一部新字体化) 勅令第百二十六号    從業者雇入制限令 第一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者(以下従業者ト称ス)ノ国家総動員法第六条ノ規定ニ基ク雇入制限ハ本令ノ定ムル所ニ依ル 一 年齢十六年以上五十年未満ノ男子ニシテ引続キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ厚生大臣ノ指定スル職業ニ従事スルモノ 二 年齢十六年以上五十年未満ノ男子ニシテ引続キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ前号ノ職業ニ従事シ本令施行後ニ於テ其ノ雇傭ヲ終了シ且其ノ雇傭ヲ終了シタル日ヨリ厚生大臣ノ指定スル学校卒業者タル者ニ在リテハ一年、其ノ他ノ者ニ在リテハ六月ヲ経過セザルモノ 三 引続キ三月以上工場事業場技能者養成令ノ養成工(以下養成工ト称ス)タル者 四 引続キ三月以上養成工タリシ者ニシテ養成工タラザルニ至リタル日ヨリ六月ヲ経過セザルモノ 第二条 工場又ハ事業場ニ於テ使用スル為従業者ヲ雇入レントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前条第一号又ハ第三号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ現ニ就業スル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前条第二号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ雇傭終了ニ至ル迄前条第一号ノ職業ニ従事シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前条第四号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ養成工タラザルニ至ル迄就業シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ認可ヲ受クベシ前条第一号ノ職業ニ従事セシムル為従業者ヲ雇入レントスル者亦同ジ 第三条 職業紹介所長前条ノ認可ノ申請ニ付不正又ハ虚偽ノ事実アリト認ムルトキハ認可ヲ取消スコトヲ得 第四条 第二条ノ認可ニ関シ必要アル場合ニ於テハ同条ノ職業紹介所長及雇入ニ依リ従業者ノ就業スベキ地ノ所轄職業紹介所長ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ関係人ヨリ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ関係ノ工場、事業場若ハ事務所ニ臨検セシメ業務ノ状況若ハ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得  前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ 第五条 本令ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ於テ従業者ヲ吏員トシテ採用スル場合ニ之ヲ準用ス 第六条 本令ハ国又ハ道府県ニ於ケル従業者ノ雇入ニハ之ヲ適用セズ 第七条 本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ職業紹介所長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、台湾ニ在リテ

工場就業時間制限令 1939年03月30日

 工場就業時間制限令(一部新字体化) 勅令第百二十七号    工場就業時間制限令 第一条 国家総動員法第六条ノ規定ニ基ク工場ニ於ケル就業時間ノ制限ハ本令ノ定ムル所ニ依ル 第二条 本令ハ工場法ノ適用ヲ受クル工場ニシテ厚生大臣ノ指定スル事業ヲ営ムモノニ之ヲ適用ス 第三条 工業主ハ十六歳以上ノ男子職工ヲシテ一日ニ付十二時間ヲ超エテ就業セシムルコトヲ得ズ 第四条 工業主ハ十六歳以上ノ男子職工ニ対シ毎月少クトモ二回ノ休日ヲ設ケ一日ノ就業時間ガ六時間ヲ超ユルトキハ少クトモ三十分、十時間ヲ超ユルトキハ少クトモ一時間ノ休憩時間ヲ就業時間中ニ於テ設クベシ 第五条 十六歳以上ノ男子職工ヲ二組以上ニ分チ交替ニ就業セシムル為又ハ業務ノ性質上特ニ必要アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ工業主ハ予メ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監以下之ニ同ジ)ニ届出デ第三条ノ就業時間ヲ延長スルコトヲ得 第六条 已ムヲ得ザル事由ニ因リ臨時必要アル場合ニ於テハ工業主ハ地方長官ノ許可ヲ受ケ期間ヲ限リ第三条ノ規定ニ拘ラズ就業時間ヲ延長シ又ハ第四条ノ休日ヲ廃スルコトヲ得但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ地方長官ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ  臨時必要アル場合ニ於テハ工業主ハ其ノ都度予メ地方長官ニ届出デ一月ニ付七日ヲ超エザル期間就業時間ヲ二時間以内延長スルコトヲ得  第一項但書ノ規定ニ依リ就業セシメタルトキハ遅滞ナク地方長官ニ届出ヅベシ 第七条 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ就業時間ノ制限ニ関シ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ工業主ヨリ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ工場、事務所其ノ他ノ場所ニ臨検シ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得  前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ 第八条 本令ハ国ノ事業ニ之ヲ適用セズ 第九条 本令中工場法ノ適用ヲ受クル工場トアルハ朝鮮、台湾又ハ南洋群島ニ在リテハ常時十人以上ノ職工ヲ使用スル工場、樺太ニ在リテハ工場取締規則ノ適用ヲ受クル工場トシ十六歳以上ノ男子職工トアルハ朝鮮、台湾、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ職工トス  本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、台湾ニ在リテハ州知事又ハ庁長、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、

軍機保護法 1937年08月13日

 軍機保護法(ひらがな、一部新字体化) 法律第七十二号    軍機保護法 第一条 本法に於て軍事上の秘密と称するは作戦、用兵、動員、出師其の他軍事上秘密を要する事項又は図書物件を謂ふ  前項の事項又は図書物件の種類範囲は陸軍大臣又は海軍大臣命令を以て之を定む 第二条 軍事上の秘密を探知し又は収集したる者は六月以上十年以下の懲役に処す  軍事上の秘密を公にする目的を以て又は之を外国若は外国の為に行動する者に漏泄する目的を以て前項に規定する行為を為したる者は二年以上の有期懲役に処す 第三条 業務に因り軍事上の秘密を知得し又は領有したる者之を他人に漏泄したるときは無期又は三年以上の懲役に処す  業務に因り軍事上の秘密を知得し又は領有したる者之を公にし又は外国若は外国の為に行動する者に漏泄したるときは死刑又は無期若は四年以上の懲役に処す 第四条 軍事上の秘密を探知し又は収集したる者之を他人に漏泄したるときは無期又は二年以上の懲役に処す  軍事上の秘密を探知し又は収集したる者之を公にし又は外国若は外国の為に行動する者に漏泄したるときは死刑又は無期若は三年以上の懲役に処す 第五条 偶然の原由に因り軍事上の秘密を知得し又は領有したる者之を他人に漏泄したるときは六月以上十年以下の懲役に処す  偶然の原由に因り軍事上の秘密を知得し又は領有したる者之を公にし又は外国若は外国の為に行動する者に漏泄したるときは無期又は二年以上の懲役に処す 第六条 軍事上の秘密を探知し、収集し又は漏泄することを目的として団体を組織したる者又は其の団体の指導者たる任務に従事したる者は無期又は三年以上の懲役に処す  情を知りて前項の団体に加入したる者は六月以上七年以下の懲役に処す 第七条 業務に因り軍事上の秘密を知得し又は領有したる者過失に因り之を他人に漏泄し又は公にしたるときは千円以下の罰金に処す 第八条 陸軍大臣又は海軍大臣は軍事上の秘密保護の為必要あるときは命令を以て左に掲ぐるものに付測量、撮影、模写、模造若は録取又は其の複写若は複製を禁止し又は制限することを得 一 軍港、要港又は防禦港 二 堡塁、砲台、防備衛所其の他の国防の為建設したる防禦営造物 三 軍用艦船、軍用航空機若は兵器又は陸軍大臣若は海軍大臣所管の飛行場、電気通信所、軍需品工場、軍需品貯蔵所其の他の軍事施設  前項の規定に依る禁止又は制限に違

廣田外務大臣演説 1935年01月22日

 広田外務大臣演説(ひらがな、一部新字体化)      第六十七回帝国議会ニ於ケル廣田外務大臣演說                        (昭和十年一月二十二日) 帝国の対外関係に付きましては、先頃臨時議会に於て大要御説明致しましたが、近時帝国と諸外国との間に漸次好感情が増して參りましたことは、御同慶の至りであります。世界何れの国とも益々和平親善の関係を樹立し、互に交通通商の進展を計ることは、實に我対外方針の根幹とする所であります。 先づ滿洲国に於きましては、今や既に建国の基礎を完成しまして、此の後の發達に付きましては、眞に日滿兩国民の融和協力に俟つものが多いと思ひますが、就中經濟的方面に於ては益々有無相通じ、共存共榮の實を擧げんことを期待する次第であります。斯かる際、今春四月上旬を期して、同国皇帝陛下が親ら帝都に 天皇陛下を御訪問あらせられ、兩皇室の間に御親交を重ねさせるるは、吾人の感激措く能はざる所でありまして、又同皇帝陛下を近く我国に御歡迎申上ぐるの機会を得ますことは、全国民の特に光榮とする所と存じます。 帝国の今日大なる関心を拂つて居りまするは、海軍軍縮問題であります。「ロンドン」に於ける日、英、米三国の豫備交渉に就ては、前議会に於て御説明の機会を得たのであります。今囘の交渉に対する帝国政府の根本方針は、其の際詳細に申述ベました通でありまして、徹底的軍縮を行ひ、攻撃的兵力の全廢若くは大縮減を實現し、以て各国をして他国よりの脅威を免れしむると共に、又如何なる国に対しても、脅威を加へ得ざらしむることに在るのであります。而して、大正十一年華盛頓に於て署名せられました海軍軍備制限条約は、今や右方針と相容れざるものがあります為、帝国政府は同条約の規定に遵ひ、客年の十二月二十九日を以て、米国政府に是が廢止の意思を通告したのであります。其の結果、同条約は昭和十一年十二月末日を以て、廢止せらるることとなつたのでありますが、固より帝国政府は之に依つて進んで軍備擴張を為すが如き意圖のなきは勿論、眞に軍備制限の精神に基く新なる方式に依り、同条約に代るベき新協定の成立を期せんとするものであります。曩の豫備交渉に於きましては、関係国間に十分なる討議が行はれ、各国の見解も略々明白となるに至りました結果、此の際各国代表が親しく本国政府と打合せを行ひ、是迄の交渉の結果を、篤と檢討す

対支政策に関する件 1935年10月04日

 対支政策に関する件(ひらがな化、一部新字体化)    對支政策ニ關スル件 帝国を中心とする日満支三国の提携共助に依り東亜の安定を確保し其の発展を計るは我対外政策の根基にして我対支政策の目的も亦実に茲に存す。 右目的を達成する為には先つ左記要綱に基き大義名分に即し且緩急宜しきを制する方法に依り支那側(中央及地方政権)をして帝国及満洲国に対する関係を整調せしめ以て日満支三国間の根本関係を確立し得へき状態に至らしむるを要す。 (一)支那側をして排日言動の徹底的取締を行ひ且欧米依存政策より脱却すると共に対日親善政策を採用して該政策を現実に実行し更に具体的問題に付帝国と提携せしむること。 (二)支那側をして満洲国に対し窮極に於ては正式承認を与へしむること必要なるも差当り満洲国の独立を事実上黙認し反満政策を罷めしむるのみならす少く共接満地域たる北支方面に於ては満洲国との間に経済的及文化的の融通提携を行はしむること。 (三)外蒙より来る赤化勢力の脅威か日満支三国共通の脅威たるに鑑み支那側をして外蒙接壌方面に於て右脅威排除の為我方の希望する諸般の施設に協力せしむること。 以上要綱所戦の諸点か着々実行に移され我方か日満両国との親善提携に関する支那側の誠意を確認するに於ては先つ日支間に親善協力関係の設定に関する包括的取極をなし次て日満支間の新関係を規律するに必要なる取極を行ふものとす。   昭和十年十月四日    昭和十年十月四日関係大臣諒解に対する附属文書 一、本政策実施に当りては状況に依り支那に於ける中央及地方政権を相牽制せしむる等同国政局の関係を利用することあるへきも我方か殊更に支那の統一又は分立を助成し若は阻止する目的を以て之を行ふは其の本旨に非すして要綱所載の諸点の実現を期するを以て主眼とす。 二、本政策実施に当りては外務陸海軍は常に密接なる連繋を保持するものとす。 三、昭和九年十二月七日付外務陸海軍主管当局意見一致の覚書は今後の研究に依り之に代るへきものの決定を見る迄昭和十年十月四日関係大臣諒解と併行し引続き有効なるものとす    昭和十年十月四日 (署名省略) (国立公文書館:標題:21 対支政策決定の経緯 B02030150900)

北満鉄道譲渡協定 1935年03月23日

 北満鉄道讓渡協定(北満鉄道に関する「ソヴィエト」社会主義共和国連邦の権利を満洲国に譲渡する為の満洲国「ソヴィエト」社会主義共和国連邦間協定)(訳文、ひらがな化、一部新字体化、一部省略) (訳文)    北滿鐵道(東支鐵道)ニ關スル「ソヴィエト」社會主義共和國聯邦ノ權利ヲ滿洲國ニ譲渡スル爲ノ滿洲國「ソヴィエト」社會主義共和國聯邦間協定 (前文省略)    第一条 「ソヴィエト」社会主義共和国連邦政府は同政府が北満鉄道(東支鉄道)に関して有する一切の権利を満洲国政府に譲渡すべく満洲国政府は右に対する代償として日本国通貨一億四千万(一四〇、〇〇〇、〇〇〇)円の額を「ソヴィエト」社会主義共和国連邦政府に支払ふべし    第二条 北満鉄道(東支鉄道)に関する「ソヴィエト」社会主義共和国連邦政府の一切の権利は本協定実施と同時に満洲国政府に移転すべく且之と同時に北満鉄道(東支鉄道)は満洲国政府の完全なる占有及単独の管理の下に置かるべきものとす    第三条 一 本協定実施と同時に「ソヴィエト」社会主義共和国連邦人民たる北満鉄道(東支鉄道)管理機関の高級職員は其の職を解かるべし右鉄道管理機関の右高級職員は其の管掌せる記録、帳簿、文書及書類を種類の如何を問はず総て右鉄道の新管理機関に於ける夫々の後任者に引渡すべし  本条に使用せらるる「北満鉄道(東支鉄道)管理機関の高級職員」なる語は左の者を表示するものとす (甲) 各理事及監事 (乙) 管理局長及副管理局長 (丙) 稽核局副局長 (丁) 理事会、監事会、稽核局及管理局の各処長及副処長 各特務委員及特務工程師 各科及各分科の高等委員、顧問、科長及分科長 二 右鉄道の平常の機能を確保する目的を以て「ソヴィエト」社会主義共和国連邦政府は「ソヴィエト」社会主義共和国連邦人民たる右鉄道管理機関の高級職員中より左の者を本協定実施の日より一月間顧問として新管理機関の用に供することに同意す (甲) 管理局長 (乙) 管理局総務処長 (丙) 管理局機務処長 (丁) 管理局財務処長 (戊) 管理局商務処長 三 本協定実施後に於ては何時にても満洲国政府は左の者の何れか又は全部を解雇することを得 (甲) 鉄道管区、停車場及機関庫の各主任 (乙) 右鉄道の左記各附帯事業の主任 イ 林区及伐出作業 ロ 炭坑 ハ 発電所 ニ 印刷所 ホ 商務処付帯事業 ヘ 在

対支実行策 1936年08月11日

 対支実行策(ひらがな化、一部新字体化、不明文字あり)    對支實行策(昭和十一年八月十一日関係諸省間決定) 昭和十一年八月七日決定の「帝国外交方針」に遵拠し対支政策に関し差当り執るへき施策左の通。 一、対北支施策 北支処理の主眼は該地域を防共親日満の特殊地帯たらしめ併せて国防資源の獲得並に交通施設の拡充に資し一は以て蘇連の侵寇に備へ他は以て日満支三国提携共助実現の基礎たらしむるに在り。右親日満的地帯は北支五省を以て目途とすへきも徒に地域の拡大若は理想的分治の一挙完成に焦慮するは却て紛糾を増し目的を達成する所以に非るのみならす、速に対蘇態勢を有利ならしめんとする考慮に反するの結果となる虞あるを以て、先つ徐に冀察二省の分治完成に専念し爾他三省殊に山東に対しては防共親日及日満支経済提携を主眼とする諸般の工作に努む。分治の形式に就ては名目の如何に拘泥することなく、実質を取ることに著眼し南京政権の面子をも考慮し同政権をして其の授権の形式下に実際上北支聯省分治を承認せしむること得策なりとす。(別紙第二次北支処理要綱参照) 尚我方としては前記南京の授権を認むることは右を南京政権に対する政治上の手として利用し之に依り南京側との懸引に付最大限度の効果を収めんとするものなるを以て、之が処理に当りては中央及出先は一体となり緩急機宜の措置に出で飽迄厳正なる態度を持し假にも支那側をして之に乗じ所謂二重政策等を弄する余地なからしむること肝要なり。 二、南京政権に対する施策 南京政権に対しては漸次反蘇的態度を執り帝国と近接する如く具体的に促進を計り特に北支事態の改善に対しては同政権をして自ら進むで努力せざるべからざる如く施策するものとす。右施策に当りては南京政権の面子を考慮し同政権をして国民の手前抗日標榜の已むなきに至らしむるが如き措置を避くると共に支那民衆を対象とし如実に共存共栄を具現するが如き経済工作に力を注ぐ一方、前記一、対北支施策の急速実現を終始念頭に置き必要に依りては与ふるに利益を以てし仍つて以て南京政権をして我方に依存するの已むなきに至らしむるが如くすること必要なりとす。但し南京政権の政策を是正せしむることなくして、之か基礎を強化せしむるか如き措置は執らざるものとす。  (一)防共軍事協定の締結   (イ)本協定締結の為両国軍事専門家より成る秘密専門委員会を組織す   (ロ)専門

新奉及吉長鉄道に関する日清協約 1907年04月15日

 新奉及吉長鉄道に関する日清協約(ひらがな化、一部新字体化) 新奉及𠮷長鐵道ニ関スル日清協約 (前文省略) 第一条 清国政府は日本国の敷設せる新民府より奉天府に至る鉄道を買収するに付ては議定の賣価日貨金壹百六拾六萬円を天津に於て正金銀行に払ひ込むべし清国政府は右鉄道を改めて自營鉄道と為し遼河以東に要する資金は南満洲鉄道会社より其一半を借入るることを承諾す 第二条 清国政府は吉林府より長春府に至る鉄道を自弁するに付ては之に要する資金の半額も亦前記会社より借入るることを承諾す  第三条 第一条及第二条に掲くる借款の条件は還清期限を除くの外総て山海関内外鉄道の借款契約を仿照して弁理す其主要事項左記の如し鉄道事務の一切の章程は山海関内外鉄路總局の現在の弁法を按照して弁理すべきものとす  甲 借款還清期限は新奉鉄道遼河以東に関しては十八箇年吉長鉄道は二十五箇年と定め期限満了以前共に全部還清を行ふを得す   乙 新奉線遼河以東の鉄道に對する南満洲鉄道会社の借款は該叚の鉄道財産及収入を以て担保となす   吉長鉄路局自籌の商股及南満洲鉄道会社よりの借款は共に該鉄道財産及収入を以て担保と為す  清国政府は借款未濟以前に於ては上記の鉄道財産及収入を以て他の借款の担保と為すを得す  清国政府は借款期限中遼河以東の鉄道及吉長鉄道建物工場車輛用地動産等を善良に經理し且つ隨時車輛を増添し運輸の須要に應するに務むべし將來吉長鉄道に在て枝線を添設し或は該鉄道を延長する場合には其建造の事は清国政府の自弁に歸すべく若し資金に不足あるときは会社に向て借入を申込むべし上記以外に清国が自已の籌款にて他に鉄道を敷設する場合には南満洲鉄道会社と関渉する所なし  丙 借款の元利は共に清国政府に於て保障す若し利子元金の支払期に到り約の如くならざるときは会社の通知により清国政府より須要の額を按して会社に代還すべく萬一右通知の後に於て清国政府に於て支払延滯に屬する元利を籌還する能はざる場合には上記の鉄道及一切の財産は右元利支払濟に至るまで会社に引渡して代て經營を行はしむ但し不足の元利少額なるときは三箇月を逾へざる範圍に於て猶豫を與ふるを得  丁 借款期限中技師長には日本人を用ふべく又鉄道事務に要する清国人不足の場合には日本人を參用すべし技師長を更迭する必要あるときは会社と協議の上にて之を行ふべきものとす右の外鉄道曾計

昭和十一年帝国国防方針 1936年06月03日

 帝国国防方針(ひらがな化、一部新字体化)   帝國國防方針 第一 帝国国防の本義は建国以来の皇謨に基き常に大義を本とし倍〻国威を顕彰し国利民福の増進を保障するに在り 第二 帝国国防の方針は帝国国防の本義に基き名実共に東亜の安定勢力たるへき国力殊に武備を整へ且外交之に適ひ以て国家の発展を確保し一朝有事に際しては機先を制して速に戦争の目的を達成するに在り 而して帝国は其の国情に鑑み勉めて作戦初動の威力を強大ならしむること特に緊要なり尚将来の戦争は長期に亙る虞大なるものあるを以て之に堪ふるの覚悟と準備とを必要とす 第三 帝国の国防は帝国国防の本義に鑑み我と衝突の可能性大にして且強大なる国力殊に武備を有する米国、露国(「ソヴイエト」連邦を示す以下之に倣ふ)を目標とし併せて支那(中華民国を示す以下之に倣ふ)、英国に備ふ 之か為帝国の国防に要する兵力は東亜大陸並西太平洋を制し帝国国防の方針に基く要求を充足し得るものなるを要す其の標準別紙の如し  別紙   帝国国防に要する兵力    陸 軍 一 戦争の初期に於ける所要兵力は概ね師団五十箇を基幹とするものとす而して其の特に最も速に実現を要する主要事項次の如し  (イ)航空兵力は先つ戦時概ね百四十中隊を整備す但し将来更に飛躍的に拡充するの要あり  (ロ)在満兵力は高定員制師団少くも六箇を基幹とするものを平時より充実す  (ハ)常設師団を二十箇とす 二 戦争の継続に伴ふ所要の兵力は別に之を整備す 三 以上の兵力は将来情勢に応し機宜改訂を要するものとす    海 軍 一 外戦部隊は左の兵力を基幹とし之に適応する補助兵力を配す    主力艦 十二隻    航空母艦 十隻    巡洋艦 二十八隻    水雷戦隊 六隊(旗艦六隻 駆逐艦 九十六隻)    潜水戦隊 七隊(旗艦七隻 潜水艦 七十隻) 二 内戦部隊所要兵力は航空機及艦齢超過艦を以てするの外必要なる艦艇を新造充実す 三 外戦部隊及内戦部隊に充当すへき常備基地航空兵力を六十五隊とす 四 外戦部隊の基幹兵力に充つへき艦艇は主力艦艦齢二十六年迄、航空母艦及巡洋艦艦齢二十年迄、駆逐艦艦齢十六年迄、潜水艦艦齢十三年迄とす  右艦齢を経過したる艦艇は代艦を得て所要期間之を外戦部隊の補助兵力及内戦部隊に充つ 五 以上の兵力は今後十ケ年の保有量を目途とす但し将来情勢に応し機宜改訂を要するものとす

威海衛租借に関する英清条約(威海衛約定書) 1898年07月01日

 威海衛租借に関する英清条約(威海衛約定書)(ひらがな化、一部新字体化) (訳文)     威海衛約定書 北清地方に於て大不列顛国に適当なる軍港を供し且其の近海に於ける英国通商の保護を全からしめんか為め清国皇帝陛下の政府は露西亜国か旅順港を占領すると同一の期限間山東省威海衛並に其の近海を大不列顛国皇帝陛下の政府に貸与することを約定す 貸与に係る区域は威海衛湾に於ける劉公島及総て他の諸島並に威海衛湾の全岸に沿つて広さ十英哩の一帯の地を包含すへし而して大不列顛国は貸与せられたる以上の区域内に於て単独の管轄権を有するものとす 此の外大不列顛国は「グリーンウッチ」子午線の東経百二十度四十分以東に方る地方の海外若は其の附近に於て何れの地点を問はす堡砦及屯営を建設し其の他防備に必要なる計画を施し且該地域内に於て用水の供給、交通の機関及病院の設立に必要なる地区を政党の弁償を以て収得するの権を有すへし又右地域内に於ける清国の行政には干渉せさるへしと雖とも清国兵若は英国兵を除くの外何等の兵士も此地に入るを許さす 清国官吏は貸与に係る地域の防備の為めにする海陸軍要件に抵触せさる限りは威海衛城壁内の市中に於て其の管轄権の執行を継続すへきことを約定す 清国軍艦は其の中立と否とを問はす本条約に依り大不列顛国へ貸与したる水上を使用するの権利を保留することを約定す 本条約書規定の地域内に在住する人民を放逐し若は其の財産を没収することなかるへく若し堡砦公衙其の他官用公用の為め地所を要するときは相当の価額を以て之を買上くへきことを約定す 本約定は調印の時より効力を有すへし且本約定は両国皇帝之を批准し其の批准は可成速に倫敦に於て交換すへし 右証拠として各其の政府より正当の委任を受けたる下記の委員は本約定書に記名調印するものなり  千八百九十八年七月一日即ち光緒二十四年五月十三日北京に於て本書四通を作る(英文清文各四通)           クロード・エム・マクドナルド          総理衙門王大臣 慶  親  王 (外務省日本外交文書デジタルアーカイブ第31巻第1冊12 英国ノ威海衛租借関係一件P463-)

膠州湾租借に関する独清条約 1898年03月06日

 膠州湾租借に関する独清条約(ひらがな化、一部新字体化) (訳文)      第 一 条 清国皇帝陛下は清独間の修好的関係を鞏固にし而して之と同時に清国の軍事上の準備を確実にせんとする目的に基き満潮の際に於ける膠州湾の周囲五十「キロメーテル」(清国里数百里)の地域内に於ける一切の主権を保有して此地域内に於ては何時にても独逸軍隊の自由進入を許容し並に同所には独逸政府の予諾なくして何等の処分若くは命令を為ささること而して特に将来必要となるへき水路の整理には何等の故障を申出さることを約束せり清国皇帝陛下は独逸政府と協議の上右地域内に軍隊を駐屯せしめ並に其他軍事上の処分を行ふへき権利を保有せり      第 二 条 清国皇帝陛下は独国か爾他の諸強国同様船舶の修繕及艤装又は其材料及準備品の貯蔵並に其他之に附属する施設の為めに清国海岸に一箇の場所を所有せんとする独逸皇帝陛下の正当なる希望を允たすへき目的に基き膠州湾口の両岸を仮りに九十九年間賃貸的に之を独国に(許与?)せり独国は此期間中該許与?地に右企画されたる建造物及港の出入口保護の為めに築塞を実行することを担当せり      第 三 条 紛擾の生出することを避けんか為めに清国政府は賃貸期間賃貸地に対して其主上権を実行することなかるへく却て其実行を以て之を独国に附託せり其領土左の如し  (一)湾口の北部 ポタトー島の北東端よりローザン港に向て引ける条線を以て東北境となせる地頭  (二)湾口の東部 チポザン島の南々西に位する湾曲の極南西点よりトロザン島の方へ引ける条線  (三)チポザン島及ポタトー島  (四)満潮の際に於ける湾の全水面  (五)膠州湾に突出し而して海上より其防禦の為必要なる全島嶼即ちトルザン、ツアリエンタウ等 独国賃借地並に湾の周囲五十「キルメーテル」の境界の詳細なる画定に関しては両国政府は双方より任命すへき委員を以て其土地的形状に依り之を吟味せしむへきことを約定せり 清国の軍艦及商船は膠州湾に於て独国と親交ある他の国民の船舶と同様の恩典を受くへし而して湾内に清国船舶の出入並に滞在することは独国政府か湾の全水面に対し譲与(許与?)せられたる主上権に基き他の国民の船舶に対して或る期間に於て定課するの必要ありと認むる制限の外別に何等の制限を設くることなかるへし      第 四 条 独国は湾口前面の島嶼沙州に必要なる

広州湾租借に関する仏清協定(中仏互訂広州湾租界条約) 1899年11月19日

 広州湾租借に関する仏清協定(中仏互訂広州湾租界条約)(訳文、ひらがな化、一部新字体化) (訳文)      廣州灣租借ニ關スル佛淸協定 清国政府は仏国に対する友誼の為めに九十九年の期限を以て広州湾を仏国政府に租貸すへし 仏国政府は同湾に貯炭所を置きて之を海軍根拠地となすを得へし租借地の境界は実地調査の上他目両国政府の間に之を協定すへし借地料も又他目協定すへし (国立公文書館:日清間満洲ニ関スル条約・御署名原本・明治三十九年・条約一月...)

福建不割譲に関する交換公文(福建省不割譲条約) 1898年04月22日

 福建不割譲に関する交換公文(福建省不割譲条約)(一部新字体化) 福建不割讓ニ関スル交換公文           明治三十一年四月二十二日光緒二十四年閏三月初日北京ニ於テ   往 翰 以書翰致啓上候陳者日本國政府ハ深ク淸國政府近來ノ窮況ヲ軫念シ曩ニ威海衞撤兵ノ聲明ヲ爲セルモ素ヨリ意外ノ事端發生シ累ヲ淸國ニ加ヘンコトヲ慮リタルカ爲メニ外ナラス亦以テ日本國眞意ノ存スル所ヲ明カニスルニ足ルヘク將又日本國政府ハ實際ノ情況ヲ明察シ利害ノ及フ所ヲ考慮スルトキハ之ヲ不問ニ付スル能ハサルモノアリ宜シク早キニ及ンテ妥當ノ方法ヲ購セサルヘカラス就テハ淸國政府ニ於テ福建省內ノ各地ヲ他國ニ讓與若クハ貸與セラレサルコトヲ聲明セラレンコトヲ申入ルヘキ旨帝國外務大臣ヨリ電訓有之候ニ付右ノ次第曩ニ面陳ニ及ヒ置キタルカ更ニ茲ニ貴王大臣ニ致照會候間何分ノ御囘答ヲ得度此段照會得貴意候 敬具   明治三十一年四月二十二日   來 翰 以書翰致啓上候陳者光緖二十四年閏三月二日付書翰ヲ以テ日本國政府ハ深ク淸國政府近來ノ窮況ヲ軫念シ曩ニ威海衞撤兵ノ聲明ヲ爲セルモ素ヨリ意外ノ事端發生シ累ヲ淸國ニ加ヘンコトヲ慮リタルカ爲メニ外ナラス亦以テ日本國眞意ノ存スル所ヲ明ニスルニ足ルヘク將又日本國政府ハ實際ノ情況ヲ明察シ判害ノ及フ所ヲ考慮スルトキハ之ヲ不問ニ付スル能ハサルモノアリ宜シク早キニ及ホンテ妥當ノ方法ヲ講セサルヘカラス就テハ淸國政府ニ於テ福建省內ノ各地ヲ他國ニ讓與若クハ貸與セサルヘキコトヲ聲明セラレンコトヲ申入ルヘキ旨日本國外務大臣ヨリ電訓ニ接シタルニ付曩ニ面陳ニ及ヒ置キタルカ更ニ茲ニ照會シ何分ノ囘答ヲ得度趣御照會相成候處本衙門按スルニ福建省內及沿海一帶ハ均シク中國ノ要地ニ屬スルヲ以テ何レノ國タルヲ論セス中國ハ斷シテ之ヲ讓與又ハ貸與セラルヘシ依テ率ニ貴公使ニ及囘答候間右貴國政府ニ御轉達相成度此段囘答得貴意候 敬具   光緖二十四年閏三月初四日 (国立公文書館:標題:甲、支那トノ条約関係/(二)福建不割譲ニ関スル交換公文 B02130062500) (参考:https://seesaawiki.jp/japan1/d/%CA%A1%B7%FA%C9%D4%B3%E4%BE%F9%A4%CB%B4%D8%A4%B9%A4%EB%B8%F2%B4%B9%B8%F8%CA%B8)

旅順、大連湾租借に関する露清条約 1898年03月06日

 旅順、大連湾租借に関する露清条約(ひらがな化、一部新字体化、不明文字あり、附属書等省略) (訳文)      旅順、大連湾租借に関する露清条約 (前文省略) 第一条 露国海軍を保全する為め清国北部の海岸に於て根拠と為すへき地を有すること 大清国皇帝は旅順・大連湾及ひ附近の海面を露国に貸与することを承允す但し露国は断して貸与地に於ける清国の主権を侵ささるへし 第二条 以上の理由に因り借用する所の土地の境界は大連湾以北の陸地に於て借用地の守備に適当なる地を撰むへし而して其距離若干里を要すとせは若干里を隔つことを准す其的確なる境界及ひ本条約に関する詳細の事項は記名調印後聖彼得堡に於て許公使(駐露公使)と商議の上別に取極を為すへし此境界画定の後其界線内に劃入せられたる土地及ひ附近の海面は専ら露国の借用に帰するものとす 第三条 借地の期限は記名調印の日より起算して二十五年を以て限と為す然れとも満期後両国商議の上更に延期することを得 第四条 借用期限中借用地及ひ附近の海面に於て海陸軍隊を指揮し並に地方を治理する大官は全く露国より一人に責成して弁理せしめ総督巡撫の名目を附するを得す而して清国は此界内に何等の軍隊をも駐屯せしむるを得す界内に於ける清国人の去就は其自由に任せ之を駆迫するを得す若し犯罪者あるときは該犯を最寄清国地方官に交付して処分せしむ其処分方は咸豊十年清露条約第八条に依るへきものとす 第五条 借用地界以北に於て一の中立地を定む而して露京に於ける許公使と外務大臣との商議に因り此中立地の権は全く清国官に帰す但し清国の兵は露国官吏に協議を為ささるに於ては中立地内に来るを得さるものとす 第六条 両国政府は旅順口を以て専ら軍港と為すことを承允したる上は露清船艦に之か享用を許すと雖も各国の軍艦商船に対しては不開港となして猥りに出入を許ささるへし大連湾に至ては港内に於ける一ヶ所のみ旅順の例に照し専ら露清軍艦の用に供し其余の場所は通商港と為し各国商船に自由に往来することを許す 第七条 露国は借用したる土地にして旅順大連に二港を尤も要害の地と認定するにより海陸軍隊の兵舎を建築し砲台を築造し守備兵を配置し都て必要なる設備を為すこと 第八条 清国政府は光緒二十二年准す所の清国東方鉄路公司か鉄路を建造するの理を以て記名調印の日より該幹線の一停車場より大連湾に至るまて或は必要なる所を酌量し亦